第71話 2020年の初売り(8)
だから御老体は、声の主へと注目──。
するとそこには、質素な色合いの厚手の和服を着衣した女性の姿が……。
それも? 和服姿ではあるのだが? 日本人離れをした異国情緒溢れる、銀色の髪を持つ絶世の美女だから。御老体自身は、山田瞬との和気藹々とした会話を中断──。
その後は沈黙……。自分へと挨拶をしてきた女性に魅入ってしまう。
「あっ、明けましておめでとうございます~。おじさん~。今年もよろしくおねがいします~」
坪田御老体が和服姿なのに、銀髪の髪色を持つ異国情緒溢れる妖艶な女性に魅入り、呆然としていたら。
今更のように山田瞬から、新年の挨拶が告げられる。
だから坪田御老体も我に返る。
「おおお~。山田~。明けましておめでとう~。今年もよろしくなぁ~」
と、笑み……。
というか? 御老体自身は、少々慌てふためきながら山田瞬へと新年の挨拶を返したのだよ。
だって、今の今迄~。異国情緒溢れる銀色の髪を持つ、艶やかでもあり。妖艶さを身体中から漂わせる女性……。
なのに~? 和服姿~。
2020年の年が明けて──。そろそろ一週間も経とうとしている最中なのに、山田瞬の男としての悪しき欲望心を叶えるためだけに召喚された筈なのに?
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