第59話 2020年の初仕事前の車内の会話……(8)
すると? おさん狐さまは、山田瞬へと。
「わらわは、あの神聖な山で、一族の者達や他の者達……。まあ、お主達人が、妖怪だと申している者達の面倒をみながら、男女、子供関係無く暮らしていたことがあるのだよ~。でッ、その時に~。その者達から、スルメを入れてダシをとる雑煮の作り方を教わったのだよ~。だから瞬が、その者達に対して、憎悪や嫉妬心を募らせるような恥じのある暮らしは~。西の頭でもあるわらわは~、決してしていないから~。瞬はそんなにも~。わらわのことを心配しなくてもよい~。だから瞬は、わらわに対して、そんなに恐ろしい顔をしないでおくれ~。いつものように瞬は、わらわに優しい笑みだけ浮かべ、囁いてくれればいいのだ~。わらわは、瞬だけの物だから~」と。
おさん狐さまは、こんな感じで、悲しい声色で告げる……。
と、いうことはないのだよ~。
だって彼女は、山田瞬の嫉妬心と憎悪から、絵本……。黄泉の国から召喚された大妖怪なのだから。
彼女は山田瞬の嫉妬心と憎悪を糧に、妖力を増幅──。
自身の体内に蓄積しているから。
大妖狐──。おさん狐さまは、自身の心の中で歓喜──。嬉しくて仕方がない。
だから山田瞬が自分へと執着心を湧かすようにしな垂れ甘えてみせるのだよ。
でッ、そんな事など知らない山田瞬は、おさん狐さまの話しを聞き、「えっ?」と、驚嘆を漏らす。
そして今度は彼……? 呆然とする。
……でなくて?
自身が運転をするスクラムのバックミラーへと視線を変える。
そして自身の顔をバックミラーへと映し──。
その後は見て確認するのだ。
おさん狐さまが申す通りに、本当に自分自身の顔は、恐ろしい顔色をしているのかとね?
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