第50話 2020年……。新年の朝……。(8)

 ……ッて? 大妖狐の彼女が、山田瞬の何に対して不満を募らせているのかと言えば?


 まあ、こんな感じだよ?


「瞬~? お主は何故~? わらわの主さまなのに~。わらわのことを『おさんさま』と、他人行儀で呼ぶのだ~? わらわは、瞬の主ではない~。瞬がわらわの『主さま』なのだから~。瞬は自分の所有物である、わらわのことを『おさん』と呼んでもらわねば困る~。わかったか~? 瞬~」


 おさん狐さまはいつまでも、自分自身に対して、他人行儀な物言いで話しかけ答える山田瞬へと。とうとう不満を漏らし。おさん狐さまへの対応に対して改善をするようにと訴える。


 う~ん、でも、山田瞬は? おさん狐さまの要求に対して。


「えっ? いやでも?」


 彼女の主さまらしくない言葉を返すのだが。おさん狐さまは、そんな態度の山田瞬のことを許さないのだ。


「えっ? いや~。ではないぞ~。瞬~。わらわは先程お主と永遠の誓いを交わしたのだ~。だから今後は瞬の励みとなるように、わらわは瞬へと尽くし~。寄り添い~。暮らしながら~。お主の子を宿し~。後世へと子孫を残していくつもりなのだよ~。だからちゃんとわらわのことを妻らしく『おさん』と、呼んでもらわねば困る~」

 

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