第48話 2020年……。新年の朝……。(6)

 う~ん、でも、おさんは? 容姿こそ、如何にも妖狐の女性らしい妖艶で美しく、色香を醸し出している大人の女性といった感じの容姿……。


 でも彼女は? 容姿とは裏腹……。自身の主には大変に控えめであり、良く尽くす、古風的な大和撫子だから。


「うぅ~ん。別に構わない~。瞬は、わらわの御主人なのだから~。気にしなくてもよい~。それよりも~。コタツに入り~。ドン! と、主らしく座っていろ~」


 と告げ。キッチンへと移動──。


 そして移動後は、雑煮の入った鍋の蓋を開けて、お玉を入れ、すくいながら。


「瞬~。雑煮は~。未だ沢山~。胃の方に入りそうか~?」


 と、訊ねる。


「ん? あああ~。おさんさまの作ってくれた御雑煮は、大変に美味しいから。僕の意の中に、まだまだ沢山入りそうだよ~」と。


 山田瞬は明るい声色で、おさん狐さまへと告げる。


「そ、そうか~。そ、それはよかった~。わらわも、お主が喜んでくれるなら、御雑煮を作った甲斐があるというものだ~」


 と、嬉しそうに告げ。


「では~? 大盛りでよいな~?」


 と、訊ねる。


「うん、いいよ~。おさんさま~」


 山田瞬はおさん狐さまの問いかけに対して、また嬉しそうに答える。

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