第46話 2020年……。新年の朝……。(4)

 となれば? 日本の女性達は、自身の作った汁物、煮物を、好きな異性に褒められると嬉しくて仕方がない。


 だから西の大妖怪であるおせんさますら、山田瞬の歓喜と、自分自身を褒め称える台詞を聞けば、顔が緩み、満身の笑みが漏れ。


「そ、そうか~。瞬~? わらわの作った雑煮が、そんなにも美味しいのか~?」


 と、言葉を漏らし訊ねる。


「うん、美味しいよ~。おさんさま~」


 おさんさまの問いかけに対して、山田瞬も瞬時に言葉を返してくれるから。


 おさん狐さまは嬉しくて仕方がない。


 だから自身の心の中で、(ヨシ~! わらわは、瞬の胃袋を直ぐに鷲掴みにした~)と、思う。


 でッ、思えば彼女は、更に歓喜──。


「ほら~。ほら~。瞬よ~。わらわの作った雑煮をたんと召し上がれ~」と。

 山田瞬にもっと雑煮を食べるようにと急かす。


「うん、ありがとうね~。おさんさま~。じゃ、おかわりを頂くよ~」と。


 山田瞬はおさん狐さまの優しく、温かい言葉を聞くと、嬉しそうに答えて、雑煮をおかわりする為に。コタツからでて立ち上がろうと試みるのだ。

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