第45話 2020年……。新年の朝……。(3)

 あの汁椀の中に見える、白い物はどう見てもお餅──。


 そして蒲鉾、ハマグリ、ブリと海の幸と。山の幸である青い葉の野菜とキノコ類をふんだんに使用した豪華な御雑煮なのだが。


 う~ん、この家……?


 山田瞬、おさんさま……。


 どちらの趣味なのだろうか?


 更に良く見ると?


 鳥のお肉にイカの干物……。


 まあ、スルメと言う名の物が刻まれて入っている。


『……ん? あれ? イカのスルメ?』と、遠目から見ている色々な国々──都道府県の人達は思うかも知れないが?


 山田瞬が以前産まれ住んでいた広島県……。


 その中の一つで県北に近い都市の、三次市では、一部昔から、雑煮にスルメを入れる習慣がある……と、言って、不思議がるよりも。


 日本の御雑煮の作り方は、各都道府県の市町村で、作り方や入れる具が違うところが面白いところだと思うから。


 遠目から二人の様子を凝視している人達も一度調べてみるといいと? 我らは思う。


 まあ、こんなことを考えながら二人の様子を凝視していたら。


 山田瞬の口から今度は、「おさんさまは、料理が上手だね~」と。彼女を褒め称える言葉が漏れてくる。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る