第35話 2020年の初夢が正夢に? (4)

 まあ、こんな官能的な声が返ってくると、山田瞬も流石に目が覚める。


「えぇえええ~。あ、貴女は誰ですかぁあああ~?」


 彼はこんな感じで声を大にして叫びながら、自身の身体を慌てふためきながら起こすのだ。


 まあ、これも? ラブコメ、恋愛物語のお約束……。セオリー通りにね。


 すると? この世の物とも思えない、極上……。


 そして大変に高価な枕さまの艶やかな大人の妖艶な唇が開き──。


「将よ~。何をそんなに慌てふためき驚いているのじゃ~? わらわは、お主の声が余りにも大きいから~。耳が痛くて仕方がないではないか~」と。


 大変に妖艶で美しい高価な枕さまは、こんな不満を山田瞬へと告げるのだ。


 やはりこれも? ラブコメ、恋愛物語のお約束のようにねぇ~。


 だから山田瞬は、物語の主人公らしく、ヒロインへと注目──。


 彼へと不満を告げる。この世の物とも思えない、妖艶で美しい、高価な枕さまへと注目──。


 その後もセオリー通りに、高価な枕さまを拝み沈黙……。


 彼は高価な枕さまに魂を奪われ、文句を言い返すこともできずに、魅入ってしまうのだよ。



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