第34話 2020年の初夢が正夢に? (3)

 それに彼は、昨晩の大晦日……。コタツの魔力と魅惑に耐え切れなくなり。うたた寝……。


 そのまま初夢をみながら熟睡タイムに入っていた筈なのに?


 彼の頬には、極上の柔らかさを持つ枕に、自身の身体は布団に入った状態でいるのがわかったから。


(可笑しい~? 僕は昨晩、コタツの誘惑に勝てることができずに。そのまま寝落ちをした筈だ! なのに? 僕は今布団の中に身体を入れて寝ている状態だから可笑しい~? それに? 僕の頬に当たる。この世の物とも思えないほど、柔らかくて温かい枕……、こんな高価な枕が、僕の持ち物の中にあっただろうか……?)


 まあ、山田瞬は咄嗟にこんなことまで、二審の脳裏で思案をするのだよ。


 でッ、その後彼は? こんなラブコメ物語のお約束通りに。


〈サワサワ~。ムニュ~、ムニュ~。サワサワ……〉と。


 山田瞬は、この世の物とも思えないほど柔らかい極上の枕を、触れ触り……だけではなく。鷲掴みで握り、揉むのだ──!


『ワシワシ』と、力強くねぇ~。


 でッ、そうなると?


 これもラブコメ、恋愛物語のお約束だから、刹那──。


 女性の官能的な声色で。


「い、いや~ん、今は陽が高いからやめておくれ~。瞬~」


 と、甘ったるい声色で言葉が返ってくるのだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る