第33話 2020年の初夢が正夢に? (2)

 だって彼は、自身の脳裏でこんなことを思うから?


「……ん? あれ? 今何時……?」とね。


 でッ、彼が脳裏で思うのは、それだけではない。


(あれ? 可笑しいな? 目覚まし時計の音が、僕の耳にいつまで経っても聞こえない気がする?)と。


 山田瞬は脳裏で思いながら、深い眠りから目覚めようと試みるのだよ。


 だって彼は更に自身の脳裏でこんなことを思うから?


「う~ん、それにしても、部屋の中が明るい気がする……? 特にこの部屋の明るさは。部屋の中に陽が射して、明るい気がするのだよ……?」


 まあ、こんな感じで山田瞬は、未だ瞼を閉じた状態ではあるのだが。自身の脳裏で困惑を始める。


 だって彼は去年……。2019年の大晦日の日の帰宅後に、自身の部屋の戸締りだけではなく。外から灯りのつけた部屋の中が見えないようにと、カーテンを閉めたのだ。


 だから彼の部屋に、朝陽が差し込むことはまずないのだよ。


 だから山田瞬は困惑を始める。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る