第31話 夢幻? (6)
と、いうことで?
山田瞬はまた自分自身の口を開いて。
「さてさて~。どうしたものだろうか~? 僕に甘えるこの女性なのだが……。人ではなく物の怪……。妖狐の女性のようだから。一体これから先、僕はどうしたらいいのだろうか……?」と。
彼は困った声色で独り言を漏らすのだよ。
う~ん、すると? 彼の独り言を聞いているかの如く? 寝ている妖狐の女性の顔が緩み、「クス」と微笑──。
でッ、その後はまた妖狐の女性の口から「むにゃ~、むにゃ~」と声にならない声が漏れてくるのだよ。
だから山田瞬の顔も何故か緩む?
そして妖狐の女性のように「クス」と微笑を漏らすのだ。
でッ、その後彼の口からは、「致し方がない……。安堵しながら寝ている彼女を起こして理由を聞くのも忍びないので。僕もこのまま寝よう……。もしかすると? これは、僕の夢幻……。初夢かも知れないからね?」と、独り言を漏らしながら。山田瞬は、自分自身へと言い聞かせる。
そして、その後は?
「あああ~。これが~。正夢になれば、本当にいいのにね~」
と、また独り言を漏らし。安堵しながら寝る。美しい妖狐の女性を凝視しながら。
「おやすみなさい~」と、彼女に声をかけて、彼もまた夢の中へと戻るのだよ。
でッ、そんな山田瞬へと妖狐おさん狐は、「うふ~。瞬~。おやすみなさい~」と。
山田瞬へと聞こえないぐらいの声色で、言葉を返したのだ。
う~ん、どうやら彼女は、狸寝入り……ではなく。
狐寝入りをして誤魔化していたようだ。
◇◇◇◇◇
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