第24話 大晦日の狐そばと昔話しの絵本? (5)

 某食品加工会社のコマーシャル……。大晦日の夜に、インスタントのカッ蕎麦を食べる男性俳優の許に、狐の耳の付いた妖狐……なのだろうか? 美しい女優さまが現れるコマーシャルなのだが。今の独り身で大晦日の夜を、特番を見ながら過ごす様子は。今の山田瞬と同じような境遇なので。彼は共感を覚えたのだろうか?


 そのコマーシャルを呆然としながら凝視をしている状態なのだよ。沈黙を続けたままで……。


 う~ん、でも? 独身男性の許へと、美しい女性の妖狐が現れるコマーシャルが終われば山田瞬は、今迄沈黙を続けていた口を開く。


 そしてこんな台詞を漏らすのだ。


「う~ん、女性の妖狐か……。そういえば? 今日の大掃除で。昔、幼少の頃に。よく婆ちゃんに読み、聞かされた。広島の昔話。おさん狐の話しの絵本が、何故か? 押し入れからでてきたのだった……」と。


 彼はこんな独り言をもらすのだよ。


 それも? 少々不思議そうな顔をしながら~。



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