第7話 紙マスク?(1)
「ありがとう。大島のオジサン……」
山田瞬は自身の目の前に立つ壮年……。
そう、山田瞬が大島のオジサンと呼びながらお礼を告げた壮年なのだが。
彼は一体に何者……。
と、いうか?
大島のオジサンは変わり者なのかな? と、思ってしまうよ。
だって大島のオジサンが山田瞬へとニコニコ微笑みながら愛想良く手渡した物はね?
何と~【マスク】!
それも、簡単に使い捨てができる【紙マスク】と、いう奴なのだ。
それも山田瞬自体は、今風邪やインフルエンザに侵されて咳を『コンコン』としながらいる訳……。
そう彼は、五味の市の店頭販売ブースで商い。販売業というものをしている訳ではなく。
大変に元気な様子。身体に見えるのだが?
大島のオジサンはそれでも、山田瞬へと【紙マスク】を手わしてきたから不思議で仕方がない。
となれば? 大島のオジサンから【紙マスク】を受け取った山田瞬の方もね。大島のオジサンへとお礼は告げはしたのだか。
彼の心中は……。
「(やはり大島のオジサンは、容姿に違わぬ変わり者なのかも知れない……)」と思うのだ。
それも山田瞬は、大島のオジサンへと苦笑いをしながらお礼を告げ。自身の心の中ではこんなことを思いながらいるのだ。
まあ、彼、山田瞬が、自身の心の中で思い呟く通りだ。
大島のオジサンの様子は、年甲斐も無いと言うには、少々可愛そうかな?
特に今の世は、人生百年時代に入っている高齢の方達が多々いる時代になっているから。『人生五十年』と、歌われた時代とは違うのだよ。
だから大島のオジサンが五十歳を過ぎていようが。自身の身なりを大変に気して整える。
そう、自身の頭の髪、少し伸びればカットを忠実に行く。
……だけではない。
頭の髪の色も白髪……。白髪と呼ばれる物ではなくて、【グレー】【灰色】【薄目のネイビーブルー】と、呼ばれるカラーに染めているのも致し方がない。
と、言うか?
大変に容姿の派手な伊達男の壮年なのだ。大島のオジサンはね。
だから山田瞬は、自身の脳裏で大島のオジサンのことを少しばかり変わった方だと思った訳なのだよ。
まあ、そんな、伊達男の大島のオジサンから【紙マスク】を受け取った山田瞬なのだが。
「大島のオジサン? 僕は風邪やインフルエンザなどにも今かかっている状態ではなく。元気そのものだけれど。何で、紙マスクを?」と。
困惑をした表情で、大島のオジサンへと訪ねるのだ。
「……ん? 君知らないの山田君?」
「えっ? 何が?」
「えっ? 何がって? 他国で変なウイルス。伝染病が流行っていることを?」と。
大島のオジサンに、山田瞬は告げられて。自身の頭を振りながら。
「知りません……」と。
彼は言葉を返すのだった。
来年2020年には、この謎ウイルスが世界中に広がり猛威を震い。世界中の人々震撼、恐怖へと陥れるとも知らずにね。
◇◇◇◇◇
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