第17話 着せ替え人形?いや、ちゃんと人間だしw

2022年冬アニメで話題をかっさらった

「その着せ替え人形ビスクドールは恋をする」。


私もハマったのである。(笑)


最初はネットニュースに添付されていたヒロイン、

喜多川 海夢まりんの画像に惹かれた。


最初に見た印象は…

「なんかギャルみたいだけど、可愛いなー、この娘。」

という感じ。


ニュースの中身を読み進めて行くと

コスプレが主題のラブコメであると判明した。


実は私。

30年以上前にコスプレデビューしているのである!(爆)


社会人になりたての頃。

私はアニメ雑誌「月刊OUT」の読者ファンジン集会の

名古屋地区主催をしていたことがあるのだ。


当時、OUT読者が各地でファンミーティングを開催していた。

それは読者の有志が

「読者仲間で集まって交流したら面白いよね?」

と言う発想で始まって行き、全国各地で

「アウシタン集会」と言う名称で開催される事となったのだ。


(ちなみにアウシタンとはOUT読者を指す同人スラング。

当時、アニメマニアは社会的マイノリティーであり

周囲にその趣味を隠して生活する者が多かった。

さらにOUTと言うマイナーな雑誌の読者だと

カミングアウトできるはずもない。

己の信条を隠して生きる隠れキリシタンとイメージが同一化され

自虐をこめて「隠れアウシタン」と読者間で呼ぶようになり

仲間内では隠すことも無いため「アウシタン」と呼ぶようになった。)


もちろん、OUT編集部などの要請とかは一切なく

純粋に「読者による読者のための交流会」であった。


OUT紙上の読者告知ページに

主催する誰かが「XX地区 アウシタン集会 スタッフ募集!」と告知。

スタッフが揃ったら

「XX地区 アウシタン集会 X月X日 開催!参加者募集します!」

と告知して参加者を集めて集会を開催する。


開催にはそれなりにお金もかかるので(会場の利用料など)

ある程度の参加費を徴収したけど運営に関して言えば

常に赤字だった。


しかし、スタッフとしては

「アウシタンの同志と楽しむお祭り」を開催する事が重要で

金銭的な負担など気にしてはいなかったのだが。


私は「中部アウシタン集会」を初回から5回まで主催した。


その初回に向けたスタッフ会議の雑談中に

「銀英伝の自由惑星同盟フリープラネッツの軍用ジャケットが発売になるんだけど。」

「あぁ、あれ欲しいよな。カッコイイし。」

「俺も欲しいよ!」

「じゃあ、みんなで揃えてみるか?」

「それ面白そうじゃん!」


と言う軽いノリでスタッフの内、私を含めた

懐に余裕がある社会人6人が購入し当日着用する事となったのだ。


当時の販売価格は8000円ほど。

現在ならおよそ25000円ぐらいだと思う。


自由惑星同盟軍の軍装はジャケットに黒ベレー帽、白スラックスに革靴。

首には白スカーフ。

購入できるのはジャケットだけなので

その他のアイテムは各人が自前で用意する事になった。


みんなノリノリでアイテムを探して購入。

当日にちゃんと統一された軍装で会場に集合したときは

かなり感動した。


なぜ、このコスチュームにしたのか?


「メインキャラクターではない一般兵になれる」


それが理由である。


ヤン・ウェンリーやアッテンボロー。

キャゼルヌやビュコックと言った

メインキャラクターに似せる事は

「鏡を見てから言え!」wと言う顔の我々だ。

しかし、自由惑星同盟軍の兵士は何万人といるはず。

ならば我々のような人物もいて不思議ではない。


メインキャラクターにはなれなくても作品世界の中へ入り込める。

その一体感がたまらないのだ。


現在では

いろんなアニメのキャラクター衣装が販売されているが

30年前の当時はこのジャケットぐらいしか販売されていなかった。

と言うよりこのジャケットが初のキャラ衣装販売だったと思う。


自分が主催したイベントの事ではあるが

現在で言うところの「合わせ」をしていた事を思うと

なんだか感慨深いものがあるのである。


ちと余談が長くなったが本題へ戻ろう。


「その着せ替え人形は恋をする」

この作品については…。


ウィキペディアはじめ各種ネットニュースなどで

報じられているので詳細は割愛する。w


私が注目したのは、ヒロイン・喜多川 海夢の

描かれ方である。


自分の価値観を確立した「見た目ギャルな女子高生」。

ふわふわした感じではない。

しっかり芯が通った、言いたい事・言うべき事は

ちゃんと口に出す「気っ風がいい女の子」


自分の「好き」に対して遠慮しないその言動は

60間近のオッチャンにとって、とても眩しく映るのだ。


それは自分も通ってきた

「青春」と言う一時代の一面を切り取って

再構成したような感覚。


刺激的で甘酸っぱくて、時に苦い。

そんな感情を思い出させてくれるのが彼女である。


彼女はコスプレ衣装製作を

同じクラスの五条 新菜わかなに依頼し

それがきっかけで彼に惹かれて行く。


いわゆる陰キャの彼が自由奔放な海夢の言動に影響されて

前向きに変化していくのも見ごたえがある。


しかし、何より海夢の言動の全てが可愛いし素敵なのだ。


五条君に対する心情を語るモノローグなど。

彼氏にベタ惚れした女子がアタフタしながら

自分の気持ちを抑えきれない状況を適切に表現している。

(ギャル的な言葉遣いだがw)


『てか、好き、好き?しゅきー!』


しゅき?ww


この言葉は五条君の『綺麗』と言う言葉に対するの拘りと

対になっているように思う。


五条君にとって『綺麗』と言う言葉は

心からそう思えたときのみに口から出るものであるそうだ。

海夢まりんの『しゅき』もただの「好き」よりも

ずっと純度の高い『好き』であるのだろう。


アニメでは出てこなかったが原作漫画の中で

『しゅぴ』と言う表現も出ていた。

英語で言う比較級表現の最上級が『しゅぴ』なのかもしれない。

好き→しゅき→しゅぴ なのか?ww


コスプレ衣装制作のためにアニメを見る事になった五条君を

自分の部屋に入れて

『これって、お家デート?』とか言い始めたり。(モノローグで)

昼ご飯にオムライスを作るのに卵でくるむのに失敗して

ケチャップでハートマークを書くはずが「ごめん」に

なっていたりとかw

本当にJK感が半端ないといった具合。


こんなJK、アニメの中にしかいない…

いや、実在するかも?


そんな気持ちにさせてくれる喜多川 海夢に

ベタ惚れな私であります。


ただ、少しだけ気になる事が。


海夢は人と会うとき必ずオレンジのカラーコンタクトを付けている。


五条君を家に呼んで出迎えた時は寝起きで

カラコンを付けていなかったのだけど、

それに気づいた時の慌てようが半端なかった。

ノーブラでキャミソールをかぶっただけの姿を五条君に見られた事よりも

カラコンをつけてない事の方が重大だったのだ。

(原作漫画では乳首まで「こんにちは!」していたようだがw)


これはどう言う事なのか?


「目は口程に物を言う」と言うことわざがある。

相手の瞳を見ればその本質をうかがい知ることができる。

と言う意味なのだろう。


これに当てはめて考えると

海夢は「本当の自分を知られたくない」と

意識しているのではないだろうか?


見た目はギャルで自由奔放。

誰にも弱みを見せずに明るく振る舞う元気なJK。


でもそれが「自分を守る鎧」だとしたら?


母親は病死して父親は単身赴任中。

家には自分一人しかいない。


寂しさを感じないわけがない。


周りからの評価は高いけど

自分自身は大したことないと思っている。


そんな彼女の本質は

「寂しがりのか弱い女の子」ではなかろうか。


だから、コスプレなのだ!

自分自身ではない何かになって

本来の自分を打破したいのだ!


想い人の五条君にも「自分自身」を見せる事が

できないというのはかなり重症だと思う。

無意識的な行動だとしたらもっとヤバい。

早く何とかしないと…。


五条君なら海夢をありのままに受け止めてくれるだろう。

さっさと結婚してしまえ!(爆)






などと、アニメの1シーンから

余計な妄想を膨らましてしまった。

あくまでも私の感想・想像である。


ただ、こう言った見方もあるのだと知って頂きたい。



「その着せ替えは恋をする」

趣味に全力を傾ける青春ラブコメディーの傑作。

二期も期待したい。(まだ制作発表されてないがw)


見てない方はぜひ視聴することをお勧めする。





今回はここまで。































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