第7話かんぱに☆ガールズと言うゲーム

不定期にも程があるのだが………。

今回もはじめよう。


前回予告した通り、『かんぱに☆ガールズ』を紹介しよう。


このゲームはDMMゲームスが開発しDMM.comが運営するブラウザゲームで

2014年9月17日にリリースされた異世界育成RPGである。


プレイヤーは現代日本のサラリーマンで帰宅途中、電車で居眠りしていたところ

なぜか異世界ミステリオへ転移してしまう。

気がつくと未舗装の道路に立っておりそれまでの記憶全てを失っていた。

自分の名前すら思い出せない状況で途方に暮れていると

突然、モンスターに襲われた!

そこを通りすがりの少女に救われる。


彼女の名は モニク・ワロキエ。

ミステリオの「公国」貴族、ワロキエ家の若き当主で消息不明になった父親を探して

傭兵をしながら各地を旅しているそうだ。

モニクには同行者がいた。

妖精・ルカである。

ルカも転移者であった。

ミステリオでは転移者と言うのはレアではあるが

世間に認知されるくらいには数が存在しているようだ。

プレイヤーは元の世界へ戻る手段を探す事を目標に定める。


プレイヤーは行く当てもなかったため彼女に同行してもらいアルカレイアの街へ。

そこで誰かに追われていた、ロヴィーサと言う少女を助ける。

彼女は駆け出しの傭兵で街角に設置された依頼掲示板から依頼を取ったところで

別の傭兵とトラブルになったらしい。

追ってきた傭兵の前に立ちはだかりロヴィーサを助けようとすると

不思議な力が発動して傭兵を吹き飛ばした!

このミステリオで転移者が発揮できる魔法で撃退した…らしい。

 

プレイヤーは元の世界へ戻手段を探るためいろんな人と知り合う手段として

傭兵…は無理だからと傭兵の支援・管理・営業を行う「傭兵会社」を設立する事を思い付く。

助けたロヴィーサに「一緒にやらないか?」とスカウトし了承を得た。

さらにルカがモニクに参加を提案し、なし崩し的にモニクも参加する事となる。


プレイヤーは早速、拠点となる空き家を探しに行くことに決め

行動を開始する。

「心機一転、頑張っていきますか…!」


以上がこのゲームのプロローグである。


さて、このゲームの特徴の一つとしてプレイヤーに固有の名前が無い事が挙げられる。

他のゲームでは最初にプレイヤーの「名前」を設定する事が多いのだが

このゲームでは「会社名」を設定する。

これはプレイヤーがキャラクターを自分と同一視すると言う一般的なゲームスタイルではない。

これではゲームへの没入感が減少し、魅力が損なわれてしまうような気もするが

それを補う…いや、上回る「名前」を持つ事になるのだ。


「社長」!


何というパワーワードか!

社会人として生活している身としては一度は呼ばれてみたい「名前」である。

もっとも、夜の街で白々しく「社長!」なんて持ち上げられるのは御免被りたいが。


社長となったプレイヤーは新たな社員を採用し依頼をこなしながら会社を大きくし

元の世界へ帰還する方法を探索していく…と言うのがメインストリームなのだが。

このゲームでは他のRPGのように自分でMAPを探索して

帰還の手掛かりを探すとかの手間ひまを掛けるゲームではない。


現在のゲームでよく見られる「シナリオを読み進めて進行する」ゲームなのだ。

戦闘はシナリオの中に組み込まれており戦闘に勝利しないとシナリオが進行出来ない。

リリース直後のシステムではキャラクター(社員)のLvUpも手間ひまがかかり

なかなかシナリオが進行できず、私は心折れてプレイを放棄してしまったよ。

しかし、1年くらい経ってログインしてみたら

社員育成システムが抜本的に改善されていて手軽にLvUp出来るようになっていたんだ。

おかげでシナリオがサクサク進み、どっぷりとこのミステリオ世界へのめり込んでいったのだよ。


私がこのゲームが好きな理由として

メインシナリオが非常によくできている事が挙げられる。

社長と社員の働きがミステリオ世界に影響を与え、

そこからまた物語が紡がれていく。

現在、第三部・9章まで続いており232シナリオと言うボリュームだ。

メインシナリオの追加は1年に2・3章と遅いのだが

シリーズ小説の新刊を待つような感じで、これもまた良いものだ。


そして、このシナリオを支えるのが魅力に溢れた社員たちである。


社員を採用するためには、いわゆる「ガチャ」を引くのだが

このゲームでは会社に送られてきた「履歴書」から選ぶと言う形だ。

通常は4枚の中から1つ選んで「採用」する。

この時、氏名・職業クラス・レアリティが確認できるので

その時々で必要とするキャラクターを採用出来る。

ただし、送られてくる履歴書はランダムなので、その時欲しいクラスの社員を

確実に採用できる訳ではない所が悩ましい。


1日につき1回(1人)は無料で採用できるのでプレイを続けるうちに

自然と社員は増えていくという、あまり課金したくないプレイヤーにも

優しいシステムだ。

レアリティは☆の数で表され基本的には☆2~☆5である。

当然、☆が多い社員の方がステータスが高い。

しかし、☆2の社員でもLvUpしていけばクラスアップして☆5まで成長させることができる。


さらに武器・防具・アクセサリーを装備してステータス強化すれば

進行したシナリオの強敵にも充分対抗できる有能な社員に成長できる。

つまり、メインシナリオで登場してくる「メインキャラクター」だけでなく

端役の社員も活躍できる。

いわゆる「ハズレキャラ」が居ないゲームと言えるだろう。


そして、ほとんどの社員に個別の「キャラクター・ストーリー」が

用意されている事も特筆すべきだ。


このキャラクター・ストーリーをクリアする事で専用の武器・防具を獲得できる。

さらには装備レシピを獲得することもでき、それを使用してより強力な専用装備を

作る事もできる。

このゲームでは武器の性能が社員のステータスの決め手となるため

より高性能の武器を作って装備させてやるのがストレスなく

ゲームを進行させるカギとなるのだ。


装備は無印から+3まであり、特に武器の+3を装備させた社員は

強力な専用スキルで戦闘を行う。

またグラフィックも専用の物となりバトルシーンも

エフェクト盛りだくさんの華麗なものとなる。

+3武器を装備させた、お気に入り社員がモンスターどもを薙ぎ払う光景は

実に爽快で観ていて楽しいものだ。


しかし、キャラクター・ストーリーの醍醐味は各社員の設定が

しっかりしている所にある。


どの社員にもちゃんとしたキャラ設定がされていて、

それぞれに生い立ちや性格・人間関係などが絡み合い、

きちんとした「個人」としてキャラクター・ストーリーが展開される。

私たちが生活している世界と同様に彼らも悩み、葛藤し、喜び、学んで成長していく。

その姿はメインシナリオとは違い、彼らそれぞれの物語として綴られている。

それは彼らをより深く知り、愛着…いや、愛しさを増してくれる物語だ。


現在、このゲームに実装されている社員は400以上。

そのほとんどにキャラクター・ストーリーが設定されている。

6年と言う時間の積み重ねの結果とは言え

これほどの社員(キャラクター)のストーリーを描き出したゲームは

他にないだろう。


端役の社員であってもその世界に存在している以上、「生きている」のだ。

つまり、その社員にとって「主人公」は社員自身である。

私たちの人生と同じように。


そんな世界の物語が かんぱに☆ガールズ と言うゲームなのだ。


他にもバトルにおける戦略性とか、季節ごとに開催されるイベントとか

このゲームの魅力は数多くある。


けれど、私がこのゲームを愛する最大の理由は

「素敵なファンタジー小説を読むような感動を与えてくれる」

と言う事に尽きるのだ。


この駄文を読んで興味を持ったならぜひ、プレイして欲しい。

リリースから6年経っているけど追いつくのは難しくないから。

そして、素敵なミステリオ世界を楽しんで欲しいと思うのである。



今回はここまで。
















 

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