第7話 次のステップ
7. 次のステップ
初めて外でみんなで夕飯を食べてから1週間が経った。
あれからずっと夕飯は外で食べてる。俺は授乳だけど。
今日も起きたら父親と兄達はいなくて母親はまだ寝ていたので魔法の練習をする。
今までは身体から魔力を伸ばして石を突つくイメージで動かしていたが、今日は魔法の使い方でどれくらい魔力の効率が変わるか試してみたいと思う。
寝付けない時に「g○dle」で調べて思いついた。
試してみるのは石にかかる力の向きを変えて動かす事は出来るのか。
この世界にも重力はある。
なので石にかかる重力の向きを変えて動かす事は出来るか試してみたい。
目を閉じて石にかかっている重力を矢印の形でイメージしてみる。
因みに重力は物体の上からかかるのではなく物体の中心から引っ張られる感じだ。
次に真下に向かっているその矢印の向きを横にしてみる。
そしたら石が少しずつ矢印の向きへ動き始めた。
俺は物が重力に引かれて上から下へ落ちるように、
矢印の向きへ向かって落ちていくと思っていたがそうはならなかった。
一応矢印の向きへ動いているのだが、なぜかズリズリと地面の上を移動している。
地面当たったら反動で少し浮きあがるが、また地面に接してしまう。
「go○le」で調べてみたが重力と引力に関しては素粒子ニュートリノやこの星の遠心力の話が出てきてさっぱり理解できない。
何か重力のイメージが足りなかったかもしれないが元の世界でも完全に解明されていない重力について俺が分かるわけがない。
重力を矢印でイメージしてその向きを変えるだけだと、いつもやっている魔力を伸ばして石をつついて動かす方法より使用魔力は少ないようだ。
向きを変えるというイメージだけで考え方は簡単になっているのでそのせいだろうか。
次は重力の矢印を横向きから上向きにしてみる。
今度は横向きにした時より早く動いて矢印の向きである真上へ上昇し、屋根の草に当たった。
横向きの時との動きのスピード差が気になる。
草に石が当たった音で母親の目が覚めたみたいで起きてきたので今日の魔法訓練は終わる。
魔法はイメージを簡単する事で魔力消費が減ると仮定しておこう。
さて、母親が起きたので授乳をしてもらい毎日の日課である村の中心部へ向かう。
そこでは毎日女衆が集まり草を編んだり、ご飯の準備をしたりする。俺は毎回あの女の子と一緒に遊んでいる。
俺が教えた発生練習が気に入ったのか、あの女の子といる時はずっと発生練習になるのでキツイ。
あの女の子の家族には魔法の使える男性がいて、その男性からいつか魔法について教えて貰いたいので女の子とは仲良くしておきたい。
かと言ってずっと同じ事をし続けるのは精神的に辛い。
そこで俺は次のステップへ進むために家にいる間に努力してきた。
今日はその努力の成果を発揮するぞ!
今日もいつものように母親に連れられて村の中心部へ。
早速女衆が集まり、俺と女の子は遊んでおけというかのように2人セットで作業している場所から少し離れたところに置かれる。
「アッアア〜、アー、イ〜イ〜イーイー、ウ〜〜ウ、ウ、エ〝ェ〜?エ〝!オ〜〜〜、オ?オ」
女の子が早速俺に向かっていつもの発生練習をしてくる。
この1週間でかなり上達したと思う。まだぎこちない感じはするし「え」だけあのアニメのキャラを彷彿とさせるが全然許容範囲だ。
これなら次へ進んでもいいだろう。
そう次のステップは「か行」だ!
「か〜かっかっか!キキキ、くっくっくっく、けけけけけ〜!ココココ」
どうだ!俺が読んだことのある漫画で出てきた「か行」の笑い声一覧だ!
悪役っぽかったり、大将軍のような感じがして興味をそそるだろう?と思っていたら女の子も気に入ってくれたようで発声練習を「か行」に切り替えてくれた。
「か〜かっかっか!キキキ、くっくっくっく、けけけけけ〜!ココココ」
「キャ〜キャッキャッキャ、キキキ、クックックック、けグェグェグェグェグェ〜!ココココ」
少し難易度が上がったからか少し難しそうにしている。
俺の快適な生活のために頑張って覚えてくれ。
次は「さ行」だが俺もまだ上手く呂律が回らないから「あ行」よりかはゆっくり覚えて欲しい。
身体の使い方は覚えているからこの身体に慣れたら直ぐに言えるようになるはずだ。
こうしてこの日は魔法について仮説を立て、日本語を広げるための訓練を1つ進める事ができた。
後はいつものように眠くなって来たので授乳して貰った後に眠ったら次に起きた時には家に戻っていた。
夜のようで家族はみんな家で寝ているため何もする事が出来ない。
仕方ないので「go○le」を使ってSNSなんかを見てみたが 以前と同じ日付のままだ。
新しい情報が更新されないのはちょっと困るかも、なんて思いながらネットサーフィンをして過ごした。
起きて飯食って遊んで寝る、将来についても狩猟採取生活なので就職について考えなくてもいいし、資格とか無理して取る必要もないし、一応インターネットも使える。
考え方によっては前世の大学生時代よりストレスが無くて楽だな、と最近は思うようになった。
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