7話 試練と合流
(ダズ視点です。)
俺、ダリドベ、タロストはベルとファニルに追いついた。
カインはベルとファニルの攻撃を大盾で捌き続けた。
カインは再び注視を使う。
強力だ。
俺達全員の意識がカインに集中する。
同時にベルも注視を使う。
効果が無いかもしれないが。
シェルミは掌を前にかざし、レーザーを撃って来た。
狙いは俺だ。
俺は結界を展開。
武器を盾に変化させ、攻撃を防ぐ。
レーザーは結界を粉砕し、盾を焼いた。
さっきよりレーザーの規模が小さいが、溜めが少ない。
連続で受け続けたら、盾が持たない。
カインがバックステップ。
ベルとファニルから距離を取った。
カインは分身を出した。
黒い影で出来た騎士。
手に槍を構えている。
三体出した。
背中には羽が生えており、空中を滑るように飛んでくる。
どうやら分身には注視が効いている。
分身三体はベルを狙う。
ベルは武器を盾に変化させ、分身三体の攻撃を捌く。
分身の突きを上に、右から左への払いを下へ、左から右への払いを上へ。
ベルは捌き続ける。
ファニルは結界を蹴って突進。
カインに槍を突き出す。
カインは盾で捌く。
ファニルの突きを真正面から盾で受け止めた。
ファニルは渾身の突きを防がれ、一旦バックステップした。
俺、ダリドベ、タロストも攻撃に加わる。
俺は剣でカインを攻撃。
カインは盾で受けて、剣で攻撃を返してきた。
盾で完璧に防御された。
そして動きが速い。
俺はカインが返してきた攻撃を防げなかった。
俺はカインの攻撃を受けた。
上から下への振り下ろし。
切られた。
普通なら致命傷だ。
俺の影にいたリアンナが即時回復してくれる。
カインの動きが変化した。
急に動きが速くなった。
攻撃を受けて後ろに後退した俺を、シェルミが追撃して来る。
俺は武器を盾に変化させ防御する。
結界を出す暇がない。
盾で防ぐ事が出来たが、盾は煙をあげている。
盾はカーで出来ている。
持ってあと三発程か?
カー、すまん、耐えてくれ。
ダリドベが剣でカインを攻撃。
右から左への払い。
カインはダリドベの攻撃を上に弾いて、タロストを攻撃。
上から下への振り下ろし。
タロストは余りの速さに反応出来ない。
俺はタロストへの攻撃に割って入り、盾で防いだ。
全員千五百パーセント出している。
それでも追いつかない。
更に力を引き出さないとダメだ。
そして、長期戦になると負ける。
仕方ない。
ダズ:「ベル!」
ダズ:「片付けろ!」
ベル:「了解!」
ベルは盾を槍に変化させる。
ベルは分身一体が槍で突いてきたのと同時に攻撃を仕掛けた。
分身の突きを躱しつつ、槍を突き入れる。
分身一体は突きを受けて消滅。
そのままもう一体に払いを浴びせる。
分身が槍の払いを柄で受けた。
ベルの払いは柄を切断して、分身に命中する。
もう一体の分身も致命傷を受けて消滅。
カインは分身を更に二体出した。
分身三体が一斉に攻撃する。
三体同時の突き。
ベルは攻撃を躱し、順番に突きを入れる。
三体に致命傷を与える。
一瞬だ。
ベルは全力だ。
五千パーセント出した。
ベルは、ハァハァと息を切らせている。
それでいい。
ダズ:「良くやった」
ベル:「う、今、ちょっと話せません」
ダズ:「カー、武器化を解け」
カーは武器化を解いた。
カイン:「何のつもりだ!?」
ダズ:「終わらせる」
ダズ:「タロスト、ダリドベ、ファニル、攻撃は中止だ」
ダズ:「カインは俺がやる」
ダリドベ:「承知しました」
ファニル:「了解」
タロスト:「思い切りぶん殴れ」
ダズ:「ああ、そうだな」
カイン:「…………」
シェルミ:「…………」
ダズ:「行くぞ」
俺は結界を蹴って、カインに向かって跳躍。
カインは盾で防御。
シェルミは掌を前にかざし、レーザーを撃って来た。
俺に直撃した。
リアンナが回復する。
レーザーは無視する。
下から上に突き上げる様に殴った。
カインの大盾が上に跳ね上がる。
そのまま、もう一度下から上に突き上げた。
カインの鳩尾にボディーブロー。
更にもう一撃、鳩尾へ。
カインは盾を手放した。
くの字に折れ曲がったカインの顎に膝蹴りを入れる。
カインは上に跳ね上がった。
跳ね上がったカインにハイキックを叩きこむ。
右から左へ。
カインは横に吹き飛んだ。
シェルミはレーザーを中止し瞬間移動。
カインを受けとめる。
ハァ、ハァ。
俺も五千パーセント出した。
意識が飛びそうだ。
シェルミ:「兄さま!」
カイン:「くっそ」
カイン:「首が痛てえ」
カインは笑っていた。
シェルミも笑っている。
カイン:「手加減したな」
シェルミ:「そうね」
ダズ:「武器を使っていたなら、お前は死んでいた」
カイン:「かもな」
シェルミ:「ふふ、試練突破ね?」
カイン:「そうだな」
カイン:「殺さなかった」
カイン:「こんな事は初めてだ」
ダズ:「ちょっと待て、試練とは?」
カイン:「いずれ解る」
カイン:「城に戻る」
シェルミ:「承知」
二人は霧に成って消えた。
ダズ:「全員、レイセ達に合流するぞ!」
(レイセ視点です。)
城の大扉の前まで来た。
扉はバカでかい。
頑丈そうだ。
アレをぶっ壊して中に入る。
そろそろ我慢の限界だ。
暴れたい。
レイセ:「もういいだろ?」
ルプリレ:「まだダメ」
ルプリレ:「聖国クリア、メロイリス、『トウェルブ』、『トパーズ』、『光の旋律』、連合国クロトがまだ戻って来ていないです」
ルプリレ:「戻るまで待って」
アルコル:「俺も我慢の限界だ」
シロ:「ダメだ、我慢しろ」
アルコル:「チッ」
俺達は方向転換し、扉を守るように陣取った。
そのまま、合流を待った。
なかなか戻って来ない。
遅い。
扉の前でもう三日くらい待っている。
遅い。
さっさとしてくれ。
魔物共の間から、光が立ち昇る。
光はこっちに向かって倒れて来る。
危ない。
こっちに当たるだろ。
よく知った光だ。
青い光。
光の通り道から、見知った顔が見える。
『光の旋律』と連合国クロトだ。
走って来る。
コナル:「悪い」
コナル:「遅れた」
レイセ:「ホントだぞ」
レイセ:「もう俺達だけで行くところだった」
フレド:「マジでか?」
フレド:「俺達が最後か?」
ルプリレ:「聖国クリアとメロイリス、『トウェルブ』と『トパーズ』がまだです」
レイ:「遅れていないのでは?」
アルコル:「扉の前で三日だぞ」
レイセ:「ギルバド達を倒したらしいな」
フレド:「最後はコナルが何とかした」
コナル:「まあな」
ぺセシュ:「コナルは重症だ」
コナル:「大丈夫だって」
ぺセシュ:「ダメだ」
ぺセシュ:「視力が落ちている」
ぺセシュ:「ほとんど見えていない」
ぺセシュ:「無理し過ぎだ」
コナル:「見えなくても戦える」
コナル:「俺は中に入るぞ」
ぺセシュ:「バカが!」
レイセ:「コナル」
コナル:「なんだよ」
レイセ:「頼りにしている」
コナル:「ああ」
話していると、魔物の一部が吹き飛んだ。
大きな空間が出来る。
『トウェルブ』と『トパーズ』だ。
アスマ:「悪い、遅れた」
ルプリレ:「ええ、お疲れさま」
レイセ:「処刑人はどうなった?」
アスマ:「殺した」
ローク:「違うぞ」
アスマ:「何言ってる?」
アスマ:「殺しただろ」
ローク:「あいつは俺と同一存在だった」
ローク:「最後に握手した時に融合した」
アスマ:「そんな話、聞いて無いぞ」
アスマ:「大丈夫なのか?」
ローク:「問題ない」
レイセ:「お前はそう言うだろうな」
ローク:「問題ない」
レイセ:「そういう事にしといてやる」
ボーデン:「ダズ達が来ましたよ」
魔物の上を、結界を使ってこっちに向かう人影が見える。
ダズ:「俺達が最後か」
レイセ:「カインとシェルミは?」
ベル:「城に戻りました」
ルプリレ:「反応は?」
ダズ:「試練突破らしい」
ファガス:「どういう意味だ?」
ダズ:「不明だ」
アルコル:「全員揃ったな」
アルコル:「さっさと中に入るぞ!」
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