57話 頑張った



 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

     カーミュ・セーグルと融合した。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

      ビレンティと融合した。

 ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。

      ロミールの双子の妹。

      戦闘の指揮を行う。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 アリシア:『悠久の旅人』のエース。

      クリアの孫。

 リアンナ:リアンナ・ドバスカリ

      海洋国家ドバスカリ女王。

      黒沢香織。

      ファガスと結婚している。

      万能サポート。

 シロ:黒戸壱白の分裂した姿。

    ビレンティと融合した。

    『能力』未来予知が使える。

 レイ:レイ・サファー。

    『光の旋律』のリーダー。

    引き取っていた子供は成人し独り立ちしている。

    長命種。

    長髪。

    中肉中背。

    金髪。

    男性。

 リンド:『光の旋律』のサブリーダー。

     弓の名手。

     長髪、高身長。

     水色の髪。

     女性。

 グリスタ:『光の旋律』のメンバー。

      武器タイプ。

      長めの髪。

      中肉中背。

      男性。

 イレア:『光の旋律』のメンバー。

     魔法タイプ。

     長髪。

     青い髪。

     グラマラス。

     中背。

     女性。

 ラメル:『光の旋律』のメンバー。

     武器タイプ。

     長髪。

     痩身。

     高身長。

     猫背。

     銀髪。

     男性。

 ミル:『光の旋律』のメンバー。

    武器タイプ。

    短髪。

    低身長。

    茶髪。

    女性。

 シド:『光の旋律』のメンバー。

    武器タイプ。

    短髪。

    黒髪。

    がっしりした体格。

    隻眼。

    男性。

 アスト:『光の旋律』のメンバー。

     武器タイプ。

     短髪。

     緑の髪。

     がっしりした体格。

 フレド:フレドリック・ユルロア。

     連合国クロトの代表代理。

     紫幻忠時と融合した。

     『能力』リフレクトを使える。

     ピナンナと結婚している。

     男性。

 コナル:青井友介。

     連合国クロトの戦闘顧問。

     武器タイプ。

     男性。

     ニーナとは上手く行っている。

     近衛兵四人とは相変わらず仲が良い。

 ボーデン:ボーデン・バレット。

      連合国クロトではフレドの補佐。

      黒戸和馬から力の一部を譲渡されている。

      黒戸和馬とは同一存在。

      魔法タイプ。

      男性。

 セシル:セシル・マイカ。

     連合国クロトの近衛兵。

     お嬢様風。

     武器タイプ。

     女性。

 シャレット:シャレット・キニクル。

       連合国クロトの近衛兵。

       お転婆風。

       武器タイプ。

       女性。

 ゼレア:ゼレア・ロットル。

     連合国クロトの近衛兵。

     姉御風。

     武器タイプ。

     女性。

 シルドレ:シルドレ・ナバリ。

      連合国クロトの近衛兵。

      不思議さん風。

      魔法タイプ。

      女性。

 ラトス:ラトス・ミュラ。

     連合国クロトの守護者長。

     武器タイプ。

     男性。

 ピナンナ:ピナンナ・ラクトリ。

      連合国クロトの守護者長。

      武器タイプ。

      フレドと結婚している。

      女性。

 リドット:リドット・シルベスト。

      連合国クロトの守護者長。

      武器タイプ。

      男性。

 ワイツル:ワイツル・アフガーニ。

      連合国クロトの守護者長。

      武器タイプ。

      中性。


(レイセ視点です。)


 四百八十階層でラーメンを食べた後、俺達は先に進んだ。


 四百八十階層で何度も鍛えた俺達に、その後の階層の意味は無かった。


 楽勝で五百階層に到達した。


 万象のクリムゲル。


 絶空のエルハンドラ。


 天城のサルバトス。


 そして、緑静のスフィニス。


 四人が殺気を放って待っていた。


 何故か緑静もいる。


 ヤル気か?


 レイの武器はリンド。


 リンドは弓なった。


 グリスタの武器はイレア。


 イレアは斧になった。


 ラメルの武器はミル。


 ミルは槍になった。


 アストの武器はシド。


 シドは大盾になった。


 フレドの武器はピナンナ。


 ピナンナは剣になった。


 コナルの武器はセシル。


 セシルは剣になった。


 ボーデンは武器がいらない。


 魔銃を使う。


 シャレットの武器はゼレア。


 ゼレアはハンマーになった。


 シルドレも武器を使わない。


 魔法と魔銃で補佐する。


 ラトスの武器はリドット。


 リドットは薙刀になった。


 ジャドの武器はワイツル。


 ワイツルはガントレットになった。


 ぺセシュは武器を使わない。


 回復に徹する。


 ぺセシュをジークとフレドとアストで守り、シルドレとボーデンが補佐する。


 俺の武器はルプリレとシロさん。


 ルプリレは剣になり、シロさんは盾になる。


 ジークの武器はアリシア。


 アリシアは大盾になる。


 アルコルはキシで出来たカタナ。


 リアンナはアルコルの影にいる。


 四百八十階層での模擬戦と似た編成だ。


 違うのは、ワイツルとジャドで役割が入れ替わった所。


 俺の武器役がルプリレとシロさんになった所。


 リアンナがアルコルの影にいる所。


 ぺセシュの守りにジークが入った所。


 そんな所かな。


 緑静が戦闘に加わるかで、誰が誰に向かうかが違ってくる。


 どうするつもりだ?


 レイセ:「緑静のスフィニス、あんたも戦闘に加わるのか?」


 緑静:「いや、今回は見ているだけだ」

 緑静:「だが、気に入らなきゃお前らを殺す」


 レイセ:「またそれか」

 レイセ:「脅されなくても全力を出すさ」


 緑静は万象を見た。


 万象は頷いている。


 何の確認なんだか。


 緑静:「脅す対象を変える」

 緑静:「お前らが負けたら、ルプリレを殺す」


 レイセ:「そうかよ」


 緑静:「ヤル気が出たか?」


 レイセ:「その脅しはお前が考えたのか?」


 万象:「違う、上からの指示だ」


 レイセ:「そりゃ良かった」

 レイセ:「お前らの意思なら、お前らを殺す所だった」


 万象:「威勢がいいな」


 俺は殺気を全開にした。


 久しぶりに頭にきた。


 全員生かして返さない。


 レイセ:「緑静、加勢の必要は無いのか?」


 緑静は汗を流している。


 冷汗だろう。


 アルコル:「はは、面白くなってきた」


 緑静:「俺は今回動けない」

 緑静:「三人とも、負けるなよ?」


 絶空:「今の挑発は失敗では?」


 天城:「殺気でわかるぞ」

 天城:「ヤバくないか?」


 万象:「天城、気合入れろよー」

 万象:「抜かれたら、俺が殺す」


 天城:「はー、嫌な役回りだなー」


 絶空:「来たがったのは貴方でしょう?」


 レイセ:「もういい、行くぞ!」




 天城が注視を使った。


 ジークも念のため注視を使う。


 俺、グリスタ、ラメル、コナル、シャレット、ラトス、ジャド、アルコルは天城に向かう。


 絶空は投げる体勢に入った。


 万象が右に剣を構えた。


 アルコルは天城と万象に向かって斬撃を放つ。


 万象は二十メートルの払いをキャンセルし、斬撃を撃ち落とす。


 その間に俺達は天城の間合いに入る。


 絶空は槍を投げた。


 連続の投擲。


 絶空が投げた瞬間、ボーデンとシャレットが狙撃する。


 絶空は右で槍を投げつつ、左の槍で銃撃を弾く。


 絶空が投げた槍は、ジークが盾で弾いている。


 フレドとアストには余裕が有る。


 天城はアルコルのカタナを大盾で上に逸らし、コナルの剣を横に逸らし、ラメルの槍を小型の盾で防ぎ、ラトスの薙刀を大盾で左に逸らした。


 流れるように動き、焦らずしっかりと攻撃を防ぐ。


 しかし、反撃は出来ていない。


 シャレットのハンマーを小型の盾で防いだ瞬間、ジャドが右拳を天城に命中させた。


 天城は平気そうにしているが、効いた筈だ。


 万象は天城のヘルプに入りたいが、俺が盾で邪魔をして介入を防いでいる。


 俺の視線は天城に向いているが、シロさんの盾を使って未来予知で邪魔をしている。


 この戦い、俺と万象の動きが戦局を左右する。


 このまま俺が万象を邪魔し続ければ、いずれ天城は崩れる。


 万象はアルコルに狙いを定めた。


 万象はアルコルが天城にカタナを振り下ろした瞬間を狙って、剣で攻撃した。


 俺はそれを盾で防ぐ。


 同時に右の剣で万象を攻撃。


 万象は剣を戻して俺を攻撃。


 俺は盾で剣を防ぐ。


 俺は万象の仲間への攻撃を全て防ぐ。


 万象にも解ったらしい。


 俺を抜かなきゃ無理だと。


 万象の攻撃対象は俺に変更になった。


 アルコルは天城に攻撃。


 天城の盾に傷が増えていく。


 絶空がこっちに移動して来る。


 狙いは、俺だろうな。


 俺は万象の攻撃を盾で上に逸らし、右の剣で払い。


 万象は剣で俺の攻撃を弾く。


 絶空が槍を投げた。


 投げた槍は俺に向かって飛んでくる。


 俺は左の盾で槍を弾き、右の剣で万象の攻撃を防ぐ。


 絶空が自分の間合いまで俺に近づいた。


 絶空はジークに槍を投げつつ、俺へもう一本の手で突いて来る。


 短槍での連続の突き。


 俺は盾で全てを防ぐ。


 右の剣で万象の攻撃を弾く。


 俺の動きは更に加速する。


 根源の核に触れて気付いた事がある。


 力の引き出し方だ。


 俺達は精神で出来た存在だ。


 肉体の限界以上の動きも出来る。


 想像力が全てを凌駕する。


 俺は絶空の槍を盾で上に逸らして隙を作り、右の剣で絶空に払いを浴びせる。


 絶空の動きは付いて来られず、払いを諸に喰らいその場で蹲る。


 そのまま俺は万象の剣を盾で受け止め、右の剣で万象の胸を突いた。


 万象が剣を戻す前に突きを入れ、そのまま剣を差し込んだ。


 剣は深く刺さる。


 もう動けないだろう。


 俺は新たな力の境地に達した。


 オーバーライド・インフィニティー。


 俺は自分の動きを、自分の想像限界点まで引き上げ反映させることが出来る。


 力は根源から引き出し放題だ。


 なら、出力する俺が耐えられればいい話。


 俺は耐えられる。


 想像力に限界は無い。


 俺の集中力が続く限り、限界は来ない。


 集中力が鍵だ。




 勝負は決着した。


 天城はゼエゼエと呼吸を荒くしている。


 絶空と万象は回復したみたいだ。


 万象:「やられた」


 レイセ:「ああ、わかったか?」


 万象:「なにがだ?」


 レイセ:「脅し方を間違えたな?」


 万象:「上からの指示だって言っただろ、怒るな」

 万象:「五百階層はこれで終わりだ」


 レイセ:「他のみんながここを攻略出来る様に成るまで付き合って貰う」


 万象:「引き受けた」


 緑静:「暇つぶしに俺と勝負しないか?」


 レイセ:「いいけど、あんたの相手はアルコルが先だぞ」


 アルコル:「レイセの動きでわかった事がある」

 アルコル:「今試してもいいぞ」





 俺達はそれから更に三年、五百階層に入り浸って過ごした。


 長かった訓練はついに終わった。


 魔物の王の城に攻め込む。


 訓練が終了した時のみなの喜びようは半端無かった。


 俺は喜ばなかった。


 ここからは死闘だ。


 どうなるかわからない。


 嫌な予感がしていた。


 まただ。


 俺は禁じ手を使う気がしてならない。


 そうならないように努力してきたが。


 みなが宴で盛り上がっている中、俺は一人、陰気な表情で酒を飲む。


 隣でルプリレが心配そうに俺を見ている。


 解っているが心配はどうしようもない。


 ルプリレ:「心配?」


 レイセ:「ああ」


 ルプリレ:「貴方は頑張ったわ」


 レイセ:「そうか?」


 ルプリレ:「貴方が言われたそうな言葉を掛けたのに、不満ですか?」


 レイセ:「言われたそうな言葉、か」


 ルプリレ:「そうですけど?」


 俺は笑ってごまかした。


 頑張った。


 頑張ったと思いたい。


 思われたい。


 見透かされているな。


 全ては結果が証明する。


 やれることをやるだけだ。



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