49話 理解2
レイセ:黒戸零維世。
レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。
連合国クロトと聖国クリアの王。
カーミュ・セーグルと融合した。
ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。
リビア:リビア・クロト。
聖国クリアの元代表。
レイセと結婚している。
プロミ:プロミネンス。
ルビー・アグノス。
黒崎鏡華。
月と太陽の国アウグストラの女王。
現人神。
レイセと結婚している。
ジャド:『マギ』のエース。
キシに次期纏め役に推されている。
三番目の真理への到達者。
アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。
『能力』が使える。
『リーベラティーオー』のリーダー。
ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。
ロミールの双子の妹。
戦闘の指揮を行う。
ジーク:聖国クリアの守護者。
クレラメイと融合。
真理への到達者。
アリシア:『悠久の旅人』のエース。
クリアの孫。
リアンナ:リアンナ・ドバスカリ
海洋国家ドバスカリ女王。
黒沢香織。
ファガスと結婚している。
万能サポート。
フィビニ:フィビニ・ドリー
月と太陽の国出身。
現在は、聖国クリアと連合国クロトの司法担当。
開発チーム。
ツァーリク:ツァーリク・エリン
月と太陽の国出身。
ルプリレに気がある。
能力は高い。
ノイトル:ノイトルロベスト
月と太陽の国出身。
従者長。
一見クールだが激情家。
プロミの狂信者。
他人を見下している。
ヒルデ:ヒルデ・ガント
月と太陽の国出身。
神官長。
プロミの一挙手一投足全てに感動を覚える。
感情の制御が苦手。
実力は高い。
ロウル:ロウル・ヒスリー
月と太陽の国出身。
従者兼料理人、実はプロの暗殺者
クアクル:クアクル・ロウナー
月と太陽の国出身。
従者兼料理人、実はプロの暗殺者
カシアル:カシアル・シュース
月と太陽の国出身。
従者兼裁縫士、実はプロの暗殺者
スレガリン:スレガリン・ラウナル
月と太陽の国出身。
従者兼裁縫士、実はプロの暗殺者。
カシアルの弟子。
リトアニ:魔道国家ネストロス宰相
高い実力を持つ魔法使い。
サッサラと婚約した。
サッサラ:魔道国家ネストロスの魔道技師
ラナイア、へサルの上官
リトアニと婚約した
『フィナリスラーウム』開発チーム
ラナイア:魔道国家ネストロスの宮廷魔導士
攻撃魔法担当。
へサル:魔道国家ネストロスの宮廷魔導士
防御魔法担当。
シア:魔道国家ネストロスの戦士長
国で突出した実力があったが弟子に恵まれず孤立。
カーと親しくしている。
シロ:黒戸壱白の分裂した姿。
ビレンティと融合した。
『能力』未来予知が使える。
紫幻唯康:青子にジャックされ寿命が伸びた。
『能力』カットが使えた。
ダズと同一の存在。
紫幻忠時:青子にジャックされ寿命が伸びた。
『能力』リフレクトが使えた。
フレドと同一の存在。
唯康とは兄弟。
黒戸和馬:シングライト・クルフェミュア。
管理者のバランサー。
なんらかの『能力』を持っている。
ボーデンと同一の存在。
ダズ:聖国クリアの代表代理だった。
アリアにプロポーズしたが、答えをはぐらかされている。
聖国クリアの守護者の顧問。
神獣は雷獣だったが、他にも契約している。
フレド:フレドリック・ユルロア。
連合国クロトの代表代理。
ピナンナと結婚している。
神獣はサトリだったが、他にも契約している。
ボーデン:ボーデン・バレット。
連合国クロトの代表代理の補佐。
結婚している。
神獣は小さな本を持ったリスのような動物。
魔銃開発者の一人。
(ダズ視点です。)
バランサーの人差し指が俺の額に触れた。
意識が引き伸ばされるのを感じる。
恐らく、これから見る記憶は一瞬で体感する。
予感がする。
強烈な記憶の前触れ。
しかし、感覚的には永遠に感じる。
額に触れる指の感覚が無くならない。
俺に焦りは無い。
落ち着いている。
感覚が鋭敏になり、意識が加速するのを感じる。
俺の視界には大きな建物が見える。
現世のマンションだ。
俺は今、公園にいる。
マンションのそばの公園。
周りには、シーソーだの、ブランコだのの遊具が見える。
俺は車に似た乗り物に乗って、それを母親に押されていた。
ガラガラと、乗り物が動く音がする。
母親が俺に何かを囁いている。
俺は二歳頃。
まだ言葉の聞き取りが不十分だ。
母親が何を言っているのか完全には理解できない。
子どもの俺は雰囲気で状況を把握していた。
俺の自意識は公園から始まった。
メガネをかけた女性が俺の母親だ。
穏やかな表情。
アリアもメガネをかけていた。
アリアを思い出した。
俺はマザコンだったのか?
いや、俺の母親は運動が苦手だった。
俺の乗り物を押す女性は大人しい感じじゃない。
活発そうな女性。
彼女が優しそうな笑みを浮かべる。
俺は幸せだったんだろう。
だから、ここから記憶が始まった。
母親はお腹に子供を抱いていた。
トキだろう。
恐らく、父親は仕事に出かけている。
弟が出来てから、久しぶりの外出。
俺は嬉しかった。
少しずつ大きくなる弟を観察する俺。
俺は弟の世話をして両親に褒められようと必死だった。
俺が四歳になる頃、マンションから一軒家に引っ越した。
祖父の住む家に。
家族が一気に増えた。
祖父、祖母。
叔父、叔母。
広い家だった。
俺達四人が移り住んでも問題の無い部屋の数。
住み込みで働いている修行者もいた。
屋敷には食堂があった。
父親は剣術を嗜まない。
剣術は母親が教えてくれた。
俺は四歳から木刀を振り出した。
子ども用に作られた小さな短い木刀。
それでも振るのに苦労した。
母親は優しく教えてくれたが、祖父は厳しかった。
俺の家は特殊だと、その頃には解っていた。
弟は剣に関心が無かった。
弟はいつも父親と過ごしていた。
父親は剣術の心得が無かったが、武道に通じているらしかった。
弟は俺とは別の訓練を父親から受けていた。
小学校に上がる前の話しだ。
俺達は才能があるらしかった。
周りの反応で解る。
サラブレッドだ。
どう考えても。
両親は武道を通じて知り合ったらしい。
武道中心の生活。
こんな環境で育ったんだ、情報操作がされてそうだろ?
でも違った。
普通の子どもが触れる娯楽に、普通の子どもが触れる様に触れた。
警察や、自衛隊は、守るべき人間の感覚を共有できなくてはいけない。
守るために鍛える。
守る対象と共感できるように、大切に思える様に。
祖父の教えだ。
何のために鍛えるのか、その事は重要らしい。
今の俺には笑えてしまう。
俺は汚い事も許容して来た。
理解は出来るが、度が過ぎると感じる部分があった。
生きるために生きる生活をしないとこういう状況もあり得るのだと知った。
小学生になった頃には、テレビのヒーローモノに憧れた。
勧善懲悪。
わかり易いのが好みだった。
悪は必ず滅びる。
自分は善。
敵が悪。
俺は小学校で運動能力も、学習能力も高かった。
完全に上から目線の、自分勝手な妄想に酔っていた。
迷いが無かった。
武道という競争の世界にいながら、脅威となる上の存在を自覚していなかった。
努力をすれば、その分がそのまま反映された。
不満の無い生活。
弟も一緒だ。
その状況は、俺が小学四年、弟が小学三年まで続いた。
俺達兄弟は、水泳を習っていた。
他にも習い事をしていたが、この日は水泳だった。
二駅離れたスイミングスクールに、泳ぎを習いに、週一回通っていた。
いつも通る、安全な道だと思い込んでいた。
工事現場の隣を通っている自覚は無かった。
突然状況は起こった。
わー、と騒ぐ声。
上を見上げると、クレーンが釣りあげた鉄骨がこっちに向かって滑り落ちて来る。
俺達二人は死の予感という感覚を初めて知った。
滑り落ちて来る鉄骨が、ゆっくりとこっちに向かってくる。
動きがゆっくりに見えた。
躱そうとするが、自分の動きもゆっくりだ。
その場から離れられない。
逃げられない。
弟は唖然としている。
俺は鉄骨を睨みつけた。
頭の中に声が聞こえる。
必死だったので、何と言ったか聞き取れなかった。
弟を守る事を考えていた。
その為なら、何を犠牲にしようと関係ない。
心の中でそう思った。
俺は護身用に持たされていた小型のナイフを振り上げた。
右手で下から上へ。
気が付いたら体が自然とそう動いていた。
鉄骨を切断した。
鉄骨が分断され俺達を避けた。
弟がその鉄骨を弾き返した。
鉄骨は十数メートル遠くに弾け飛んだ。
怪我人はいない。
『能力』の発現だった。
自分の『能力』の性能を試したわけじゃ無い。
どうやら『能力』は発現した瞬間から、どう使うか感覚的に解るようだ。
俺の左腕に感覚が無くなった。
弟の左足も同様に動かせなくなっていた。
『能力』の代償だと理解していた。
同時に、俺は弟がした事を理解していた。
弟は俺と同じ考えに行きつき、俺よりも守る意思が強かった。
頼りになる。
そう思った。
この事により、状況は一変する。
それまで出来ていた普通の生活が出来なくなった。
俺の左腕、弟の左足。
障害は重い。
武道の類も、完全に一般人の枠からはみ出してしまった。
剣術は竹刀で竹刀が切断出来てしまう。
『能力』はオフに出来るが、気が緩むとそうなった。
危険すぎる。
弟も、とっさの防御に、反射板を出してしまい苦労していた。
両親も、祖父も、俺達の扱いに困った。
『能力』を理解できなかった。
両親の意見はしばしば対立した。
両親が離婚しそうになった。
俺達は、人生に挫折を感じていた。
どうにもならない、理不尽な状況を初めて理解した。
それまでの俺達は、幸運だっただけだ。
どうする事も出来なかった。
そこに救いの手が現れる。
黒戸和馬だ。
名は名乗らなかった。
黒いスーツの男。
ただそんな認識。
バランサーはこの時から俺達と接触があった。
『能力』を持った人間は、俺達の他にも存在するらしい。
その『能力』部隊の候補生のスポンサーが黒いスーツの男だった。
自衛隊の中でも秘密にされている部隊。
俺達二人は、中学に上がる前に、その候補生の部隊と合流した。
全寮制。
自宅からかなり離れた場所だった。
この頃から、異性に対する興味が増していたが、異性とは接触しなくなった。
全ての娯楽が禁止され、ひたすらに訓練し続ける。
精神を鍛えるのが目的だ。
候補生は全員わかっていた。
俺達が高校生の頃、黒巣壱白と出会った。
黒巣はまだ若い。
だが、候補生じゃない。
完全に幹部の振舞だった。
俺達は衝撃を受けた。
若いのに異常に強かった。
俺達は彼に引き抜かれる様に頑張った。
そんな生活が数年続いた。
彼は部隊を結成し、そこに俺らは選ばれた。
寮生活とはオサラバし、自宅の道場に戻って来た。
その後、部隊メンバー全員と接触し、『ロストエンド』が出来るに至る。
『ロストエンド』が出来た後の生活は、只々苦痛が続くだけだ。
シロに協力できない状況には不満しか感じなかった。
本人には、寿命が伸びて幸せだと説明していたが、本心は見抜かれている。
隠す事は到底無理だった。
どんな手を使っても、異世界に行きたい。
俺達の役目は終わっていない。
その思いは消える事は無い。
俺は唯康の思いを知った。
かなり深くまで理解しただろう。
彼を理解した。
彼にも俺を知って貰わなければ、フェアじゃ無いだろう。
融合が楽しみになった。
意外な結果だ。
唯康には好感が持てる。
額から指が離れた。
ダズ:「バランサー、俺の人生も、紫幻唯康に追体験させておいてくれ」
バランサー:「承知しました」
俺に迷いは無くなった。
俺は融合する。
バランサーの指がフレドの額に触れた。
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