46話 模擬戦



 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

     カーミュ・セーグルと融合した。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

 ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。

      ロミールの双子の妹。

      戦闘の指揮を行う。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 アリシア:『悠久の旅人』のエース。

      クリアの孫。

 リアンナ:リアンナ・ドバスカリ

      海洋国家ドバスカリ女王。

      黒沢香織。

      ファガスと結婚している。

      万能サポート。

 フィビニ:フィビニ・ドリー

      月と太陽の国出身。

      現在は、聖国クリアと連合国クロトの司法担当。

      開発チーム。

 ツァーリク:ツァーリク・エリン

       月と太陽の国出身。

       ルプリレに気がある。

       能力は高い。

 ノイトル:ノイトルロベスト

      月と太陽の国出身。

      従者長。

      一見クールだが激情家。

      プロミの狂信者。

      他人を見下している。

 ヒルデ:ヒルデ・ガント

     月と太陽の国出身。

     神官長。

     プロミの一挙手一投足全てに感動を覚える。

     感情の制御が苦手。

     実力は高い。

 ロウル:ロウル・ヒスリー

     月と太陽の国出身。

     従者兼料理人、実はプロの暗殺者

 クアクル:クアクル・ロウナー

      月と太陽の国出身。

      従者兼料理人、実はプロの暗殺者

 カシアル:カシアル・シュース

      月と太陽の国出身。

      従者兼裁縫士、実はプロの暗殺者

 スレガリン:スレガリン・ラウナル

      月と太陽の国出身。

      従者兼裁縫士、実はプロの暗殺者。

      カシアルの弟子。

 リトアニ:魔道国家ネストロス宰相

      高い実力を持つ魔法使い。

      サッサラと婚約した。

 サッサラ:魔道国家ネストロスの魔道技師

      ラナイア、へサルの上官

      リトアニと婚約した

      『フィナリスラーウム』開発チーム

 ラナイア:魔道国家ネストロスの宮廷魔導士

      攻撃魔法担当。

 へサル:魔道国家ネストロスの宮廷魔導士

     防御魔法担当。

 シア:魔道国家ネストロスの戦士長

    国で突出した実力があったが弟子に恵まれず孤立。

    カーと親しくしている。


(レイセ視点です。)


 午前中は忙しかった。


 ルプリレと同一存在がまた見つかった。


 同時にアルコルの同一存在も。


 ルプリレはイリエスと分離しているが、意識は融合している。


 アルコルはビレンティを完全に取り込んだようだ。


 ビレンティはそうなる事がわかっていたんだろう。


 事前にシロさんと会って、力を譲渡していたらしい。


 道理で、ビレンティから感じる意識がシンプルな筈だ。


 アルコルと同調するであろう意識だけの存在になっていた。


 アルコルは融合した事により、一般的な融合者と同じになる。


 ビレンティは融合者だった。


 契約者同士の融合を行っていた。


 神獣と契約していた。


 アルコルもそうなる。


 シロさんも。


 アルコルはキシのカタナを使いこなせていなかった。


 神獣と契約していなかったからだ。


 融合の経験も無かった。


 具現化能力の制御は力の融合の制御に似ている。


 アルコルはじきに使いこなせるようになるだろう。


 俺が突出してしまっているからな。


 追いついて貰わないと困る。




 午前中はそんな所だ。


 重要なエピソードだが、俺の意識は午後に向いていた。


 午後からは模擬戦だ。


 引率役と、ネストロス・アウグストラ混合チームとの模擬戦。


 刃は潰して戦うが、完全に本気を出す。


 迷宮都市の近くの荒野に集まった。




 リアンナ:「揃っているわね?」

 リアンナ:「始めるわよ~」


 フィビニ:「ええ、位置に着きました」

 フィビニ:「いつでもどうぞ」


 俺達は全員準備出来ている。


 引率役は、俺、ルプリレ、ジーク、ジャド、アリシア、リアンナ。


 ルプリレが俺の武器。


 アリシアがジークの武器。


 シロさんは不参加。


 状況を見守るらしい。


 俺とジャドがアタッカー。


 ジークはアリシアを盾にしてタンク。


 リアンナがヒーラー。


 ネストロス・アウグストラは、フィビニ、ツァーリク、ノイトル、ヒルデ、ロウル、クアクル、カシアル、スレガリン、リトアニ、サッサラ、ラナイア、へサル、シア。


 ノイトルがヒルデの武器。


 ロウルがラナイアの武器。


 クアクルがツァーリクの武器。


 カシアルがへサルの武器。


 スレガリンがシアの武器。


 フィビニは音魔法と指揮。


 リトアニとサッサラが魔法で妨害。


 へサルがタンク役。


 ツァーリク、ラナイア、シア、ヒルデがアタッカー。


 戦う前から役割が見えている。


 皆、その前提で戦う。


 二チームは中々面白い事をして来る。


 考えたのはフィビニか?


 この勝負、面白くなりそうだ。


 俺の耐久力にかかっているな。


 やれやれだ。




 ジークが注視を使った。


 へサルが注視を使った。


 リトアニとサッサラが魔銃を発砲。


 ジークが弾丸をいなす。


 俺とジャドはへサルにダッシュ。


 ツァーリク、ラナイア、シア、ヒルデはジークにダッシュ。


 フィビニは歌う。


 フィビニ:「ラ~―」


 へサルの身体能力が向上する。


 結界能力も高まる。


 俺とジャドがへサルを抜くのが早いか?


 ツァーリク、ラナイア、シア、ヒルデがジークを抜くのが早いか?


 リトアニとサッサラがジークの妨害に回っている。


 フィビニが音魔法でバフ。


 バフはへサルの防御力向上らしい。


 普通に考えて、俺とジャドがへサルを抜くより、ツァーリクたちがジークを抜く方が早いだろ?


 模擬戦が始まる前に、リアンナと打ち合わせ済みだ。


 俺が小細工する。


 ジャドは右拳でへサルを攻撃。


 へサルは左脇腹をピンポイントな結界で防御。


 強力な結界を外側に動かし、上手く力を逃がす。


 衝突音がしない。


 ジャドの魔法の流し込みでも結界が崩壊しない。


 へサルの完璧な結界術。


 俺は右の片手剣をへサルに振り下ろす。


 俺の武器の性能は高い。


 へサルは結界を二枚展開。


 二枚の結界で防御する。


 結界一枚に罅が入る。


 だが罅だけだ。


 抜けない。


 俺は意識を根源にどっぷりつからせ、目一杯に力を引き出す。


 右の剣を一旦引き、剣を両手剣にして、全力で振り下ろす。


 同時にジャドが右拳で再びへサルの左脇腹へ。


 俺はへサルの結界を一枚砕けたが、ジャドは結界を抜けなかった。


 フィビニが全力で支援している。


 へサルの結界は抜けない。


 かなりの防御力だ。


 そのころ、ジークは猛攻に耐えていた。


 ツァーリクの片手剣の払いを上に。


 シアの両手剣の振り下ろしを左に。


 ラナイアの輝く突きを上に。


 ヒルデのメイスの払いを下に。


 注視を繰り返し使いながら、次々に受け流す。


 サッサラからエアカッターが放たれる。


 ジークは四人の攻撃を受け流すのに集中して、エアカッターは無視した。


 エアカッターは致命傷にならない。


 人が武器化した攻撃よりも優先順位が落ちる。


 エアカッターを受けて、ジークの全身は切り刻まれた。


 ジークは無視する。


 動ける。


 リアンナが影に入ってジークに触れた。


 ジークは即時回復する。


 その時フィビニが吠えた。


 フィビニ:「エアカッターではダメです!」

 フィビニ:「急いでください!」

 フィビニ:「次の手を同時に!」


 バカが!


 聞こえているわ!


 リトアニとサッサラが魔法の溜めに入る。


 二人が魔法を放とうとする少し前に俺は注視を使った。


 ジークよりも強力だ。


 根源から力を引き出して、注視に力を使った。


 リトアニとサッサラの魔法は俺に向く。


 リトアニは氷結魔法で俺を一瞬凍らせた。


 俺の体温は下がり、末端神経が壊死する。


 同時にサッサラが雷魔法で俺を貫いた。


 俺の胸を雷が貫き、俺は痺れる。


 二つ共、動きを一瞬止める副効果がある。


 ジークがこれらを受けていたら詰んでいただろう。


 俺の動きは一瞬止まるが、俺は根源から力を引き出している。


 クソみたいに痛いが、なんとか耐えられた。


 数瞬後にはリアンナが回復してくれる。


 俺がダメージを引き受けた後、ジークが再度注視を使った。


 視線はジークに戻る。


 俺は同時に存在感を薄めた。


 ジークに攻撃が集中する。


 ツァーリクの片手剣の突きを盾で上に逸らす。


 シアの槍の突きを左手で逸らす。


 ヒルデのハンマーの払いを逸らす。


 ラナイアの大剣の光る振り下ろしを大盾で遮る。


 ジークは全て防ぎ切った。


 ジークの影の中にはリアンナがいた。


 リアンナのバフが効いていた。


 フィビニの真っ向からジークを抜く作戦は破綻した。


 注視を切り替えて、俺がダメージを引き受けると思わなかったんだろ。


 今の攻撃を受け流せれば、フィビニにはもう手が無い筈だ。


 俺は受け切った。


 ジャドと攻撃のタイミングを合わせる。


 俺はハンマーを右から左へ。


 ジャドは右拳を右から左へ。


 へサルは結界を四つ出した。


 強力な結界だが、俺達二人共が根源から力を目一杯引き出している。


 へサルは結界を粉砕され、右から左に吹き飛んだ。


 フィビニは降参した。




 俺達は会議室に移動した。


 イリエスが飲み物を運んでくる。


 人数が多いので大変だ。


 フィビニが話し始める。


 フィビニ:「してやられました」


 レイセ:「俺達の規模で、タンクを切り替えたりしないからな」


 ルプリレ:「リアンナの予想通りね」


 リアンナ:「魔物の王の城に行く時までには皆が出来ないとダメよ~」


 リトアニ:「反省点は他に無いか?」


 サッサラ:「攻撃力で押し切っていたらどうなっていたかしら?」


 フィビニ:「同じ事でしょう」

 フィビニ:「そうだなー」

 フィビニ:「注視の切り替えを阻止する手立てが有れば変わっていたかも」


 リアンナ:「そうね~」

 リアンナ:「ジークに攻撃しつつ、レイセの動きを止めたうえで、ジークに圧をかければ」

 リアンナ:「でも、ジークの注視をどうにかしないとレイセに攻撃できないけどね~」


 ルプリレ:「攻略当日は、複数人がタンクを切り替われるように待機しないとね」


 フィビニ:「そうですね」

 フィビニ:「どうやら僕は指揮には向いていないらしい」


 リアンナ:「現時点ではね~」

 リアンナ:「適性がある人物がそんなに複数いたら困る~」

 リアンナ:「貴方は音魔法でニーナを助けてあげて」

 リアンナ:「私、尖った性能しているのに、万能型に負けたらショックだわ」


 リトアニ:「妨害手段はあれで良いんだろうか?」


 ルプリレ:「レイセの動きが確実に一手遅れていました」

 ルプリレ:「役割として及第点と判断します」


 リトアニ:「そうか」


 レイセ:「みんな今日は良くやってくれた」

 レイセ:「明後日からの四百八十階層攻略でも力を発揮してくれ」

 レイセ:「それじゃ―、解散」


 仲間は力を付けている。


 心配は無い。


 俺達はやれる。


 さっさとダンジョンを攻略して、魔物の王を仕留める。


 パパっと済まないかな?


 じれったいぞ。


 俺はルプリレを見た。


 彼女は笑っていた。


 そうだな。


 こういう時は笑ってやり過ごそう。




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