45話 二人
レイセ:黒戸零維世。
レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。
連合国クロトと聖国クリアの王。
カーミュ・セーグルと融合した。
ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。
リビア:リビア・クロト。
聖国クリアの元代表。
レイセと結婚している。
プロミ:プロミネンス。
ルビー・アグノス。
黒崎鏡華。
月と太陽の国アウグストラの女王。
現人神。
レイセと結婚している。
ジャド:『マギ』のエース。
キシに次期纏め役に推されている。
三番目の真理への到達者。
アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。
『能力』が使える。
『リーベラティーオー』のリーダー。
ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。
ロミールの双子の妹。
戦闘の指揮を行う。
ジーク:聖国クリアの守護者。
クレラメイと融合。
真理への到達者。
アリシア:『悠久の旅人』のエース。
クリアの孫。
リアンナ:リアンナ・ドバスカリ
海洋国家ドバスカリ女王。
黒沢香織。
ファガスと結婚している。
万能サポート。
(レイセ視点です。)
午後から模擬戦だ。
ネストロスとアウグストラ。
二チームを相手にする。
だが今は執務室。
午前中だ。
午前中に用事が詰まっている。
来客が一件。
身内の打ち合わせが一件。
まず身内から片付ける。
メイドのナナが休みを取りたいらしい。
結婚するらしい。
青年の管理者がなんかやりやがった可能性が高い。
仕事はやめないらしいが、休みの間替わりのメイドが来るらしい。
俺は執務室で、その替わりのメイドとやらが来るのを待っている。
メイドのナナが扉の前にいるのを感じる。
リクライニングに座っていると扉が開いた。
何の気配も無かった。
突然開いた。
二人いた。
ナナと、替わりの女性。
替わりの女性が只者じゃない。
傍にいるのに気配が無い。
とりあえず二人を中に通す。
手で応接セットに座るように促す。
二人は座った。
レイセ:「済まないが、状況が変わった」
レイセ:「今からルプリレを呼ぶ」
ナナ:「?」
ナナ:「どうかしましたか?」
レイセ:「ナナ、お前が替りに選んだ女性はかなり特殊だぞ」
ナナ:「イリエスさんが何か?」
イリエス:「私が何かしましたか?」
レイセ:「お前、最近うちに来たろ?」
ナナ:「確かに」
ナナ:「雇ったのは最近です」
レイセ:「やっぱなー」
イリエス:「なにか問題が?」
レイセ:「決めるのはルプリレなんだよ」
イリエス:「貴方様はご自分で判断され無いのですか?」
ナナ:「イリエス!」
ナナ:「失礼です!」
イリエス:「引き下がりません」
イリエス:「私を見てどう感じました?」
レイセ:「俺に好意を持っているのか?」
イリエス:「運命の筈です」
レイセ:「そうかもな」
イリエス:「ふふ」
ナナ:「はわわわ」
レイセ:「お前、この世界で長いだろ?」
イリエス:「まあ、そこそこかな」
レイセ:「城に潜入した感想は?」
イリエス:「言いたくありません」
レイセ:「ルプリレには言えよ?」
イリエス:「王妃様が関係あるのですか?」
レイセ:「お前、俺にばっかり注目して、ルプリレは見てなかったか?」
イリエス:「それが何か?」
レイセ:「ルプリレと会えばわかる」
イリエス:「私は本を書いています」
レイセ:「何て本だ?」
イリエス:「わかりませんか?」
レイセ:「―――――ってやつか?」
イリエス:「わかってるんじゃない」
レイセ:「大先生が一般市民に化けてたのか?」
ナナ:「エー!?」
イリエス:「貴方の『異世界転生録 ロストエンド』は私の借り物ばかりじゃない」
レイセ:「そうだな」
イリエス:「それだけ?」
レイセ:「感想は?」
イリエス:「バーカ」
レイセ:「それが言いたかったのか?」
イリエス:「まあそうね」
レイセ:「ルプリレがもうすぐ来る」
レイセ:「会っていけよ?」
イリエス:「?」
その後、執務室にルプリレが来た。
イリエスとルプリレは同一存在だ。
俺でもわかる。
二人は融合した。
そしてまた分裂した。
イリエスはメイドやりたいらしい。
魔物の王との戦いの時は一つになるらしい。
それまでは別々。
ややこしい話だ。
ルプリレの人格にイリエスも加わった。
俺の心境は複雑だ。
イリエスとルプリレのやり取りは時間が掛らなかった。
ルプリレの融合数が増えた。
ルプリレも強くなったんだろう。
イリエスには感謝だ。
イリエスには下心も感じる。
好みのタイプかもな。
今日はもう一件、午前中に片付けないといけない事がある。
俺は大広間で来客を迎えた。
全身鎧の戦士が傅いて待っていた。
男は静かだった。
事前に実力は調べてある。
ダズが相手をした。
強いらしい。
模擬戦の途中で切り上げて、応接を決めたらしい。
そのままやっていたらどちらかが死んでいた、との事。
俺はその男を見てアルコルを連想した。
ダズもそうだろう。
男には、空虚さと、怒りが感じられる。
男は俺が声を掛けるまで傅いている。
俺はアルコルを呼び出した。
魔道具でぺセシュに連絡し、アルコルを聖都まで呼び出した。
アルコルが来るまで時間がある。
俺は男に話かけた。
レイセ:「面を上げてくれ」
男:「そんな訳には参りません」
レイセ:「いい、許す」
男:「は」
男は顔をあげた。
レイセ:「今、お前に似た男を呼び出している」
男:「承知しました」
レイセ:「俺は、レイセ・クリア・カーミュ・クロト・ノキシュ・セーグル」
レイセ:「お前は?」
男:「ビレンティ・ブエレス・スイーハ・ハーテルーです」
ビレンティ:「名前が重要ですか?」
レイセ:「たぶんな」
レイセ:「お前に似た男を呼んだ」
レイセ:「意味がわかるだろう?」
ビレンティ:「なるほど」
イリエスが良いタイミングで、飲みものはどうします?
と聞いてきた。
広間から執務室に移動する。
執務室で紅茶を飲む。
チーズケーキを食べる。
レイセ:「何故、訪ねて来た?」
ビレンティ:「理由は無いです」
ビレンティ:「勘、かな」
レイセ:「レポートを読んだんだろ?」
ビレンティ:「読みましたが?」
レイセ:「アルコルに共感したか?」
ビレンティ:「うるさい」
レイセ:「そう言うと思ってたぞ」
ビレンティ:「お前との会話は腹が立つ」
レイセ:「そうかよ、黙っててやる」
それから二時間待った。
アルコルは来た。
アルコル:「待たせたな」
レイセ:「遅いぞ、打ち合わせが始まってしまう」
アルコル:「午後からだろ?」
アルコル:「まだ時間がある」
レイセ:「俺は余裕を持って動きたいんだ」
アルコル:「追い詰められないと力が出ないのにか?」
レイセ:「うるさい」
ビレンティ:「会わせたがった理由がわかったぞ」
ビレンティ:「俺の自意識が負けそうだ」
レイセ:「知るか」
レイセ:「好きにやってくれ」
アルコル:「同一存在との融合か?」
アルコル:「可能なのか?」
ビレンティ:「心配するな、俺が慣れている」
アルコルとビレンティは融合した。
あっという間だった。
レイセ:「シロさんが不利になるな」
アルコル:「そうはならない」
アルコル:「ビレンティは力の一部をシロに譲渡したあとだ」
レイセ:「それなら条件は変わらないのか?」
アルコル:「力関係は維持されたままだ」
アルコル:「不本意だがな」
レイセ:「融合した感想は?」
アルコル:「不思議な感覚だ」
レイセ:「引率役に戻るつもりは?」
アルコル:「まだダメだ」
アルコル:「一旦調子を試す」
アルコル:「根源に触れる所まで辿り着けていた」
アルコル:「それで得られるのは、『能力』の向上だった」
アルコル:「今回の融合で、部分融合と、力の融合、完全融合が使える様に成る」
アルコル:「神獣も呼びだせる」
アルコル:「状況は一変する」
アルコルはカタナを振り下ろした。
俺は剣魔を具現化して防いだ。
キシのカタナの方が剣魔より強度がある。
剣魔が砕けそうになる。
執務室で初めやがった。
アルコルはカタナを下から上に振り上げた。
俺の胴を狙っている。
俺はバスターソードを右手で持ってアルコルの攻撃の軌道を払って変えた。
力の融合を使った。
アルコルも力の融合を使った。
腕力は拮抗している。
俺は剣魔の具現化を解いた。
拳を作る。
右手でアルコルの顔面を殴りつけた。
アルコルの頭は上に弾ける。
アルコルは耐えた。
今必死になって根源に繋がろうとしている。
アルコルは殴り返してきた。
俺は素直に殴られてやった。
まだまだ甘い。
俺は本気を出してアルコルを殴った。
体重が乗っている、腰が入っている。
普通ならこれを喰らったなら、ダウンだ。
アルコルは喰らった。
避けなかった。
根源にアクセスし、精神をどっぷり浸からせているんだろう。
視線がしっかりしている。
勘が良い。
コツがわかったか?
アルコル:「お前の独走を止めてやる」
レイセ:「うるせー、その程度で調子に乗るんじゃ無えー」
アルコルは笑いながら瞬間移動して消えた。
魔物の王の攻略は成功するかもな。
だがその後が心配になって来た。
やれやれだ。
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