44話 本気
レイセ:黒戸零維世。
レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。
連合国クロトと聖国クリアの王。
カーミュ・セーグルと融合した。
ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。
リビア:リビア・クロト。
聖国クリアの元代表。
レイセと結婚している。
プロミ:プロミネンス。
ルビー・アグノス。
黒崎鏡華。
月と太陽の国アウグストラの女王。
現人神。
レイセと結婚している。
ジャド:『マギ』のエース。
キシに次期纏め役に推されている。
三番目の真理への到達者。
アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。
『能力』が使える。
『リーベラティーオー』のリーダー。
ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。
ロミールの双子の妹。
戦闘の指揮を行う。
ジーク:聖国クリアの守護者。
クレラメイと融合。
真理への到達者。
アリシア:『悠久の旅人』のエース。
クリアの孫。
リアンナ:リアンナ・ドバスカリ
海洋国家ドバスカリ女王。
黒沢香織。
ファガスと結婚している。
万能サポート。
(リアンナ視点です)
四百五十階層を攻略した。
この攻略ではレイセが突出していた。
予想以上の動きに私は驚いていた。
全員がレイセと同じように動ければ、きっと魔物の王は倒せる。
そう感じた。
その後、ファガスはレイセと特訓した。
ファガスも根源の中に意識を潜り込ませる事が出来る様になったらしい。
私の心境は複雑だ。
ファガスには無理して欲しくない。
根源の中に意識を持って行くのはどう考えても無理をしている。
でも、仲間の力に成りたいのも解る。
私は今まで、特段の無理をしないで生きてきた。
自分に有利なように、効率よく。
そう生きてきた。
それももう終わりかもしれない。
無様でも良い、少しでも前に進むように、私も私なりに無理をしてみたい。
ファガスの行動で、そう感じた。
四百五十階層の攻略は、多くの軍勢が集まる前に速攻して階層主を倒した。
魔物の王の攻略でも、それが出来れば一番いい。
私はぺセシュと共に、全体指揮を行う。
今はぺセシュと連絡が取れない。
最低でも、ルプリレと今後を打ち合わせておきたい。
レイセやファガスの行動で、自分が熱くなっているのを感じる。
今自分に出来るベストを尽くすのだ。
効率は後回し。
私は、今までの私のプライドを捨てる。
そう、それでいい。
私はそれを望んでいた。
私が本気を出すなんて、考えもしていなかった。
やってやる。
私の本気を見せてやる。
レイセも同じような心境でしょ。
見せてやる。
そう思っている筈。
今ではファガスもそっち側かも。
くそう。
私も負けていられない。
本気の出し方って、どうだっけ?
久しぶり過ぎて忘れている。
今できる事は?
そう、ルプリレとの打ち合わせ。
私は、レイセとルプリレの私邸に急ぐ。
レイセ:「今日は完全オフの日だろ、どうした?」
リアンナ:「ルプリレはいる?」
リアンナ:「打ち合わせに来たわ」
レイセ:「お前が休日に仕事か?」
レイセ:「珍しい」
リアンナ:「うるさいわねー、いるの?」
リアンナ:「いないの?」
レイセ:「余裕ねーなー」
レイセ:「いるよ」
レイセ:「寝ている」
レイセ:「起こして来るからちょっと待っていて」
レイセ:「他人に起こされると機嫌悪いからなー」
レイセ:「覚悟しとけよな」
ルプリレ:「起きたわ」
ルプリレ:「うるさいのよ」
ルプリレ:「もう少し寝たかった」
ルプリレ:「ドバスカリの女王も焦る事があるのね」
ルプリレ:「午前中に顔を出すなんて」
ルプリレ:「昼ご飯どこで食べるか、考えてきた?」
レイセ:「お、来たのか、助かったー」
レイセ:「起こすと機嫌が悪いからなー」
レイセ:「俺は打ち合わせには参加しない」
レイセ:「七つの大罪”怠惰”を克服したんだ、ダラッとしたい」
ルプリレ:「大丈夫、貴方は寝ていてください」
ルプリレ:「手早く済ませたい」
ルプリレ:「リアンナ、打ち合わせの議題は?」
リアンナ:「今後の指揮の方針について、ね」
ルプリレ:「長くなりそう」
ルプリレ:「いいわ、別室に移動しましょ?」
リアンナ:「うん」
はじめの打ち合わせは三時間程。
お昼ご飯時を無視して打ち合わせは続いた。
魔物王の城に攻める時は、短期決戦は無理。
長期戦になる。
短期決戦だと、レイセとアルコルが動く事になる。
そうなると、魔物の王に勝てない。
なるほど。
確かに。
ヤル気になった私に向かって、ルプリレは笑っていた。
笑われてもいい。
その覚悟は出来ている。
レイセが打ち合わせに参加しなかったから、ルプリレの本気が見られた。
打ち合わせを三時間した後、ルプリレと二人で食事をして、また打ち合わせた。
更に三時間。
後半の三時間はルプリレがずっと喋っていた。
ルプリレも熱くなっていた。
ルプリレは、魔物の王の攻略で人死にを出したく無いらしい。
その為の案を幾つか提示された。
仲間たちは追い詰められたら、自らの命を削って仲間の為に行動する。
そうなるのは防ぎたい。
そういう事らしい。
その日はそのまま二人の私邸で夕飯を食べた。
ファガスを呼んだ。
四人で食事だ。
食べたのは日本食の会席料理。
静かな食事だった。
落ち着いた。
私は熱くなっていたからな。
次の攻略は、ネストロスとアウグストラの合同だ。
まず、ネストロスとアウグストラの纏め役とで打ち合わせる。
今日は良い経験になった。
今までの私に無かった可能性が開かれた。
次の打ち合わせからずっとそうなる。
楽しみだ。
今日はファガスが優しかった。
違うか。
ファガスはいつも優しい。
感じる私の心が変化した。
私は思う。
このリアンナ様の底力に平伏すがいい。
この先の展開が楽しみで仕方が無い。
その日は二人の私邸に泊った。
(レイセ視点です。)
今日は、リトアニとフィビニとで打ち合わせだ。
次の攻略では、ネストロスとアウグストラの合同で四百八十階層まで行く。
この攻略では、最初から二グループが連携して攻略する。
打ち合わせには引率役も来る。
アルコルとぺセシュは不在。
引率役にリアンナも加わっている。
引率役は、俺、ルプリレ、ジャド、ジーク、アリシア、リアンナだ。
ここに、フィビニとリトアニが加わって話し合いだ。
話し合いの議題は攻略のための連携について、だ。
執務室に全員揃っている。
レイセ:「まず、ネストロスとアウグストラの今の実力が知りたいな」
リトアニ:「確かにそれもあるだろう」
リトアニ:「加えて、我々二グループの役割から、必要な実力ってやつに向かって連携したい」
フィビニ:「なるほど」
フィビニ:「確かに、役割の確認は有効かもしれません」
フィビニ:「今、引率役から見て、我々二グループは役割を遂行するに足る実力があるのか?」
フィビニ:「物差しはそれしか無いですからね」
ルプリレ:「貴方方二グループに求められるのは、魔物の王の城迄辿り着く事」
ルプリレ:「そして、城の前で中に入ったグループを追いかけて来る敵を排除する事」
リトアニ:「理解している」
フィビニ:「同じく」
ルプリレ:「引率役は、私とレイセ、アルコルは中に入る」
ルプリレ:「引率役の残り、ジャド、ジーク、アリシア、ぺセシュ、リアンナは城の前に残る」
ルプリレ:「OK?」
リトアニ:「同じく理解している」
フィビニ:「同じく」
リアンナ:「なら、予想される展開は?」
リトアニ:「苦しいな」
リトアニ:「敵の実力に対して、自分たちの力量が解っていない」
リトアニ:「予想できない」
リトアニ:「だから知りたかった」
リトアニ:「予想される展開は、三通り」
リトアニ:「敵が俺達より強い場合、弱い場合、同じ位の場合」
フィビニ:「最低でも同じ位には持って行かないといけない」
レイセ:「うるせー」
レイセ:「だから実力を見るって言ってんだろが」
レイセ:「お前らの実力を俺に見せて見ろ」
ジーク:「王に同意」
ジャド:「どうやって実力を測ります?」
アリシア:「模擬戦でしょ」
リアンナ:「対戦相手はどうする~?」
レイセ:「引率役対、二グループ」
フィビニ:「理由は?」
レイセ:「お前らは仲が良い」
レイセ:「恐らく連携できる」
レイセ:「その位の人数差が丁度いい」
フィビニ:「相変わらずだな、あんた」
リトアニ:「おい、ムキになるなよ」
リトアニ:「レイセに悪気は無い」
リトアニ:「事実、その位強い」
ジャド:「貴方は前線に立つ人物としては冷静ですね」
レイセ:「本性と外面が違うだけだぞ」
ジーク:「と、言うと?」
レイセ:「ポーカーの時にわかっている、リトアニはムキになるタイプだ」
リトアニ:「我慢している自覚はある」
ルプリレ:「サッサラとの結婚が決まって、死ねなくなったのよね?」
リトアニ:「な!?」
レイセ:「おお、おめでとう」
リトアニ:「昨日の話の筈」
ルプリレ:「サッサラから連絡があったわ」
リトアニ:「そんなにすぐに連絡しなくても」
ルプリレ:「言いたかったんじゃない?」
ルプリレ:「随分嬉しそうだったけど?」
リトアニ:「それなら怒れないな」
フィビニ:「模擬戦は明日で良いですか?」
レイセ:「ああ、大丈夫」
その日はそれで解散した。
リトアニとサッサラか。
俺達の関係性は変化する。
時間経過する。
時は待たない。
良い方にも悪い方にも。
平等だ。
永遠の命を持っていたってそれは変わらない。
二人の変化が後に良かったと思えるように、未来に向かって進むのだ。
俺達は止まらない。
時間の様に確実に動き続ける。
前へ、前へ。
負けないぞ。
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