43話 戦闘訓練


 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

     カーミュ・セーグルと融合した。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

 ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。

      ロミールの双子の妹。

      戦闘の指揮を行う。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 アリシア:『悠久の旅人』のエース。

      クリアの孫。

 ファガス:海洋国家ドバスカリの王。

      黄山十夜。

 リアンナ:リアンナ・ドバスカリ

      海洋国家ドバスカリ女王。

      黒沢香織。

      ファガスと結婚している。

      万能サポート。


(レイセ視点です。)


 四百五十階層の攻略から、攻略ペースを落とす事になった。


 他のグループが四百五十階層まで完全にクリアできるまで、攻略はゆっくりになる。


 あと、俺が最近おかしいらしい。


 まー、自覚有るよな。


 シロさんの自主練が終わったから、俺に構ってくれるらしいし。


 不満はない。


 シロさんは融合していない。


 神獣と契約もしていない。


『ロストエンド』を通って来ているが、姿が現世と変わらない。


 シロさんは、力の融合が使えない。


 融合する相手がいない。


 シロさんは、アルコルと戦闘になった際は常に押されていたらしい。


 地力ではアルコルに勝てなかったらしい。


 未来予知の『能力』を得る前の話だ。


 シロさんは、未来予知の『能力』を得る際に、現世と異世界がほぼ同一と悟ったらしい。


 現世と異世界に違いはない。


 登場人物が違うだけ、らしい。


 俺も、現世で部分融合や結界を出せた。


 鏡華は武器化出来ていた。


 現世と異世界に違いは少ない。


 現世も、誰かの集合無意識から出来ているかもな。


 意志の強さが、現実に作用する。


 同じ事だ。


 全ては、どう信じるかにかかっている。


 根本的に同じ。


 真理は同じだ。


 世界の理は共通している。


 なら、俺が根源と呼んでいるナニカはどうか?


 根源が真理だ。


 つまり、共通している。


 管理者は『能力』を自由に選択できるが、その源も根源にある。


『能力』の源も根源だ。


 シロさんは、管理者の『能力』無しで根源にアクセスし、『能力』を得た。


 シロさんも、真理への到達者だ。


 しかも、『能力』を引き出している。


 俺は、俺が感じている根源への到達方法をシロさんに話した。


 結論は、通じた。


 感覚が似ている。


 あやふやなイメージをおでことおでこの触れあいで伝達して通じた。


 シロさんは、融合無しで根源にアクセスできるようになった。


 シロさんの根性はかなり気合が入っている。


 躊躇なしに手を突っ込み、その核を探しているらしい。


 俺も根源の核を探している。


 とにかく、シロさんと俺は根源に手を突っ込める。


 シロさんは根源に手を突っ込むと、『能力』が強まるらしい。


 俺達は模擬戦をする。




 模擬戦とは名ばかりの真剣勝負だ。


 ルプリレが立ち会っている。


 ファガスも来ていた。


 リアンナも。


 ジーク、ジャド、アリシアはオフだ。


 アルコルとぺセシュが来ていた。


 シロさんがいる場所にアルコルが来るのは珍しい。



 シロさんのカタナが右上から左斜め下に。


 シロさんは具現化でカタナを出した。


 カタナの強度は低いが、『能力』カットが付与されている。


 俺は部分融合で作り出した左の剣でシロさんの攻撃の軌道をズラした。


 俺の剣は先が削られる。


 俺の部分融合は、シロさんの『能力』を無効化出来ない。


 武器の性能は俺の負けだろう。


 受け太刀出来ないのは苦しい。


 シロさんは根源に繋がり、『能力』を強めている。


 左の剣でシロさんの攻撃を凌いだ俺は、右手の片手斧で右から左に払う。


 シロさんは、俺が右に片手斧を振り上げたと同時にスライドで前進。


 俺の片手斧の間合いから内側に来る。


 動きが素早い。


 瞬きはやめているんだが、意識の隙間を縫ってくる。


 シロさんは、俺が右手の片手斧を右から左に振るったと同時に俺を担ごうとした。


 未来視を使いこなしている。


 だが俺も読んでいた。


 俺も根源に繋がり、未来視のコツを掴みかけている。


 だから対処できる。


 シロさんが背を見せて俺を担ごうとした瞬間、重心を下げて投げられない様にする。


 シロさんの動きが速すぎる。


 俺は受動的に動く事しか出来ない。


 二人共根源に繋がっていても、未来視での最適化でシロさんが一歩先を行く。


 シロさんは素早く体を戻して、俺に向き直り、左足でハイキック。


 シロさんは同時に右手にナイフを創り出す。


 俺は選択を迫られる。


 ハイキックと、ナイフ攻撃がほぼ同時に来る。


 二つの攻撃は、二つとも根源から力を引き出した攻撃が来る。


 そして、威力だけじゃなく展開も早い、認識した瞬間に動かなけらば詰む。


 俺は結界を右側に展開。


 根源に手を突っ込み全力で力を引き出す。


 根源から引き出した力で、ハイキックを結界で防御できると判断。


 ハイキックを防御。


 同時に左手で、シロさんの右腕を掴んで止めた。


 根源から力を引き出し、シロさんの行動の起こりの前に腕を掴んで止める。


 俺は根源の力で自分の動きをクロックアップした。


 一瞬でも動きを止める事が重要だった。


 俺はシロさんの腕を思い切り下に引き、態勢を崩そうとした。


 シロさんはスライドで後ろに距離を取った。


 シロさんの右腕は千切れかかっている。


 間髪入れずに、シロさんは左手でナイフを創り出し、俺に突き立てた。


 俺は三歩後退。


 ナイフは刺さったままだ。


 そこから押し込まれると負けだ。


 それはさせない。


 俺が下がるのに合わせてシロさんはスライドで接近。


 シロさんの右腕は超回復した。


 一呼吸の間も無い。


 一瞬だ。


 一瞬で間合いを詰めて来る。


 シロさんは右足で体重の乗った蹴り。


 俺は盾の具現化が間に合わず、両手で防御。


 苦しい。


 結界も間に合わない。


 シロさんは右足をあげたままスライドし俺との角度を調整する。


 スライドで移動したままシロさんは左手で魔銃を取り出し、俺の右太ももを撃ち抜いた。


 拳銃を抜く動作が素早過ぎる。


 躱す事は無理だ。


 距離も近い。


 ダメージを受けて硬直する俺に連続射撃。


 左太ももも撃たれた。


 両足がやれた。


 ほぼ詰みだ。


 かなり苦しい。


 だがまだ手はある。


 俺はバスタードソードを具現化。


 長いバスタードソードを光らせて更に長く伸ばし、右手で右から左に振り抜こうとした。


 シロさんは、俺がバスタードソードを出そうとした瞬間に身を低くし、ナイフで俺の脇腹を刺した。


 俺は刺されると判断しバスタードソードを消し、左手にナイフを具現化。


 俺の右脇腹にナイフが刺さったと同時に左手でシロさんの左脇腹にナイフを突き刺した。


 二人共、そのままナイフでお互いを抉る。


 その時点でルプリレから待ったがかかる。


 この勝負は俺が押されていたが、引き分けらしい。


 仕切り直しになる。


 刺さっていたナイフを抜く。


 ふー。


 しばらく休憩だ。



(アルコル視点です。)


 ここしばらく、ぺセシュと行動を共にしてきた。


 まー、単独行動する俺について来ていた。


 うっとおしいので、その事を伝えた。


 怒る俺にたじろがない。


 そんな反応は珍しい。


 悪い気はしなかった。


 だが、かまっていられない。


 俺は焦っていた。


 根源に繋がり、易々と力を引き出すレイセを見て。


 俺は闇雲にダンジョンに突っ込み、死にかけた。


 死にかけた時にぺセシュが回復魔法を使う。


 俺は彼女に生かされた。


 俺は感謝しない。


 彼女と俺の利害の一致だ。


 運命は俺を見放さなかった。


 生かされた。


 そうなるようにぺセシュが動いた。


 闇雲にダンジョンに潜って、死にかけて、得られる物は少なかった。


 俺は、俺の成長のために必要な何かが無いか、レイセに聞くつもりだった。


 俺はレイセに頼り始めていた。


 今までは。


 シロとレイセの模擬戦を見た。


 模擬戦というより、殺し合いか。


 シロの動きを見てピンと来た。


 シロは根源に至っている。


 俺は根源に至れないでいた。


 俺は融合者ではない。


 根源に至る道筋が無かった。


 しかし、シロは根源に至っている。


 実例がある。


 シロと俺は同一だ。


 ほぼ同じ特徴をしている。


 推理は容易だ。


『能力』に鍵があるとピンと来た。


『能力』の出所が根源だ。


 確信がある。


 シロとレイセの戦闘はかなり高度だ。


 根源から力を引き出す事が前提の戦闘。


 二人の戦闘を考察するなかで、俺も根源に到達した。


 俺はまだやれる。


 俺はもう一度単独でダンジョンに戻る。


 掴んだ感覚を確かめる。


 どうせぺセシュはついて来るだろ。


 死にかけても、回復が来る。


 少々無理をしてもなんとかなりそうだ。


 死ぬ気で本気を出す。




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