41話 見せる


 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

     カーミュ・セーグルと融合した。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

 ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。

      ロミールの双子の妹。

      戦闘の指揮を行う。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 アリシア:『悠久の旅人』のエース。

      クリアの孫。

 クレタ:『クレイモア』のリーダーでエース。

     女性。

     黙っていればかなりの美人。

     技量が突き抜けている。

     感覚派。

     会話が通じない。

     間合いの取り方が独特。

     以前は好き勝手に動いていた。

 アニー:『クレイモア』でクレタの通訳。

     クレタの幼馴染。

     頭脳派。

     広報担当。

     可愛らしい感じ。

     全体のバランスを考えて動く。

 エレミ:『クレイモア』

     真面目。

     一番大変な役を引き受ける。

     きちんとした服装。

 ファンファン:『クレイモア』

        女性。

        不真面目。

        不意打ちを好む。

        動き易い服装。

 サブリク:『クレイモア』サブリーダー。

      男性。

      冴えない感じ。

      眼鏡。

      纏め役。

      常識人。

      エレミを補佐。

 ソフル:『クレイモア』

     中性。

     華やかな美人。

     無邪気。

     明るい。

     支援魔法で補佐。

 ミレーク:『クレイモア』

      女性。

      無難な暗い色の服を着る。

      後ろ向き。

      慎重。

      一定の距離を取って戦う。

 リアンナ:リアンナ・ドバスカリ

      海洋国家ドバスカリ女王。

      黒沢香織。

      ファガスと結婚している。

      万能サポート。

 ファガス:海洋国家ドバスカリの王。

      黄山十夜。

 スーサル:スーサル・スベット。

      戦士長。

      職人肌。

 ダダン:ダダン・ダダン。

     スーサルの弟子。

     任務達成至上主義。

 ドレファ:ドレファ・ダーラン。

      スーサルの弟子。

      交渉上手。

 バルド:バルド・ゼード。

     『悠久の旅人』の代表代理。

     クリアの育ての親。

    


(レイセ視点です。)


 今まで俺は根源に繋がると表現して来た。


 根源に繋がり続けると。


 実際は直視し続ける事を、繋がり続けると表現して来た。


 根源を認識するだけで、力を引き出せる。


 根源はそのすべての大きさを認識するだけで、理性が崩壊しそうになる。


 大きすぎる。


 そして、根源にはまだ使い道がある。


 まだまだ先が有る。


 俺は精神で根源に触れていない。


 直視して来ただけだ。


 直接そこに触れ、中に手を突っ込まないと、真価は得られないだろう。


 魔物の王は根源を使い切って来るだろう。


 戦いの時までに、そこに到達しないといけない。


 もしかしたら、時間が足りないかもな。


 俺の身体能力が上がると、武器役をしてくれているルプリレへの負担も増える。


 ルプリレには、この先どんどんと負担が増えて行くと説明しておいた。


 ルプリレは、任せといて、と言っていた。


 頼らせてもらう。


 根源と直接触れ合えば、引きずり込まれるかもな。


 力に呑み込まれる。


 暴走状態になるかも。


 しかし、避けて通れない。


 今回の攻略では引率役も全力を出す。


 俺も全力だ。


 全力の俺の姿を見せて、全員を引き上げる。


 根源から力を引き出せるかは、気力の問題だ。


 根性。


 気合。


 手本を見せてやる。


 見とけよ。




『クレイモア』とドバスカリとの合同攻略は順調に進んだ。


 四百階層までは前と同じだ。


 階層構造は変わっていない。


 四百階層から後は、また洞窟に戻っていた。


 薄暗い洞窟の通路に、魔物がひしめき合っている。


 魔物として出て来ていたのは、多分、吸血鬼だろう。


 人間の姿をしていて、武器を持っている。


 目が赤く、牙がある。


 肌は青白い。


 服装は俺達とそう変わらない。


 武器を具現化して使い分けて来る。


 四百五十階層までは複雑な通路にひしめく魔物達を倒しながら、時間をかけて進んだ。


 食料はマジックバッグに山ほど入れてきた。


 時間が掛ったが、四百四十九階層の祠まで来た。


 あとは、祠を抜けて、四百五十階層に移動し、階層主を倒して帰る。


 それだけだ。




 四百五十階層に出た。


 広い。


 広大な洞窟。


 索敵可能範囲の最大まで広がる広大な洞窟。


 そう認識した時点で、ジークが前に出る。


 前方へジークがダッシュ。


 強力な攻撃が来る。


 そして、魔物が集まって来て居る。


 索敵可能範囲の端に強大な反応。


 そこまで走り抜ける。


 強大な反応の隣にも二体大きな反応。


 馬鹿でかい図体。


 塔の様に大きな、ゴーレム。


 目から極太ビームを撃ってきやがった。


 それをジークが前に出て結界と盾でいなす。


 ジークが防いでいる間に、俺達は前に出る。


 一気に階層主迄近づく。


 全速力で走る。


 ファガスとクレタが俺を追い抜く。


 二人は注視を使う。


 洞窟は影の中だ。


 全体を見通せる明るさだが、全体が影の中とも言える。


 リアンナのバフを感じている。


 リアンナをすぐ傍に感じる。


 リアンナ:「とにかく全速力で進んで」

 リアンナ:「敵はなるべく一撃で倒して」

 リアンナ:「この距離で耐久戦をやると無限に時間が掛るわ」

 リアンナ:「敵が強いから、特に」

 リアンナ:「魔物の王の城に辿り着くには、一気に駆け抜ける作戦のほうが良いかもね」

 リアンナ:「みんな、わかった?」


 皆は無言だ。


 心の中で頷いた。



 三体接近してきた。


 二体がファガスに、一体がクレタに引き寄せられる。


 敵は吸血鬼タイプ。


 吸血鬼の一体はファガスに剣の振り下ろしをし、盾で防がれた。


 吸血鬼は盾で防がれたと同時に、バルドにハンマーで頭を突き破られた。


 吸血鬼は灰になる。


 もう一体ファガスに行った吸血鬼は、ファガスに攻撃し、盾で同じく防がれた。


 ファガスが防いだと同時に、ジャドの拳が吸血鬼の腹に命中、吸血鬼は致命傷を受け灰になる。


 クレタに行った吸血鬼は、双剣を使い、右に左に剣を振るう。


 クレタは盾で防がず、攻撃を躱して、カタナで吸血鬼の首を切り落とした。


 吸血鬼は灰になる。


 走りながら、俺は弓を構えた。


 ルプリレで出来た弓。


 矢は部分融合で作った。


 矢の質量を最大にした。


 走りながら全力で射る。


 根源に手を突っ込む。


 根源から、俺を引っ張り込もうとする力を感じる。


 引っ張り込もうとする力は、力に酔いしれて暴走しようとする俺自身の弱さから来ている。


 俺は暴走しない。


 引きずり込もうとする作用は俺には無意味だ。


 そう思おう。


 俺は矢を放った。


 ルプリレで出来た弓は軋む。


 バー――ァン!!


 凄まじい勢いで矢は飛び、ゴーレムの額を貫いた。


 巨大なゴーレムは崩れる。


 リアンナの指示通り、一撃死させた。


 ここからだ。


 みんな見とけよ。




 七体寄ってきた。


 ファガスとクレタに寄っていく。


 皆は全速力で走っている。


 ジークはもう一体のゴーレムの攻撃を警戒している。


 ゴーレムはもう一体追加された。


 階層主はバカでかいゴーレムを追加させることが出来るらしい。


 だとしても俺に関係は無い。


 ファガスとクレタに敵が近づこうとしている。


 俺は剣魔のバスタードソードを出した。


 俺は一番前を走りながら剣を構える。


 バスタードソードを右から左へ。


 ルプリレのカタナを左から右へ。


 強く光る長く伸びた剣は、七体を同時に捉える。


 そのまま振り抜く。


 吸血鬼七体を両断し灰になる。


 続けざま、俺は部分融合で槍を二本出した。


 質量を最大にして出す。


 それを走りながら順番に投げた。


 バグゥ――ン!!


 二体のゴーレムの頭は吹き飛んだ。


 二体のゴーレムは崩れて行く。


 俺の攻撃は止まらない。


 俺はルプリレで出来た剣を最大まで大きくする。


 俺の意思は触れ合っているルプリレに届く。


 ルプリレには意志が伝わったみたいだ。


 階層主を攻撃する。


 距離は関係ない。


 届かせる。


 俺はルプリレをデカい双剣に変える。


 デカい双剣から長く伸びた光が、階層主まで届く。


 根源に直接触れれば、可能だ。


 階層主の動きを予想し、連続で双剣を振るう。


 階層主は自前の剣で攻撃を防ぐ。


 俺の攻撃に巻き込まれた敵は灰になっていく。


 階層主は吸血鬼だ。


 強い力を持っている。


 俺の攻撃を弾く事が出来る。


 距離がある状況でだが。


 俺の走る速さは加速していた。


 付いて来られているのは、ジャドとジーク。


 バルド、ファガス、クレタは遅れだしている。


 根源から力を引き出せ無きゃ、出ないスピードで走っている。


 皆は遅れだしている。


 だが、俺の姿は見えるだろ。


 なんども言うが良く見とけよー。


 敵までの距離は二百キロメートルって所か?


 俺はルプリレを槍にした。


 長く光る槍で、階層主取り巻きのゴーレムを攻撃する。


 刺し貫く槍での攻撃。


 長く光る攻撃が、ゴーレム二体の額を貫く。


 ゴーレムは崩れていく。


 そのまま、吸血鬼の階層主を攻撃。


 長く光る攻撃が、階層主を狙う。


 階層主は、自前の武器で攻撃を逸らせる。


 走りながら長距離戦を行う俺を、仲間が見ていた。


 ファガス:「あの速度で走って、なんでそんな攻撃出来るんだよ」


 バルド:「どうも、わしたちに見せるのが目的らしいぞい」


 ジャド:「僕に遠距離攻撃は無いからなー」

 ジャド:「もっと早く動かないと」


 ジーク:「敵の攻撃の元を全部潰されると、出番が無いなー」


 レイセ:「ジャド、先に行って階層主の動きを鈍らせてれ」


 ジャド:「え?」

 ジャド:「これ以上速く動くのなんて無理ですよ」


 レイセ:「はーあ」

 レイセ:「しょうがねーな」

 レイセ:「遠距離から攻撃するのめんどくさいんだよ」

 レイセ:「俺がやってやるかー」

 レイセ:「お前ら、王にどんだけ働かせるんだ?」


 ファガス:「言いたい放題だな」

 ファガス:「カッコつけたいだけだろ?」


 レイセ:「じゃー、ちょっと行ってくる」


 俺は全力で跳躍した。


 結界を足場にし、数度の跳躍。


 あっという間に階層主の吸血鬼に迫り、剣を振り下ろす。


 ルプリレで出来た剣。


 階層主の吸血鬼は持っていた剣ごと両断され、灰になった。


 ルプリレは武器化を解いた。


 レイセ:「どうだった?」


 ルプリレ:「カッコよかった、かも」


 だろ?


 そうなんだよ。


 偶には褒めてくれるんだな。


 俺はルプリレを抱き締めた。


 今日はルプリレが素直だ。


 ルプリレは大人しく俺に抱きしめられていた。




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