38話 今の俺



 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

     カーミュ・セーグルと融合した。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

 ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。

      ロミールの双子の妹。

      戦闘の指揮を行う。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 アリシア:『悠久の旅人』のエース。

      クリアの孫。

 クレタ:『クレイモア』のリーダーでエース。

     女性。

     黙っていればかなりの美人。

     技量が突き抜けている。

     感覚派。

     会話が通じない。

     間合いの取り方が独特。

     以前は好き勝手に動いていた。

 アニー:『クレイモア』でクレタの通訳。

     クレタの幼馴染。

     頭脳派。

     広報担当。

     可愛らしい感じ。

     全体のバランスを考えて動く。

 エレミ:『クレイモア』

     真面目。

     一番大変な役を引き受ける。

     きちんとした服装。

 ファンファン:『クレイモア』

        女性。

        不真面目。

        不意打ちを好む。

        動き易い服装。

 サブリク:『クレイモア』サブリーダー。

      男性。

      冴えない感じ。

      眼鏡。

      纏め役。

      常識人。

      エレミを補佐。

 ソフル:『クレイモア』

     中性。

     華やかな美人。

     無邪気。

     明るい。

     支援魔法で補佐。

 ミレーク:『クレイモア』

      女性。

      無難な暗い色の服を着る。

      後ろ向き。

      慎重。

      一定の距離を取って戦う。

 リアンナ:リアンナ・ドバスカリ

      海洋国家ドバスカリ女王。

      黒沢香織。

      ファガスと結婚している。

      万能サポート。

 ファガス:海洋国家ドバスカリの王。

      黄山十夜。

 スーサル:スーサル・スベット。

      戦士長。

      職人肌。

 ダダン:ダダン・ダダン。

     スーサルの弟子。

     任務達成至上主義。

 ドレファ:ドレファ・ダーラン。

      スーサルの弟子。

      交渉上手。

 バルド:バルド・ゼード。

     『悠久の旅人』の代表代理。

     クリアの育ての親。

    


(レイセ視点です。)


 ファガスが着いてしばらくしてから、バルド、スーサル、ダダン、ドレファが着いた。


 バルドからは殺気が出ている。


 ファガスからも。


 相当気合が入っている。


 らしくない。


 ドバスカリは人数が少ない。


 バルドとアリシアはドバスカリの助っ人だ。


 今アリシアは引率役に引き抜いたが。


 バルドがしゃべり出す。


 バルド:「さっさと始めるぞ」


 ファガス:「そうだな」


 レイセ:「模擬戦か?」


 バルド:「それ以外にないじゃろ」


 ルプリレ:「対戦相手は?」


 スーサル:「引率役全員とだ」


 ジャド:「それでその殺気なんですね」


 バルド:「悪いか?」


 ジーク:「力み過ぎでは?」


 バルド:「うるさいわい」


 アリシア:「私はどうしよっか」


 リアンナ:「引率役」


 ルプリレ:「いいの?」


 リアンナ:「どうぞ、どうぞ~」


 アリシア:「なんか複雑」


 ファガス:「気にしないで」


 リアンナ:「言い訳出来ない様にしてやるから~」


 レイセ:「大きく出たな」


 バルド:「さっさと移動するぞ」




 街の外の草原に移動した。


 リアンナ、ファガス、バルド、スーサル、ダダン、ドレファの六人対、俺、ルプリレ、ジャド、ジーク、アリシアの五人。


 ルプリレが合図をする。


 ルプリレ:「始めましょ」


 ルプリレがそう言ったと同時に、リアンナが消えた。


 ファガスとバルドは俺に向かってくる。


 スーサル、ダダン、ドレファはジークに向かう。


 ジャドはジークの補佐だ。


 アリシアもジークの補佐。


 ルプリレは大きくバックステップ。


 ルプリレは全体を俯瞰できる位置まで下がった。


 全員神獣は出さない。


 ダンジョン攻略で神獣は出せない。


 力量を見るのに適していない。


 俺とジークは注視を使う。


 ファガスとスーサルも注視を使った。


 俺とジークの距離は十メートル。


 必然的にファガスとスーサルの距離も十メートル。


 俺が今どうなっているか見せてやるか。


 全力を出す。


 ファガスが大剣で俺を叩き切る。


 俺は防御しなかった。


 胸から腹に向けて斜めに切られ、血が噴き出す。


 俺が防御しないとは思わなかったらしい。


 ファガスはバックステップした。


 バルドは驚いている。


 俺の傷は巻き戻しの様に回復した。


 常時、根源と繋がっている。


 その上、一度に引き出せる力が大幅に増えた。


 ファガスの存在感への攻撃力では、俺の存在感へ影響は少ない。


 俺は大きく一歩踏み込んだ。


 一駆けでファガスに迫る。


 ファガスは大盾を具現化。


 俺は右拳で大盾をぶん殴る。


 大盾を貫いて、ファガスの腹に右拳が突き刺さる。


 そのままファガスは吹き飛んだ。


 ファガスが吹き飛んだ先にリアンナが待っていた。


 リアンナはファガスの腹部に触れる。


 傷が回復する。


 リアンナはまた消えた。


 ファガスの注視は途絶えた。


 俺はバルドに向かう。



 リアンナは影から影にワープ出来る。


 今は昼だが、影があれば大きさは関係ない。


 戦闘中は影に隠れている。


 影の中には入ったままでいる事が出来る。


 更に、リアンナが影に入っている人物には、身体能力向上の効果が出る。


 魔物の王の城を攻める時は夜に決定だ。


 傷に触れると、その部分を回復できる。


 リアンナから指示は出ていない。


 あらかじめ誰が誰を相手するか決まっていたようだ。


 追加の指示が無い。


 俺とジークを分断する作戦らしい。


 両チーム共に回復役がいる。


 こっちのチームはルプリレが回復役だ。


 この場合、回復役が詰んだら負けだ。


 俺とルプリレの距離は二十メートル。


 少し離れすぎたか?


 バルドを引き連れたまま後退する。




 バルドの攻撃を躱しながら後退。


 ジークとジャド、アリシアの動きを追う。


 ジークは大盾で、ドレファの大剣での攻撃を左に逸らす。


 続いてジークはダダンのメイスでの攻撃を右に逸らす。


 相変わらず衝突音がしない。


 余裕が有るようだ。


 柔らかくいなしている。


 対して、スーサルは苦労している。


 スーサルは大盾でジャドの右拳を受け止めた。


 大きな衝突音。


 同時にアリシアが瞬間移動して真後ろへ。


 スーサルが振り向いて防御態勢を取ったのと、アリシアの槍での突きは同時だった。


 ジャドとアリシアの攻撃は、ドレファとダダンの攻撃よりキレがある。


 防御に余裕は無い。


 しかし、均衡は保たれている。


 このバランスはしばらく崩れない。


 ルプリレとリアンナの出番は無いだろう。



 俺が自由に動けてしまっている。


 俺がスーサルに攻撃を仕掛け出したら、勝負が決まる。


 ルプリレ:「レイセ、スーサルです」


 だと思った。


 バルドが俺とスーサルの間に瞬間移動。


 俺とスーサルの距離は十メートル。


 バルドは光る槍で俺を突いてきた。


 全力の突き。


 俺は左腕で槍を上に弾いた。


 俺の左腕が折れた。


 関係ない。


 俺はそのまま踏み込んで、右拳でバルドを狙う。


 バルドは大きくバックステップしながら盾を出した。


 バルドの着地と同時に、俺の右拳がバルドの盾を打ち付ける。


 バルドは踏ん張って耐えた。


 盾が大きく歪んでいる。


 バルドは笑い出した。


 バルド:「ははははは」


 そうだな。


 笑うよな。


 これが今の俺だ。


 俺の左腕は回復した。


 バルド:「いよいよ化け物じみて来よった」


 レイセ:「は、いいから全力出せよ」


 バルド:「さっきから全力じゃい」


 バルドは瞬間移動。


 俺の感覚は研ぎ澄まされている。


 瞬間移動では、空間にヒズミが出来る。


 使った瞬間、もう一か所にヒズミが出来る。


 そこが出口だ。


 使った瞬間にヒズミが二か所出来る。


 それを感じていた。


 左後ろ。


 同じタイミングで右後ろにもヒズミを感じる。


 ファガスだろう。


 俺は左後ろに振り返って、バルドを迎え撃つ。


 バルドが出た瞬間殴り倒し、瞬間移動。


 ファガスの攻撃が空を切る。


 俺はファガスの右横に出てファガスを殴る。


 ファガスは読んでいた。


 盾で防御。


 ファガスは盾で上手にいなした。


 バルドは地面を滑って転がっている。


 リアンナが回復に向かう。


 レイセ:「ファガス、根源に繋がれ」


 ファガス:「言うと思っていた」


 レイセ:「歯を食いしばれよ、舌噛むぞ」


 ファガス:「当ててから言え」


 うるせえ。


 お前はどうせ躱せないだろ。


 俺はファガスに左のフックを、ファガスは俺に左のフックを。


 二人の頭が上に跳ねる。


 俺は構わず右でファガスの腹を殴った。


 ファガスは耐えた。


 根源に繋がったようだ。


 ファガスも右で俺の腹に一撃入れた。


 二人共一歩後退。


 バルドが俺の顔面を殴った。


 瞬間移動して出てきた。


 俺にはわかっていたが、ファガスの攻撃を受けていた。


 躱せない。


 俺はカウンターで左をバルドの顔面へ。


 バルドも耐えている。


 根源に繋がっているんだろう。


 ファガスが俺の顔面へ。


 俺はカウンターでファガスの顔面へ。


 バルドが俺の顔面へ。


 俺がカウンター。


 ファガスが俺の顔面へ。


 俺はカウンター。


 二人は肩で息をしている。


 もう終わりか?


 俺はファガスに右拳で顔面へ。


 ファガスが殴り返して来る。


 俺の顔面へ。


 俺はバルドの顔面へ。


 バルドは殴り返して来る。


 まだ行けるか?


 俺はファガスの顔面へ。


 ファガスは俺の顔面へ。


 俺はバルドの顔面へ。


 バルドは俺の顔面へ。


 俺はファガスの腹へ。


 ファガスが吹き飛んだ。


 俺はバルドの腹へ。


 バルドが吹き飛んだ。


 はぁ、はぁ。


 流石に効く。


 リアンナは回復に向かっている。


 回復しても無駄だ。


 二人共意識が飛んだ筈だ。


 これで勝負は決した。


 俺がジーク、ジャド、アリシアの三人に加われば均衡が崩れる。


 全員殴り倒せばリアンナは詰む。


 俺にも回復は無いのか?


 ルプリレが瞬間移動して来た。


 ルプリレが俺の腹を殴った。


 続けて俺の顎を。


 おい。


 おい!


 回復は?


 ルプリレ:「殴って欲しそうだったから、つい」


 なんでだよ。


 つい、じゃねー。


 俺は気を失った。


 勝負は俺達の勝ちで良いんだな?


 はーあ。


 寝よ。



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