37話 リアンナ

 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

     カーミュ・セーグルと融合した。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

 ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。

      ロミールの双子の妹。

      戦闘の指揮を行う。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 アリシア:『悠久の旅人』のエース。

      クリアの孫。

 クレタ:『クレイモア』のリーダーでエース。

     女性。

     黙っていればかなりの美人。

     技量が突き抜けている。

     感覚派。

     会話が通じない。

     間合いの取り方が独特。

     以前は好き勝手に動いていた。

 アニー:『クレイモア』でクレタの通訳。

     クレタの幼馴染。

     頭脳派。

     広報担当。

     可愛らしい感じ。

     全体のバランスを考えて動く。

 エレミ:『クレイモア』

     真面目。

     一番大変な役を引き受ける。

     きちんとした服装。

 ファンファン:『クレイモア』

        女性。

        不真面目。

        不意打ちを好む。

        動き易い服装。

 サブリク:『クレイモア』サブリーダー。

      男性。

      冴えない感じ。

      眼鏡。

      纏め役。

      常識人。

      エレミを補佐。

 ソフル:『クレイモア』

     中性。

     華やかな美人。

     無邪気。

     明るい。

     支援魔法で補佐。

 ミレーク:『クレイモア』

      女性。

      無難な暗い色の服を着る。

      後ろ向き。

      慎重。

      一定の距離を取って戦う。




(レイセ視点です。)


 ぺセシュが引率役から抜けた。


 アルコルが心配らしい。


 ぺセシュは引率役を抜けてアルコルの補佐をするらしい。


 確かに、アルコルを一人にするのは心配だ。


 全体のバランスを見る事の出来るぺセシュの感性からして、適当なのだろう。


 指揮の出来るヒーラーの替わりが必要だ。


 そもそも魔物の王の攻略に、引率役を考えていなかった。


 根本的な話だ。


 大迷宮攻略によって、必要性が出てきた。


 行き当たりばったりだ。


 引率役を考える事は、想定外だ。


 しかしその想定外を考慮するしかない。


 今、大迷宮を攻略するにあたって、引率役が必要だ。


 全ての行動は、次への伏線だ。


 起きる事象には連続性が有る。


 大迷宮攻略で試練となった事象は、魔物の王攻略で起きる事象と重なる筈だ。


 その為の試練だ。


 全ての事象に意味がある。


 ならば、ならばだ、ぺセシュが抜ける事にも意味がある。


 魔物の王攻略に回復役が一人では足りないのかも。


 指揮の出来る人間が一人では足りないのかも。


 ぺセシュの替わりが務まる人物に、心当たりがある。


 今日はドバスカリを呼んでいる。


 だが一人は特別だ。


 ファガスじゃ無いぞ。


 勿体つけて悪いが、問題はリアンナだ。


 くどくど言ってきたぺセシュの替わりはリアンナだ。


 リアンナには、他のメンバーより早く来てもらう。


 打ち合わせが必要だ。



 リアンナが執務室に来た。


 俺、ルプリレ、ジャド、ジーク、アリシアが室内で待っていた。


 アルコルとぺセシュは別行動。


 クドイか?


 リアンナは緊張していない。


 平常心だ。


 仕草から平常心を演じているのがわかる。


 私が平常心なんだから、貴方達も平常心でいてね、って感じ。


 一言も話していないが、ソファーに座っているだけで皆理解した。


 戦闘能力無しで一国の女王になった。


 立ち居振る舞いに強い意志を感じる。


 俺達はコイン集めで三十四年、リーベラティーオーと訓練し出して五年経つ。


 リアンナの適性にも理解がある。


 リアンナに戦闘能力は無かった。


 今も無い。


 だがダンジョン攻略者だ。


 イメージの伝達方法がわかり、リアンナの状況は一変した。


 直接的な戦闘への介入をせずとも、ダンジョンに入れる実力が備わった。


 完全なるサポート役。


 ぺセシュですら、魔銃で狙撃を狙う。


 リアンナはそれすらしない。


 能力が特化し過ぎて、使いどころに困っていた。


 ぺセシュが抜けたタイミングで、リアンナに声を掛ける。


 天啓だろう。


 運命はリアンナを必要としている。


 リアンナは魔銃を扱えない。


 自分から攻撃を考慮する事が無い。


 しかし、大局を見て指揮が出来る。


 回復役を熟せる。


 ぺセシュの替わりに打ってつけだ。


 今まで引率役に誘わなかったのが不自然に思える。


 リアンナ;「なぜこのタイミングで呼んだの?」


 レイセ:「アルコルとぺセシュが引率役を抜けた、その所為だ」


 リアンナ:「大迷宮攻略と、魔物の王攻略に、関連性があるの?」


 レイセ:「ある」

 レイセ:「大有りだ」

 レイセ:「恐らく魔物の王攻略の下書きが、大迷宮攻略だ」

 レイセ:「意味は通じるか?」


 リアンナ:「……」

 リアンナ:「ケルスの行動の意味は?」


 レイセ:「ケルスは単独で動いていた」

 レイセ:「俺が簡単に死なない事を試しやがった」

 レイセ:「その話は別問題だ」

 レイセ:「ルプリレから聞いて無いか?」


 リアンナ:「聞いてるわ~」

 リアンナ:「貴方の反応を知りたかったの」


 レイセ:「納得したか?」


 リアンナ:「貴方の感覚がおかしいって事だけね」

 リアンナ:「自覚はある?」


 レイセ:「知った事かよ」


 ジャド:「不安になるなー」


 アリシア:「よく正気が保てるわね」

 アリシア:「運が良かっただけでしょ?」


 レイセ:「なんでもありに見えて、実はルールが有るのかもな」

 レイセ:「どう思う?」


 ルプリレ:「無駄な事考えないで、出来る事を考えましょ?」


 レイセ:「だな」


 リアンナ:「最近話せてなかったから、感覚にズレを感じる」

 リアンナ:「ぺセシュの替わりでしょ?」

 リアンナ:「問題ないでしょ~」


 レイセ:「全体指揮と回復役だな」


 ルプリレ:「大丈夫」


 リアンナ:「愚門よね」


 ルプリレ:「何か話しておきたい事は?」


 リアンナ:「私が引率役に成る事は、私にとって自然に思える」

 リアンナ:「でも貴方達には、イレギュラーなのよね?」

 リアンナ:「なら、大局を見る目が無いわね」

 リアンナ:「この先、引率役の増減はあるのかしら~?」

 リアンナ:「計画の不完全さに責任者はどう対応するのかしら~?」


 レイセ:「お前、意地悪か?」

 レイセ:「計画なんて思った通り行くはず無いだろ」

 レイセ:「変更ばっかりだわ」

 レイセ:「状況毎に一応の計画は立てるけどな」

 レイセ:「引率役の増減は無い」

 レイセ:「計画の不完全さは俺が謝る」

 レイセ:「ごめーん」


 ルプリレ:「責任を感じる心が必要か」


 ジーク:「申し訳ない」


 ジャド:「すいません」


 アリシア:「私も?」

 アリシア:「ごめん」


 ルプリレ:「はいはい、ごめんごめん」

 ルプリレ:「貴方、解ってて声を掛けなかったでしょ?」

 ルプリレ:「その責任は?」


 リアンナ:「ごめん」

 リアンナ:「怒らないで」

 リアンナ:「調子に乗りました」


 ルプリレ:「キレるわよ?」


 リアンナ:「ごめんって」


 打ち合わせ、だったな。


 ぺセシュと同等の指揮が出来るのか?


 回復役は?


 一応確認するか?


 レイセ:「本当に全体指揮は出来そうか?」


 ルプリレ:「問題ない」


 レイセ:「お前に聴いて無いぞ」

 レイセ:「お前答えるなよ」


 リアンナ:「問題無いわよ~」


 レイセ:「本当か?」


 リアンナ:「疑ってどうするの?」

 リアンナ:「大丈夫だって」


 レイセ:「出来るかどうかはぶっつけになるかー」


 ルプリレ:「今までの行動を見たらわかるでしょ?」


 レイセ:「今までの行動だけで判断できるなら、とっとと攻めてるぞ」


 ルプリレ:「私、信用無いなー」


 レイセ:「その言い方ズルいぞー」

 レイセ:「俺が悪いみたいになる」


 ルプリレ:「でも貴方信じないし」


 レイセ:「リアンナの話だろ」

 レイセ:「どうしてそうなる?」


 リアンナ:「信じて~」


 レイセ:「わかったって」

 レイセ:「ファガスはどう対応してるんだ?」


 リアンナ:「ファガスは疑わないわよ~」


 レイセ:「あー、藪蛇だった」


 ルプリレ:「羨ましい」


 レイセ:「勘弁してくれー」

 レイセ:「ファガスが来てくれたら、問題が解決しそうな気がする」

 レイセ:「ファガス早く来てくれー」


 ルプリレ:「自分でどうにかしてください」

 ルプリレ:「ほんともう」


 レイセ:「ごめーん」


 ジーク:「ゾッとする」


 アリシア:「しっかりしてよね」


 ジーク:「こわー」


 話をしているとファガスが来た。


 予定の時刻よりずっと早い。


 執務室に入って来たファガスを、皆は無言で迎えた。


 話題の中心人物。


 次に何を言うか注目されている。


 ファガスは躊躇なく扉の前に立ち、あっさり扉を開ける。


 いつもの繊細さが無い。


 大胆に開いた。


 リアンナを探す。


 落ち着いている。


 人見知りを発揮しない。


 当たり前か。


 リアンナの隣に座る。


 俺は大勢いる時は焦ってしまうからなー。


 落ち着いているファガスは新鮮だ。


 頼もしい。


 ちゃんと隣に来たファガスをリアンナは見逃さない。


 当たり前って思うだろ?


 これ、実はそうでもないんだぜ。


 リアンナは満足そうだ。


 皆の反応を不審に思ったファガスが話す。


 ファガス:「あれ?」

 ファガス:「なんで俺が注目されてる?」


 レイセ:「リアンナが寂しがってたぞ、色男」


 ファガス:「なんだそれ?」


 メイドのナナが飲み物を持ってきてくれた。


 仕切り直しだ。


 ファガスもコーヒーを頼んでいる。


 ファガスも他のメンバーが来たら、身体を動かす。


 ドバスカリのメンバーと模擬戦だ。


 ファガスはリアンナと手を繋いでいる。


 仲が良いなー。


 俺もルプリレの隣に座って、ルプリレの手を握った。


 ルプリレはニヤニヤしている。


 はーあ。


 普通に喜んでくれよなー。


 我慢出来る奴っているか?


 そのまま押し倒すか?


 ダメか?


 めんどくせーな。


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