35話 手本


 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

     カーミュ・セーグルと融合した。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

 ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。

      ロミールの双子の妹。

      戦闘の指揮を行う。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 アリシア:『悠久の旅人』のエース。

      クリアの孫。

 クレタ:『クレイモア』のリーダーでエース。

     女性。

     黙っていればかなりの美人。

     技量が突き抜けている。

     感覚派。

     会話が通じない。

     間合いの取り方が独特。

     以前は好き勝手に動いていた。

 アニー:『クレイモア』でクレタの通訳。

     クレタの幼馴染。

     頭脳派。

     広報担当。

     可愛らしい感じ。

     全体のバランスを考えて動く。

 エレミ:『クレイモア』

     真面目。

     一番大変な役を引き受ける。

     きちんとした服装。

 ファンファン:『クレイモア』

        女性。

        不真面目。

        不意打ちを好む。

        動き易い服装。

 サブリク:『クレイモア』サブリーダー。

      男性。

      冴えない感じ。

      眼鏡。

      纏め役。

      常識人。

      エレミを補佐。

 ソフル:『クレイモア』

     中性。

     華やかな美人。

     無邪気。

     明るい。

     支援魔法で補佐。

 ミレーク:『クレイモア』

      女性。

      無難な暗い色の服を着る。

      後ろ向き。

      慎重。

      一定の距離を取って戦う。




(レイセ視点です。)


 レイセ:「止めるなよ」


 ルプリレ:「でも、負けたって認めたのですよね?」


 レイセ:「そうだけど……」


 ジャド:「七人と戦ってほぼ互角でしたよ」


 クレタ:「勝った」


 アニー:「勝った」


 レイセ:「その通訳はいらんのよ」


 アニー:「知ってます」


 レイセ:「まー、喜ぶのは悪いことじゃない」

 レイセ:「してやられたよ」


 ジーク:「ルプリレさんの論評を聞きたいです」


 ルプリレ:「全体的に、クレタを活かそうと動いて、その通りに出来ていたわ」

 ルプリレ:「レイセがクレタの動きを読み違えて見失ったのが敗因ね」


 アルコル:「…………」


 サブリク:「七人対一ですからね」


 ミレーク:「今後の課題は?」


 ファンファン:「えー?」

 ファンファン:「聞きたくないー」


 エレミ:「是非聞きたいな」


 ソフル:「そうね」

 ソフル:「聞いておきたいわね」


 ルプリレ:「うーん、言えるけど、ね」


 アルコル:「連携を考え直さないとな」


 ジャド:「どうします?」


 ルプリレ:「やって見せる、か」


 ぺセシュ:「レイセ、ルプリレ対、ジャド、ジークって所だな」


 アリシア:「面白そう」


 ジャド:「ジークの動きをよく見ておいて下さい」


 ジーク:「プレッシャー」


 ジャド:「よく言うよな」


 ぺセシュ:「ルプリレは遠距離攻撃な」


 ルプリレ:「そうね」


 アルコル:「…………」


 エレミ:「そうかー」


 ミレーク:「落ち込まないで」


 ソフル:「前向きに考えましょ?」


 クレタ:「引きずり込まれる」


 サブリク:「通訳を」


 アニー:「盾役でエレミを上回るには、根源へ繋がらないといけない」

 アニー:「根源へは今まで繋がろうとしたけど、恐怖心から避けてしまっていた」

 アニー:「意識を持って行かれるのが心配」


 サブリク:「出来ると思われたんだ、自信持ってくれ」


 クレタは自信なさそうにほほ笑んだ。


 エレミ:「とにかく、戦っている所がみたい」


 サブリク:「確かに」


 アルコル:「この試合が終わったら、俺は引率役を一旦抜ける」

 アルコル:「大迷宮で鍛え直す」


 ぺセシュ:「付き合うぜ」

 ぺセシュ:「回復役がいないと死にそうだ」


 アルコル:「勝手にしろ、俺は知らん」


 ぺセシュ:「嬉しいくせに」


 アルコル:「チッ、足を引っ張るなよ」


 ぺセシュ:「へー、へー」


 ジャド:「ぺセシュさんの替わりはどうします?」


 ぺセシュ:「リアンナだな」


 ルプリレ:「そうね、頼んでみる」


 レイセ:「アルコルの替わりはシロさんだな」


 アルコル:「チッ、俺の前で奴の話はするな」


 レイセ:「そうかよ」




『クレイモア』は山頂に移動。


 何度も言うがここは森だ。


 開けた場所が少ない。


 さっきの戦闘では問題にならなかった。


 攻撃のほとんどが瞬間移動を起点にしていた。


 そうせざるを得なかったのだ。


 今回ルプリレは遠距離攻撃と決まっている。


 二対二の戦闘。


 ジークの盾役を強調する。


 今回アリシアは盾にならない。


 俺とジークは部分融合で武器を具現化する。


 動きは自然と決まって来る。


 ジークが盾役で注視を使う。


 ルプリレは注視の影響が少ない場所から攻撃。


 そうしないとジャドとジークを同時に攻撃できない。


 俺はジークに向かう事になる。


 俺の気分は二対一だ。


 そういう戦闘になる。


 ジャドの間合いは狭い。


 格闘タイプだからだ。


 二人共根源に繋がる事が出来る。


 身体能力が高い。



 ルプリレが距離を取った所から戦闘を開始した。


 ルプリレが上方へ跳躍。


 樹が邪魔だ。


 ジークが大盾を構えて注視を使う。


 俺の意識がジークに向く。


 俺と、ジークの距離は三メートル。


 ジャドはジークのすぐ隣。


 ルプリレが豪火球をジークに向かって放った。


 俺は大きく一歩踏み込んで長柄のハンマーでジークの盾を打つ。


 俺は根源と繋がっている。


 なかなかの威力だ。


 衝突音はしない。


 ジークは大盾で攻撃の威力を綺麗に上に流す。


 大盾が跳ね上がる。


 跳ね上げたタイミングで豪火球が迫る。


 ジャドは俺に向かって大きく一歩踏み込む。


 ジークは豪火球を結界で受け止める。


 結界に罅が入る。


 結界で少し耐えた所で大盾を前に戻す。


 結界は破壊。


 ジークは大盾で豪火球を左に逸らした。


 ジークが豪火球を防いでいるタイミングでジャドがもう一歩踏み込んだ。


 俺は黄金の領域を展開。


 領域は俺を中心に周囲の状況を把握する効果がある。


 持続時間は短い。


 持続時間より展開速度を重視している。


 ジャドの攻撃が来る。


 ジャドは拳で俺の腹を狙ったようだ。


 俺はジャドを直視できない。


 注視が効いている。


 俺は領域で探知した情報を頼りに盾で防御。


 俺は足で踏ん張らなかった。


 俺は五メートル後ろに弾き飛ばされる。


 ルプリレは上空から魔銃でジャドを狙撃。


 連続発射。


 ジャドは躱すのに気を取られ追撃できない。


 俺が瞬間移動を試みようとした瞬間、ジークの注視が更に追加される。


 俺は瞬間移動出来ない。


 反対にジークが突進してくる。


 俺は空中に結界を展開。


 地面と垂直に結界を固定し、足場にして前に飛んだ。


 ジークの大盾にハンマーを振り下ろす。


 ジークは大盾で攻撃をいなす。


 衝突音がしない。


 攻撃を右に流された。


 ジャドが追いついた。


 地面に降りたルプリレは火球を複数発射。


 火球は樹の間を縫うように飛んでジークを狙う。


 俺は黄金の領域を展開。


 同時にジャドが黒い領域を展開。


 俺の領域とジャドの領域が相殺される。


 状況を把握出来ない。


 俺はハンマーを消して拳を用意する。


 ジャドに殴られたのに合わせて殴り返すしか出来ない。


 二人共頭が上に跳ね上がる。


 ジャドは全属性を拳に込めていた。


 俺は根源からありったけ力を引き出した。


 威力は同程度。


 二人共一歩後退。


 ジークには火球が着弾している。


 ジークはじっと防御。


 ジークは役目を知っている。


 俺の視線はシークに釘付けだ。


 相変わらずジャドを捕捉出来ない。


 ルプリレは豪火球を準備。


 最初の一撃よりデカいのが来る。


 俺は黄金の領域を展開。


 ジャドも黒い領域を展開。


 ルプリレは瞬間移動でジークの後ろに飛んだ。


 ジークは後ろを向いて防御体勢。


 やはり領域は相殺される。


 ジャドを捕捉出来ない。


 俺は勘でジャドの頭を狙う。


 俺の攻撃にジャドがカウンター。


 ジャドには攻撃が当たらなかった。


 ジャドの左カウンターで俺は殴り倒された。


 俺は地面を転がって樹に叩きつけられた。


 豪火球が樹を焼きながら一直線にジークに向かう。


 ジークは豪火球を上に逸らした。


 戦闘継続は無理だ。


 俺の負け。


 二連戦は流石に疲れた。


 ルプリレが警戒を解いて近寄って来た。


 戦闘終了だ。




 ぺセシュが回復魔法を使ってくれた。


 傷は治った。


 レイセ:「思いっきり殴り倒しやがって」


 ジャド:「つい」


 ルプリレ:「これで何となく解った?」


 クレタは頷いた。


 エレミ:「根本的な腕力の差、だけじゃ無いな」


 サブリク:「そうだな」

 サブリク:「盾の扱いが抜群に上手い」


 アリシア:「言われてるわよ」


 ジーク:「一切攻撃に回らなかったからなー」


 ミレーク:「謙遜は嫌味ですよ」


 ソフル:「チームの動きを考え直さなきゃだね」


 アニー:「クレタ、盾役できそう?」


 クレタ:「…………」


 アニー:「やってみなきゃ、わからない、って」


 レイセ:「何も言って無いのになんでわかるんだ?」


 ルプリレ:「クレタ、合ってる?」


 クレタは頷く。


 合っているらしい。


 やっぱテレパシーじゃないか?


 シロさんと合流したら、心を読み取って貰うか。


 アルコルは融通が利かないからな。


 いや、根本的に二人は同じか。


 それにしても、ジーク。


 お前、やるようになったな。


 盾の扱いは俺より上手いんじゃ無いか?


 魔物の王の城に攻め込む前には、その防御力が重要になる。


 恐らく今回のルプリレの様に魔法を撃ち続けて来る奴が出る。


 お前の役割が重要なのは確実だ。


 頼りにしているぞ。


 言わないがな。



 次はドバスカリの状態を確認する。


 大迷宮攻略はその後だ。


 大迷宮攻略はまだまだ続く。


 気は緩められないな。


 はーあ。


 疲れたー。



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