29話 連携2




 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

     カーミュ・セーグルと融合した。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

 ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。

      ロミールの双子の妹。

      戦闘の指揮を行う。

 アスマ:神木遊遊間。

     『トウェルブ』のサブリーダー。

     カーミュとは兄弟。

     チームの纏め役。

 ローク:『トパーズ』のリーダー。

     樹原鈴生。

     『リーベラティーオー』のメンバー。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 アリシア:『悠久の旅人』のエース。

      クリアの孫。

 アスマ:『トゥエルブ』第二席。

     アスマ・アーゼス・カミキ・セーグル。

 マサト:『トゥエルブ』第三席。

     マサト・バフェル・ショウウン・メジー。

 リク:『トゥエルブ』第四席。

     リク・ジュカー・アザイ・ゲームク。

 メイ:『トゥエルブ』第五席。

     メイ・ルイ・カジワラ・トト。

 オウジ:『トゥエルブ』第六席。

     オウジ・べワド・フジモト・ブルク。

 ソウタ:『トゥエルブ』第七席。

     ソウタ・オセル・カミキ・リンブル。

 ソラ:『トゥエルブ』第八席。

     ソラ・ボイム・ハライ・フェイス。

 ゲン:『トゥエルブ』第九席。

     ゲン・ナドエワ・タツミ・ロミル。

 ミキ:『トゥエルブ』第十席。

     ミキ・イヴ・クリバヤシ・マーズル。

 ハルキ:『トゥエルブ』第十一席。

     ハルキ・タトー・モリ・タリオク。

 ヒカル:『トゥエルブ』第十二席。

     ヒカル・カイオン・ナルミ・ハウルス。






(レイセ視点です。)


 三百九十階層の階層主を倒した。


 引率役の出番は無かった。


 階層主との戦闘で誰も武器化していない。


『トゥエルブ』の存在感への攻撃力は本物だ。


 この階層の攻略は終わった。


 が、まだ続きがある。


 死神だ。


 タイミングがわからないが、長く居ると出て来る筈だ。


 死神を倒すまで休憩出来ない。


 そして、戦うのは、アルコルだ。


 前回は俺に投げやがったが、今回はアルコルにやって貰う。


 出来なきゃ俺と共闘するのに不足している。


 俺は、ハッキリ言って、余裕だった。


 武器に成ってくれる、ルプリレが耐えられるか心配だったが。


 俺は自分の地力が上がるごとに悩んでしまう。


 全力で振り回す事に。


 これはもう仕方ないだろ。


 いきなり決心出来ない。


 アルコルは、武器に手加減を考えるんだろうか?


 キシで出来た剣。


 キシは命を捧げた。


 折れる事は、無い、か。


 俺が心配する事じゃ無いか。


 別の事を考えよう。


 空白の時間が出来てしまった。


 臨戦態勢を保ったまま、時間を潰さなければならない。


 どうするんだよ?


 手持無沙汰だな。


 ちなみに、俺の直観はまだ働かない。


 感覚的にはリラックスできそうだ。


 アルコル:「レイセ、来そうか?」


 レイセ:「いや、まだ何も感じない」


 アルコル:「そうか」


 アスマ:「なんか食べようぜ」


 メイ:「何食べます?」


 アリシア:「ああ、料理できるんだ?」


 メイ:「まー、そこそこ」


 レイセ:「助かるわー」


 ルプリレ:「あれ?」

 ルプリレ:「喜んでやってたんじゃ無いの?」


 ジャド:「厳しいですね」


 ジーク:「実は愚痴を聞かされてます」


 ルプリレ:「あ?」


 レイセ:「わー、ごめーん」


 ルプリレ:「もー」

 ルプリレ:「なら、私も作る?」


 ヒカル:「あ、私も加わりたいです」


 ミキ:「私も」


 ソラ:「じゃー、私も?」


 ルプリレ:「女性だから手伝わないといけないって事無いのよ?」


 ソラ:「じゃー、サボる―」


 レイセ:「そうそう、手伝わなくてもサボりじゃ無いから」


 ジーク:「ホントですか?」


 レイセ:「お前は発言するな、ややこしくなる」


 ルプリレ:「ややこしいのは貴方の態度でしょ」

 ルプリレ:「ジークにどんな愚痴言ってたんだか」


 アルコル:「レイセ、反応は?」


 レイセ:「まだ無いな」

 レイセ:「焦るなよ」


 アルコル:「無理言うな」

 アルコル:「この状況でよくリラックスできるな」


 ジャド:「アルコルさんを信頼してるんです」


 アルコル:「チッ、イライラする」


 レイセ:「自信無いのか?」


 アルコル:「うるさい」

 アルコル:「お前はいつか必ず殺す」


 レイセ:「そんなに怒るなよ」


 アルコル:「俺に構うな」

 アルコル:「食事の心配をしてろよ」


 ぺセシュ:「話を戻すぞ」

 ぺセシュ:「私はスパゲティーを食べたい」


 メイ:「味は?」


 ぺセシュ:「ミートソース」


 マサト:「自分、カルボナーラ希望っす」


 ゲン:「ペペロンチーノが食べたいかも」


 ハルキ:「ナポリタンも旨いよなー」


 オウジ:「たらこが食べたいなー」


 リク:「作って貰うのによく希望言えるな」


 アスマ:「言うだけ言わないと損だぞ」


 メイ:「アスマの希望は?」


 アスマ:「ミートソース」


 オウジ:「カッコつけるなよ」


 アスマ:「本当だ」

 アスマ:「前からそうだわ」


 メイ:「レイセ、粉チーズ用意してる?」


 レイセ:「ああ、あるぞ」


 ルプリレ:「レイセも粉チーズかけるのよ」


 メイ:「兄弟だからかな?」


 ゲン:「わー、惚気禁止」


 オウジ:「はは、前からか」

 オウジ:「なら俺もミートソースでいいや」


 ぺセシュ:「私が答えた時点で決定だから」

 ぺセシュ:「他の選択肢無いから」


 マサト:「そうだったのかー」


 ゲン:「作る手間考えるとそうなるのか」


 ハルキ:「ミートソースも旨いか」


 レイセ:「調味料の粉末がある」

 レイセ:「使うか?」


 ルプリレ:「いつものか」


 レイセ:「そうそう」


 ルプリレ:「なら、調理は私だけで十分ね」


 メイ:「玉ねぎみじん切りにして、ひき肉と炒めて、調味料混ぜて、水足して、麺を茹でる、か」


 ヒカル:「今回はお願いします」


 ミキ:「私はサラダ作っとく」


 ルプリレ:「そう、そうね、お願い」


 メイ:「私達は待ってよっか?」


 ヒカル:「うん」


 ジャド:「ぺセシュさんは参加しないんですか?」


 ぺセシュ:「なんだ?」

 ぺセシュ:「男女差別か?」


 ジャド:「ぐう、痛い所突きますね」


 アリシア:「得意な人が多いから」


 ぺセシュ:「そうだぜ」


 レイセ:「そろそろかも」


 アルコル:「はー、そうか」

 アルコル:「信じて良いんだな?」


 レイセ:「わからん」

 レイセ:「そんな気がするだけだ」


 アルコルは舌打ちした。


 死神は現れた。


 瞬きの間にフッと現れ、突然撃って来た。


 みんなは警戒していた。


 死神は強いが、来ると分かっていた。


 だから対処できる。


 流石、俺。


 来るタイミングが解る理由は不明だ。


 俺にもわからない。


 狙われたルプリレはギリギリで躱した。


 アルコル以外が死神から距離を取る。


 アルコルに助太刀出来るのは、俺だけか?


 ルプリレは?


 どうなんだろう?


 まー、俺だけって思っておくか。


 いよいよとなったら俺は動く。


 アルコル。


 俺が動く心配無い様に頼むぞ。


 俺はアルコルを見た。


 アルコルと目が合った。


 アルコルは頷いた。


 そうかよ。


 アルコルは死神に向かって斬撃を放つ。


 連続した斬撃が、死神に飛んでいく。


 死神は背負っていた大鎌を両手に持って防御。


 アルコルの斬撃全てを相殺した。


 素早い。


 死神は攻撃に移る。


 両手に拳銃を持って発砲。


 連続でだ。


 発砲に途切れ目が無い。


 両手拳銃でマシンガンの様に撃って来る。


 アルコルは銃弾をカタナで撃ち落としている。


 死神はアルコルを中心に円の軌道を取る。


 移動しながら正確に撃って来る。


 うん。


 アルコルは大丈夫そうだ。


 ヒヤリとする場面も無かった。


 なんだ、余裕じゃ無いか。


 アルコルが緊張していたから俺も緊張したわ。


 アルコルは銃弾のカーテンの前に反射板を出した。


 銃弾が倍速で反射される。


 反射して明後日に飛んだ弾の飛ぶ方向を、もう一度反射板を作って変える。


 死神が調子に乗って撃ちまくった銃弾全部が数倍の威力で戻って行った。


 死神は自分が撃った弾を大鎌で防御。


 防御し切れず、銃弾を受けている。


 死神の円弧移動は止まった。


 止まったタイミングでアルコルが斬撃を浴びせる。


 連続でだ。


 銃弾でダメージを負って、動きの鈍くなった死神は、斬撃を捌けない。


 斬撃は死神をバラバラに引き裂いた。


 アルコルはほとんどその場から動かなかった。


 死神に合わせて、見る向きを変えただけだ。


 余裕の勝利。


 敵の銃弾を反射出来たなら、こうなる。


 アルコルは銃弾に強い。


 心配する必要は無かったな。


 ちょっとクドイか?


 バラバラになった死神は黒い霧に成って蒸発した。


 レイセ:「余裕じゃ無いか、心配させるな」


 アルコル:「うるさい」

 アルコル:「あんなのを倒せると本気で思える様に成るとはな」

 アルコル:「俺は自分に驚いている」

 アルコル:「俺も、お前みたいに頭がおかしくなったかもな」


 レイセ:「褒めてるのか貶してるのか、わけわからんな」


 ジャド:「安心しました」


 レイセ:「次はジャドだな」


 ジャド:「ええ!?」


 ルプリレ:「次は私よ」


 レイセ:「そうか」

 レイセ:「ジーク、魔物の王の配下はあれより攻撃力がある」

 レイセ:「威力を練り上げた攻撃なら、あれの数倍は行く」

 レイセ:「防げそうか?」


 ジーク:「試してみないと、なんとも言えないですね」


 アリシア:「私は盾化の練習しとこう」




 その後、テーブルを出して、全員で食事した。


 スパゲティーミートソース。


 旨かった。


 みんな驚いていた。


 俺の出した調味料が旨いのだ。


『トゥエルブ』ともう少し会話したかったんだが、仕方ない。


 食事を済ませてしばらく休憩したあと、引率役は三百階層に引き返した。


 アルコルは残った。


『トパーズ』が待っている。


 急ぐ。


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