24話 解釈




 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

     カーミュ・セーグルと融合した。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

 ぺセシュ:『創聖』のヒーラー。

      ロミールの双子の妹。

      戦闘の指揮を行う。

 アスマ:神木遊間。

     『トウェルブ』のサブリーダー。

     カーミュとは兄弟。

     チームの纏め役。

 ローク:『トパーズ』のリーダー。

     『リーベラティーオー』のメンバー。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 アリシア:『悠久の旅人』のエース。

      クリアの孫。



(レイセ視点です。)



 ぺセシュが馴染んでいる。


 ここにきて、一人引率が増える、か。


 今、俺達を操っているのは、ルプリレだ。


 隠そうとしていない。


 今まで、プロミは、リビアはどう振る舞っていたっけ?


 俺は自分の意思で道筋を決めてきた、と、思う。


 相談はしていたが。


 今、ルプリレは、以前よりも前に出て来ている。


 ぺセシュを引っこ抜いたのも、ルプリレだ。


 実はそう仕向けていた。


 俺に判断させるつもりが無さそうだ。


 今までは、後ろに下がっていてもよかったのか?


 じゃー、今は?


 余裕無いのか?


 そうなんだろうなー。


 余裕が無いんだろう。


 ルプリレの目線は俺より上ある。


 たぶん。


 今まではそれを感じさせないように振る舞ってきた筈だ。


 どういうことだ?


 何が見えている?


 どういう事態なんだ?


 実は危機的状況なんじゃ無いか?


『トウェルブ』と『トパーズ』の仲が悪い話は重要だが、先に話しておきたい。


 アルコルを見る。


 目を逸らさない。


 ジャドを見る。


 目を逸らさない。


 ぺセシュを見る。


 気付いていない。


 ルプリレは?


 ビックリしてんじゃねー。


 アルコルもジャドも気付いているぞ。


 解らなかったのはぺセシュだけだ。


 言いたく無くても、説明して貰う。


 なんだ?


 何が見えている?



 レイセ:「ルプリレ、話は中断だ」


 ルプリレ:「はー、もー、仕方ないですね」


 ぺセシュ:「なんだ?」

 ぺセシュ:「別の話か?」


 レイセ:「ルプリレ、問題は何だ?」


 ルプリレ:「その前にぺセシュに説明してあげて」


 レイセ:「今回からぺセシュが引率側になった」


 ぺセシュ:「そうだな」

 ぺセシュ:「問題あるのか?」


 アルコル:「お前はルプリレに引き抜かれた」


 ジャド:「僕にもそう見えました」


 ぺセシュ:「もしそうだったとして、何か問題が?」

 ぺセシュ:「私は納得しているぞ」


 レイセ:「違う」

 レイセ:「お前の問題じゃない」

 レイセ:「引率役に不足が有るらしい」

 レイセ:「ルプリレは編成を変えたがっている」


 ぺセシュ:「…………、なるほど」


 ルプリレ:「レイセ、貴方の勘は?」


 レイセ:「大迷宮の情報を『狂奔』より持っていそうだ」


 ルプリレ:「断定してみて」


 レイセ:「ルプリレ、いや、プロミは大迷宮を六百階層より下まで攻略している」


 ルプリレ:「そうね」


 レイセ:「プロミの年齢は、俺の想定より上だ」


 ルプリレ:「たぶんね」


 レイセ:「お前、魔物の王の配下に避けられていたんだったな」


 ルプリレ:「フェニックスが使えなくなる時期を狙われてきたわね」


 ジャド:「その情報は知りませんでした」


 アルコル:「魔物の王と敵対している、と聞いていた」

 アルコル:「そうだな」

 アルコル:「長期間の敵対など、出来る筈がなかったな」

 アルコル:「そんな事が可能なら、俺より実力が上になる」


 ルプリレ:「私は騙して無いでしょ?」

 ルプリレ:「黙っていただけ」


 レイセ:「まだ何か有りそうだけど、見逃してやる」

 レイセ:「言いたくなったら言えよ?」


 ルプリレ:「今回も別に言いたくなかったけど?」


 レイセ:「嘘付け」

 レイセ:「理由が有って気付かせようとしただろ」


 ルプリレ:「気の所為よ」


 レイセ:「お前、ちょっとハグさせろ」


 ルプリレ:「バカですねー」


 俺は隣に座るルプリレをハグした。


 嫌がっていない。


 ハグして欲しかったんじゃねーか。


 かわいいやつ。


 もー。


 怒れないな。


 俺はハグを止めた。


 ルプリレは残念そう。


 言葉と態度が真逆だぞ。


 かわいいはそこまでにしとけ。


 真面目な話が出来ないだろ。


 レイセ:「大迷宮の様子が変か?」


 ルプリレ:「ええ」

 ルプリレ:「私達が入ると変化するみたい」

 ルプリレ:「以前と難易度が違い過ぎる」


 レイセ:「対処法を思いついているか?」


 ルプリレ:「ダメ」

 ルプリレ:「貴方が考えて」


 レイセ:「アルコル、俺が決めていいか?」


 アルコル:「いい」

 アルコル:「たぶん同じ事を考えている」


 レイセ:「城の前まで到達するには、もう一人引率が必要だ」


 ルプリレ:「それは誰?」


 レイセ:「ジークだろ」

 レイセ:「敵の大技を防げる盾役が必要だ」

 レイセ:「盾にはアリシアになって貰う」


 ルプリレ:「言葉が足りていない」


 レイセ:「恐らくアカシックレコードに繋がれなきゃ防げない」

 レイセ:「ジークに本気を出させなきゃな」


 アルコル:「ジャド、お前もアタッカーで本気が必要だ」


 ジャド:「アカシックレコードはキツイ」


 アルコル:「俺も挑戦する」

 アルコル:「レイセ、俺にイメージを流し込め」

 アルコル:「手加減無しでだ」


 ジャド:「僕にもお願いします」


 ぺセシュ:「私は、どうなんだ?」

 ぺセシュ:「イメージの流し込み必要か?」


 ルプリレ:「自分で考えて」


 ぺセシュ:「くそう、私も頼む」


 俺は三人にイメージを流し込んだ。


 いつもより遠慮が無かったかもな。


 アルコル:「ふっ、お前頭おかしいな」

 アルコル:「普段の、日常と、この感覚が地続きなんだろう?」

 アルコル:「イカれている」


 ジャド:「同感」

 ジャド:「意識が吹っ飛びそうだ」


 ぺセシュ:「息が苦しい」

 ぺセシュ:「私はしばらく話せそうにない」


 レイセ:「大げさだぞ」


 ルプリレ:「貴方、抱きしめて」


 レイセ:「惚れ直すタイミングがしっくりこない」


 俺はルプリレを抱き締めた。


 今日はこのまま終わりにしたい。


 無理なんかね?


 まー、無理か。


 しょうがねーなー。


 ジャド:「見せつけないでください」

 ジャド:「あと、ジークさんとアリシアさんを呼んでください」

 ジャド:「必要なんでしょ?」

 ジャド:「異論はありません」


 レイセ:「わかった」

 レイセ:「二人共、今日はオフだ」

 レイセ:「呼び出す」


 俺は二人を執務室に呼び出した。




 打ち合わせは中断になった。


 二人が来るまで時間が有る。


 昼食を済ませよう。


 執務室まで昼食を運ばせた。


 昼食はスパゲティーだった。


 スパゲティーミートソース。


 ペペロンチーノとか、カルボナーラも旨い。


 でも俺はミートソースが好きだ。


 王道って感じがする。


 俺は王だからな。


 王道を行く。


 たっぷり粉チーズを降り掛けて食べた。


 はー。


 何回食べても旨い。


 やっぱ王道はこれだわ。


 ナポリタンとかも旨いけどな。


 俺が指示して作らせた。


 不味い訳は無い。


 ジークとアリシアも昼食に間に合った。


 二人は似たカラーリングの服を着ていた。


 ペアルックかもな。


 二人の仲が進展していて俺は嬉しい。


 私服で来る時間しか無かったんだろうなー。


 ルプリレは昼食にワインを頼んでいた。


 俺はハイボール。


 アルコルはビール。


 ジャドはカクテル。


 ジークとアリシアはびっくりしていた。


 そうよな。


 俺達が仕事中に飲むって、無いわなー。


 昼食は黙々と食べた。




 昼食が終わり、執務室。


 ジークとアリシアが緊張している。


 呼ばれた意味がわからないらしい。


 そういえば、説明がまだだった。


 俺は説明した。


 そして、二人にイメージを流し込んだ。


 アリシアは吐いていた。


 ジークは耐えた。


 ジークは俺に理不尽さを感じているらしい。


 アリシアがショックを受けたのが気に入らないらしい。


 まあ、そうだろうな。


 俺ははぐらかせた。


 適当に言って時間を稼ぐ。


 意識が追い付いていないだけだ。


 問題ない。


 そう判断した。


 そろそろ本題に移る。


『トウェルブ』と『トパーズ』の仲が悪いんだっけ?


 そこ事の対処法を聞いてみた。


 ぺセシュ:「役割をしっかり守るなら、仲が悪くても問題ないだろ」


 確かに。


 そこに必要なのは役割分担の明確さと相互理解だわ。


 それさえあれば、仲が悪くても成立する。


 その上でぺセシュは面白い事を言った。


 思った事を我慢させているからストレスが溜まるらしい。


 極論だが、暴言もアリらしい。


 それで潰れる様な奴はいない、とのこと。


 そうかもな。




 次の攻略は四百階層。


 節目だ。


 厳しい戦いになる。


 だが、問題は無い。


 突き進むだけになった。




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