12話 大迷宮攻略4



 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 ベル:聖国クリアの守護者の纏め役。

    黒沼直樹。

    ランと結婚。

 ラン:聖国クリアの守護者。

    ベルと結婚。

 ダズ:聖国クリアの代表代理。

    クリアの元上司。

    アリアに結婚を申し込んだが、保留にされている。

 タロスト:聖国クリアの守護者。

 アル:聖国クリアの守護者。

    クリアと飲み友達。

 カー:聖国クリアの守護者。

    両腕が義手で出来ている。

    姿が子供。

 ダリドベ:武闘国家メロイリスの守護者長。

      クラウシアが好き。

 ファニル:武闘国家メロイリスの守護者。

      ボケの方。

 キニダゼ:武闘国家メロイリスの守護者。

      ツッコミの方。

 レートル:武闘国家メロイリスの守護者。

      体操好き。

 ニーナ:黒戸美月。

     『フィナリスラーウム』所属。

 アリア:篠宮美弥子。

     『フィナリスラーウム』所属。




(レイセ視点です。)


 鍋は旨かった。


 アルコールは控えめだったが、リラックス出来た。


 この五年で、みんな驚くほど成長した。


 今は訓練の最終段階だ。


 普段の訓練に比べて、緊張感が出過ぎていた。


 気合が入るとどうしてもそうなる。


 実は俺も少し緊張していた。


 俺が平常心を保てるのは、ルプリレのおかげだ。


 どうしても彼女を頼りにしてしまう。


 以前、幻覚を見せられた時も、彼女を助けなきゃと思えたら復活できた。


 あの経験が俺のよりどころになっている。


 言い方は悪いが、彼女の為、と、大義名分があれば頑張れる。


 今みんなは、仲間の為と思って頑張っている筈だ。


 最後の瀬戸際、極まった場所付近にいる。


 俺達の実力の話だ。


 普通に訓練していて時間をかければ実力が上がっていく。


 俺達はそう言う段階にいない。


 極まった状況下の、どこか一線を越えた領域で頑張るには、心の支えも必要だ。


 アルコルとジャドの様子がおかしい時がある。


 この流れで話す事じゃ無かった。


 話しを戻す。


 心の支えって何だろうな?


 自分が死にたくない。


 それもある。


 仲間に死んでほしくない。


 それもある。


 いよいよとなった時、最後まで動けるか?


 じゃないか?


 最後の時も迷わないと決心し、その通り行動する。


 決心。


 覚悟。


 この先、戦いを続けていたら、仲間が死にかける時もあるだろ。


 俺は死を受け入れない。


 最後まで足掻き続ける。


 そう決めた。


 決心だ。


 寝袋に入ってみんな寝息を立てている。


 俺一人鼻息を荒くして決意を固めて、バカみたいだな。


 みんな、幸せになるぞ。


 俺も寝る。


 おやすみ。




 三百五十階層に到着した。


 二チームの連携は上手く行っている。


 連携には問題が無い。


 問題は地形だ。


 今回の攻略では、水に関係する地形効果が多い気がする。


 この階層、海水が腰まである。


 陸が無い。


 目指す場所は遠くの方に見えている。


 遮るものが無い。


 浅い海を進む。


 水性生物が近づいてきた。


 どうやらマーマンだ。


 前回は陸で戦ったが、今回は水の中だ。


 まずジークが壁役。


 ランを盾、ベルを武器にしている。


 もう一人の壁役はダリドベ。


 レートルが盾になっている。


 ニーナはアリアを楽器にして補助魔法。


 他、ダズ、タロスト、ファニル、俺がアタッカー。


 ダズの武器はアル。


 タロストの武器はカー。


 ファニルの武器はキニダゼ。


 俺の武器はルプリレ。


 マーマンは三又の槍を装備している。


 来たのは三体。


 この階層に来てから、どんどん気配が集まって来ている。


 どうやら水の中にいると、振動か何かで位置がわかるらしい。


 気配消しの効果が無い。


 ジークが敵二体を引き付け、ダリドベが一体引き付ける。


 ニーナの補助魔法で、身体能力が向上している。


 敵を引きつけながら進むと、詰みそうだ。


 長期戦を覚悟しながら、数を減らす事を考える。


 俺が数を減らそうとした動きで全員が察して動く。


 そうだ。


 数を減らすぞ。


 ジークがマーマンの槍を盾で防いだのに合わせて、俺はマーマンに攻撃。


 マーマンは横からの攻撃に耐えられず崩れる。


 一体目。


 ダズはタロストが引き付けた敵にとどめをさした。


 二体目。


 ファニルはマーマンが槍を引いた瞬間に合わせて突進。


 武器を短剣に切り替えて、間合いを狭め、連続攻撃で押した。


 マーマンは押し切られ、胸に短剣が突き刺さる。


 三体目。


 敵に気を取られていると、テンタクルスが二体、マーマンが二体出現。


 マーマンは通常個体じゃない。


 テンタクルスより迫力がある。


 風格は階層主。


 このフロアは一フロアだ。


 階層主が出ても不思議じゃない。


 二体のマーマンの呼称をキングマーマンとクイーンマーマンとする。


 更にマーマンが三体出現。


 敵は七体に増えた。


 遠くに見える祠は、やっぱりまだ遠い。


 特殊個体二体を倒したら終わりだと助かるなー。


 マーマンがついに攻撃してきた。


 通常個体だ。


 キングマーマンが注視を使う。


 クイーンマーマンは距離を取っている。


 マーマン三体の攻撃をジークが防御。


 テンタクルス二体の攻撃をダリドベが防御。


 テンタクルスから片付ける。


 俺はテンタクルスに向かって移動。


 海水が動き辛い。


 結界に乗って移動だ。


 俺は大剣でテンタクルスを両断した。


 そのタイミングで異様な気配を感じた。


 気配だけだ。


 俺には影響がない。


 だが、ダズとファニルには影響があったみたいだ。


 キングマーマンに引き付けられる力が増したらしい。


 自由に動けるのは俺だけみたいだ。


 俺はもう一体のテンタクルスに向かう。


 その場を離れようとした瞬間後ろから気配が。


 とっさに結界を展開。


 テンタクルスからの攻撃を防御。


 さっき倒したテンタクルスが復活していた。


 クイーンマーマンから光の筋がテンタクルスに繋がっている。


 クイーンマーマンは回復役か?


 キングマーマンは壁役。


 何故かキングマーマンの注視が俺に効いて無いが、それでも脅威は変わらない。


 クイーンマーマンは自分の前にテンタクルス二体を呼び寄せた。


 マーマン三体はジークとダリドベが引き付けている。


 ダズとファニルはキングマーマンに釘付けだ。


 そして、クイーンマーマンの回復はマーマンにも伸びている。


 キングマーマンには伸びていないようだ。


 キングマーマンをどうにかしないと、事態が好転しない。


 ダズとファニルに掛かっている。


 キングマーマンが右手を上にあげた。


 海面がうねる。


 ぐわん。


 くわん。


 津波が出現した。


 同時に海面が上昇する。


 足がつかない水位になった。


 俺もキングマーマンに加勢に行くか?


 ダメだ。


 敵を引き連れて行く事になる。


 俺の相手はテンタクルス二体だ。


 ダズは瞬間移動でキングマーマンの斜め前に移動。


 槍で切り上げる。


 タイミングを合わせて、ファニルが薙刀で振り下ろし。


 キングマーマンは泳いで躱した。


 ダズとファニルは呼吸のために海面に顔を出す。


 明らかに隙だ。


 だがどうしようもない。


 キングマーマンは双剣で二人を攻撃。


 二人は瞬間移動でキングマーマンの左右に出た。


 ダズは槍での突き。


 ファニルは弓で射抜く。


 どちらも光の攻撃だ。


 通常の攻撃だと水の中なせいで威力が半減する。


 キングマーマンは槍の攻撃を片手剣で弾き、盾で矢を弾く。


 そのまま盾を前にダズに突進。


 水の中だと動きが素早い。


 ダズは片手剣の攻撃を片手剣で捌く。


 ダズは残った片手で斧をキングマーマンの盾に振り下ろした。


 この攻撃が効いたみたいだ。


 非情に苦しい展開だったが、活路が見えた瞬間だ。


 俺の目にも解った。


 武器の性能が違う。


 キングマーマンの盾に罅が入った。


 キングマーマンの武器は俺達のそれより脆い。


 ダズは両手斧を振り回し、キングマーマンの盾を粉砕した。


 ファニルは矢での援護。


 キングマーマンは全身に矢を浴び、斧に切り裂かれた。


 キングマーマンは倒れた。


 その間、俺はテンタクルスの攻撃を捌いていた。


 ジークとダリドベもマーマンの攻撃を捌いていた。


 捌くだけだ。


 攻撃が通っても、回復がすぐに飛んでくる。


 致命傷も意味を成さない。


 キングマーマンにだけ回復が飛んでいない。


 制約があるのかと思ったが違った。


 キングマーマンが倒れた途端、回復が飛ぶ。


 キングマーマンは回復した。


 振り出しだ。


 攻めるべきは、キングではなくクイーンの方だった。


 俺はニーナを見た。


 彼女は頷いた。


 彼女は歌を歌う。


 クイーンの右手が弾けた。


 左手も弾けた。


 クイーンが手に持っていたタクトが回復の起点だった。


 回復が途切れた。


 全員で一斉に敵に攻撃。


 全員が致命傷を与える。


 ニーナがクイーンに短剣を突き刺した時、敵は全て倒れていた。


 勝った?


 どうだ?


 増援は?


 引き上げて行く。


 やはり階層主だったらしい。


 祠に着いたら、しばらく休憩した後、引き上げる。


 今回の訓練は終了だ。


 成果は上々。


 気分も上々だ。


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