11話 大迷宮攻略3



 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 ベル:聖国クリアの守護者の纏め役。

    黒沼直樹。

    ランと結婚。

 ラン:聖国クリアの守護者。

    ベルと結婚。

 ダズ:聖国クリアの代表代理。

    クリアの元上司。

    アリアに結婚を申し込んだが、保留にされている。

 タロスト:聖国クリアの守護者。

 アル:聖国クリアの守護者。

    クリアと飲み友達。

 カー:聖国クリアの守護者。

    両腕が義手で出来ている。

    姿が子供。

 ダリドベ:武闘国家メロイリスの守護者長。

      クラウシアが好き。

 ファニル:武闘国家メロイリスの守護者。

      ボケの方。

 キニダゼ:武闘国家メロイリスの守護者。

      ツッコミの方。

 レートル:武闘国家メロイリスの守護者。

      体操好き。

 ニーナ:黒戸美月。

     『フィナリスラーウム』所属。

 アリア:篠宮美弥子。

     『フィナリスラーウム』所属。




(レイセ視点です。)


 海岸の右側が海。


 左側が崖。


 どうあっても、海岸を通らせたいらしい。


 右の海から気配が近づいて来る。


 崖方向から敵の気配は無い。


 そういう意味では良心的か?


 魚人。


 マーマンだ。


 次々と海岸に上がって来る。


 ダリドベとニーナが壁役。


 ファニルがアタッカー。


 ダリドベの武器がレートル。


 ファニルの武器がキニダゼ。


 ニーナの武器がアリア。


 俺もアタッカーで、武器がルプリレだ。


 マーマンに連携の概念は無い。


 それぞれがアタッカーとして攻撃してくる。


 通常のダンジョンのエレメント人に近い動きだ。


 ダリドベとニーナが注視を使い、敵を引き付ける。


 俺とファニルが敵を殲滅。


 調子よく事が進んで行く。


 マーマンが片付いて行く。


 目的地もおおよその見当が付いた。


 このまま海岸線を進めば良いだけだ。


 その先に祠があるようだ。


 敵の集まり方でなんとなくわかる。


 右側から大きな気配。


 今までのマーマンとは違う。


 気配が大きい。


 出てきたのは巨大なイカだった。


 テンタクルス。


 巨体だが、動きが素早い。


 槍の突きの様な触手攻撃。


 ダリドベとニーナは盾で攻撃を受け止める。


 吸盤で引っ付かれないよう、触れるのは一瞬だ。


 二人は注視を使い、他に攻撃が行かないようにする。


 テンタクルスの攻撃は伸びる。


 射程が長い。


 自由に動かれると厄介だ。


 テンタクルスを二人が引き付けている間に、俺とファニルで攻撃する。


 二人が注意を引き付けているが、残った触手で防御してくる。


 攻撃出来ても、表皮がゴムの様になっていて、刃が上手く通らない。


 それでも、何度も攻撃し、触手を落とす。


 触手を無くし、手薄になった防御の隙間から、本体を攻撃する。


 攻撃を続けていたらテンタクルスは動かなくなった。


 軟体生物はこちらの攻撃に対する反応が他の生き物と違う。


 攻撃の効き目がわかり辛かったが、なんとか倒した様だ。


 他に敵は見当たらない。


 しばらくは敵から攻撃を受けない。


 皆は武器化を解き、海岸を移動する。


 歩きにくいから、少し浮かせて結界を出して、その上を走る。


 移動中、皆は無言だ。


 意外と余裕が無い。


 遅れているって事実が影響しているのか?


 俺は休憩を提案した。


 皆はしぶしぶと言った感じ。


 責任感が強いのは良いが、このままだと全滅するかもだぞ。


 遅れるより、死ぬ方がずっと悪い。


 よし、なんか食べよう。


 レイセ:「休憩だ」

 レイセ:「お前ら、緊張感が暴走している」

 レイセ:「リラックスしろ」


 ダリドベ:「緊張感、ですか?」

 ダリドベ:「いつも通りでは?」


 ルプリレ:「そう?」

 ルプリレ:「普段はもう少し和やかな感じって気がしますけど?」


 ファニル:「ダリドベさんは鈍感だからなー」


 キニダゼ:「お前も気付いてなかっただろ」


 ニーナ:「なんか食べたい」


 アリア:「そのつもりですよね?」


 ルプリレ:「です」


 レイセ:「今用意するから、ちょっと待ってね」


 ニーナ:「はーい」


 俺はピロシキを出した。


 ここはすぐ敵が出る場所だ。


 簡単に食べられる物じゃ無いとな。


 調理は省く。


 出来上がった物を空間に用意して来た。


 俺が指示して用意させたんだ、美味いに決まっている。


 皆はピロシキにかぶりつく。


 レートルも体操を止めて食べていた。


 相変わらずの笑顔だ。


 ファニル:「うまい」


 キニダゼ:「だな」


 ダリドベ:「味に集中してわかりました」

 ダリドベ:「気が張っていたようです」

 ダリドベ:「自覚が出来ました」


 ニーナ:「まあまあね」


 アリア:「いつもは絶賛なのに」


 レイセ:「今回俺は自分で作っていない」

 レイセ:「ルプリレに指示した」


 ルプリレ:「レイセの指示で、聖都の人気店に発注したの」


 ニーナ:「なにそれ、反則」

 ニーナ:「美味しい気がしてきた」


 アリア:「レイセさんの味付けじゃないってわかったんだ」

 アリア:「へー」


 ニーナ:「どうでもいい」


 ルプリレ:「ほんとにー?」


 ニーナ:「ほんとだって」


 レイセ:「お前、味付けの違いわからなかったのか?」

 レイセ:「味覚大丈夫か?」


 ニーナ:「殺す」


 しばらく休憩した後、三百二十九階層まで攻略した。


 メロイリスの攻略は順調に進み、遅れを取り戻した。


 三百二十九階層から三百三十階層へ続く祠で、聖国クリアチームと合流した。


 チーム同士の訓練を五年行った。


 この組み合わせも慣れたものだ。


 だが、訓練結果を調べるのは今回が初めてだ。


 三百階層台は十階層ごとに階層主がいる。


 三百五十階層の階層主を無事に倒せるかが問題だ。


『狂奔』からは情報を貰っていない。


 借りを作り過ぎると後が怖いからな。


 すでにかなり借りがある。


 合流した祠は広かった。


 時刻は真夜中だ。


 皆は興奮して眠れないだろう。


 日中体を動かしすぎた。


 なんども強調して悪いが、リラックスが大事だ。


 どいつもこいつも緊張していたり、興奮していたり、リラックス出来ていない。


 アドレナリンが出る事は、悪い事ばかりじゃ無いがな。


 その場限りの、突発的な強さを出されると、試験にならないんだよ。


 明日は朝から攻略、って思っていたが、予定変更だ。


 昼からにする。


 今夜は飲み会だ。


 アルコール控えめのやつな。


 今回の訓練の山場を前に、みんなでなんか食べるか。


 レイセ:「みんな、もう真夜中だが、今からみんなで食事する」

 レイセ:「俺が何か作るわ」


 ルプリレ:「予定変更?」


 レイセ:「ああ、明日は昼からにする」


 ルプリレ:「理由は?」


 レイセ:「緊張感が出てしまってるからな」

 レイセ:「その対策だ」


 ルプリレ:「まあ、緊張感出てるかもね」

 ルプリレ:「大迷宮の初めての階層だし」


 ダズ:「普通は緊張するだろ」

 ダズ:「お前らが余裕あるのが違和感だぞ」


 ベル:「その二人を特別視するの、なんか嫌だなー」


 カー:「実際、実力の差ってどのくらいなんだろうね?」


 ダリドベ:「この五年でかなり追いついたと自負していますが」


 ファニル:「勝ててるとは言わないんですね」


 キニダゼ:「そこが良い所なんだよ」

 キニダゼ:「お前は口出すなよ」


 アル:「実際勝てねーしな」

 アル:「それは仕方ないだろ」


 ダリドベ:「ですよね」

 ダリドベ:「ファニル無理言わないでください」


 キニダゼ:「怒られよった」


 ファニル:「すいません」


 ニーナ:「謝るんだ」


 アリア:「始めて見たわ」


 ラン:「ダリドベさんが怒らないからね」


 タロスト:「……、優しいからな」


 ジーク:「それはみんな思ってます」


 レートル:「そうですね」


 ダズ:「!!」


 レイセ:「どうした?」


 ダズ:「レートルの声を始めて聞いた」


 ベル:「意外と話しますよね」


 ダリドベ:「ですね」


 アル:「実は俺も初めて聞いた」


 レートル:「ふふ」


 ファニル:「俺達とは話すのにな」


 キニダゼ:「聞いてる方が楽しい、らしいです」


 レートル:「です」


 レイセ:「じゃー、レートル」

 レイセ:「食べたい物は?」


 レートル:「おでん」


 レイセ:「それこの前やったわ」

 レイセ:「他のは?」


 レートル:「なら、鍋はどうです?」


 レイセ:「日本ので良いか?」

 レイセ:「日本のなら用意できる」


 ニーナ:「何鍋なの?」


 アリア:「好みが分かれるわよね」


 ルプリレ:「水炊きが良い」


 レイセ:「豆乳鍋とか、キムチ鍋とかの用意が無い」

 レイセ:「タレがあるから、水炊きだ」


 ルプリレ:「お前の意見採用、って言えば良いのに」


 ラン:「なんで仕方ない感じ出したの?」


 レイセ:「うるさい」

 レイセ:「事実だからだ」

 レイセ:「他に希望言われても困るしな」


 ダズ:「俺ポン酢派」


 ベル:「知ってます」

 ベル:「僕もです」

 ベル:「宣言する必要無いでしょ」


 ジーク:「てか、ゴマタレなのレイセさんだけでしたよね?」


 レイセ:「そうだったな」

 レイセ:「お前らの為に俺が大根おろし用意しといたわ」

 レイセ:「刻みネギも」


 ニーナ:「偶にはゴマで食べようかな?」


 ルプリレ:「えー!?」


 レイセ:「えー!? じゃない」

 レイセ:「ゴマだって美味しいだろ」


 アリア:「えー!?」


 レイセ:「マネしたのか?」

 レイセ:「なんか腹立つ」


 ラン:「えー!?」

 ラン:「って被せていいの?」


 アル:「躊躇したら負けだ」


 タロスト:「勝ちとか、負けとか、好きだな」


 アル:「いいだろ、別に」


 ダリドベ:「えー!?」


 ファニル:「使うタイミングが」


 キニダゼ:「合ってる、合ってる」


 ダズ:「早く食べたい」


 うるせー。


 手伝え。


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