10話 大迷宮攻略2

 レイセ:黒戸零維世。

     レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

 ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。

 リビア:リビア・クロト。

     聖国クリアの元代表。

     レイセと結婚している。

 プロミ:プロミネンス。

     ルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     現人神。

     レイセと結婚している。

 ジャド:『マギ』のエース。

     キシに次期纏め役に推されている。

     三番目の真理への到達者。

 アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。

      『能力』が使える。

      『リーベラティーオー』のリーダー。

 ジーク:聖国クリアの守護者。

     クレラメイと融合。

     真理への到達者。

 ベル:聖国クリアの守護者の纏め役。

    黒沼直樹。

    ランと結婚。

 ラン:聖国クリアの守護者。

    ベルと結婚。

 ダズ:聖国クリアの代表代理。

    クリアの元上司。

    アリアに結婚を申し込んだが、保留にされている。

 タロスト:聖国クリアの守護者。

      寡黙。

 アル:聖国クリアの守護者。

    クリアと飲み友達。

 カー:聖国クリアの守護者。

    両腕が義手で出来ている。

    姿が子供。

 ダリドベ:武闘国家メロイリスの守護者長。

      クラウシアが好き。

 ファニル:武闘国家メロイリスの守護者。

      ボケの方。

 キニダゼ:武闘国家メロイリスの守護者。

      ツッコミの方。

 レートル:武闘国家メロイリスの守護者。

      体操好き。

 ニーナ:黒戸美月。

     『フィナリスラーウム』所属。

 アリア:篠宮美弥子。

     『フィナリスラーウム』所属。





(レイセ視点です。)


 今回の攻略では、俺とルプリレは監督役だ。


 主戦力として戦うつもりは無い。


 だが現実は理想とは程遠い。



 現在の階層は、三百五階層。


 聖国クリアのメンバーと同行。


 少し遅れて、武闘国家メロイリスチームが追いかけてきている。


 三百三十階層で合流予定だ。


 今日の夜中頃に合流する。


 夜中と言っても、外が暗いとは限らない。


 二チームとも時刻を合わせた時計で動いている。


 三百階層から魔物の強さが跳ね上がった。


 合同訓練を始めて五年経ったが、三百階層に挑むのは初だ。


 今日はこのまま三百三十階層まで行き、武闘国家メロイリスと合流。


 一晩休んで、三百四十階層を目指す。


 三百五十階層まで攻略した後、帰還する。



 実力的には攻略可能な筈なんだが、上手く行っていない。


 連携が上手く回らず、俺が一人で巨大アリを食い止めている。


 巨大アリは今十二体近寄ってきている。


 迎え撃つ地形も悪い。


 坂を見上げる様に迎撃している。


 後ろを取られたら終わりだ。


 ルプリレも武器化を解いて、俺に加勢し出した。


 レイセ:「ジーク、ベル、ラン、盾役を!」


 ジーク:「ハァ、ハァ」

 ジーク:「わかりましたー!」


 ベル:「クッ」

 ベル:「ペースがおかしい」

 ベル:「追いつかない」


 ラン:「わかってるんだけどー」


 ルプリレ:「口よりまず手を動かす!」

 ルプリレ:「気合が足りません」


 ラン:「厳しいー」


 ダズ:「俺達も急ぐぞ!」


 タロスト:「……、承知」


 ベル、ジーク、ラン、俺、それぞれが三体づつ引き付ける。


 ルプリレは武器化した。


 ダズとタロストが片付けに動く。


 俺は目の前の巨大アリを自分で始末する。


 巨大アリが口から吐いた酸を結界で防御する。


 結界がシュウシュウと煙を揚げながら溶けて行く。


 これを喰らうと即死だろう。


 右にいるアリの噛み付きを躱し、左のアリのかぎ爪を剣で上に弾く。


 中央のアリの腹に蹴りを入れて後ろに押し返す。


 アリは硬い。


 普通の攻撃は弾かれてしまう。


 剣を鞘事カタナに変え、抜刀。


 居合で中央のアリの頭を落とした。


 関節を狙えば辛うじて切断可能だ。


 カタナを大剣に変え、左のアリを剣でぶん殴る。


 左側のアリは後退。


 右側のアリの首の付け根にナイフを差し込む。


 差し込んだと同時に左のアリから反撃。


 右のアリが頭無しでじたばたしている。


 左のアリの攻撃は躱せなかった。


 俺は、水。


 俺は、風。


 俺は、砂。


 俺は、炎。


 存在感へのダメージを最小限に留め、攻撃を受け流した。


 アリの首に鎌をひっかけて、引き抜いた。


 アリの体液が垂れる。


 こっちは片付いた。


 皆はどうか?


 魔物九体を平地に誘導し、六体倒したらしい。


 そうだな。


 地形が悪かった。


 このまま敵が出続けたら詰んでいた。


 有利な地形に誘い込む事が重要だ。


 訓練で優先した事が実践できている。


 調子が出てきたか?


 また少し様子を見る。


 ランが武器化して盾に。


 アリの攻撃をベルがランで出来た盾で防ぐ。


 ジークは補助魔法に専念。


 敵三体をベルが捌く。


 ダズはアリの一体を攻撃。


 タロストは中距離から弓でアリの牽制。


 ダズのナイフがアリの頭を落とす。


 ダズは続けざま、隣のアリに攻撃。


 ダズは右のナイフを躱される。


 躊躇せず左で攻撃。


 アリの右かぎ爪で左に弾かれる。


 ダズは右のナイフでアリの左かぎ爪を切り落とした。


 流れる様に左のナイフで右のかぎ爪を切断。


 がら空きになった首を右のナイフで払った。


 首が落ちる。


 ダズ:「ふぅーー」


 レイセ:「休むな!」


 ダズ:「クソッ」


 ダズが次の敵に向かおうとしたタイミングで、上空から風魔法が飛んで来た。


 ダズはバックステップ。


 ベルは武器に成ったジークを装備し、ジークで出来たハンマーでアリの顔を強打。


 地面に寝転がったアリの頭を再度叩き、頭を平らにした。


 上空から攻撃を仕掛けてきたのは、鴉だ。


 三羽。


 まだ距離がある。


 俺達は目的地に見当が付いている。


 魔物が固まっている場所が怪しい。


 東の一角に魔物が集中している。


 そこに向かっている。


 この場に留まると、永延と魔物を相手し続けないといけない。


 警戒しながら、目的地に向かう。


 鴉が猛スピードで急接近。


 嘴での攻撃だ。


 ベルが前に出て、ランで出来た盾を構える。


 ベルは左に盾を持ち、右で短槍を装備。


 急接近して来た鴉の攻撃を防ぎ、同時に槍を突き入れる。


 鴉は絶命。


 残りの二体は逃げて行った。


 近寄って来そうな敵はいない。


 レイセ:「みんな、一息つこう」


 ベル:「やっとですね」


 ダズ:「流石に疲れるな」


 タロストは座り込んでお茶を飲んでいる。


 ジーク、ラン、ルプリレ、アル、カーも武器化を解いた。


 アル:「次はタロストが武器役な?」


 タロスト:「了解」


 カー:「それにしても、目的地の魔物の集まり方は異常だね」


 ルプリレ:「確かに」


 レイセ:「大迷宮の三百台の階層は経験が無いんだ」

 レイセ:「『狂奔』からも情報を貰っていないし」


 カー:「わかってる」

 カー:「突っ込むしか無いんでしょ?」

 カー:「良い訓練になるな」

 カー:「死ななきゃね」


 ダズ:「ああ、死ななきゃな」


 ベル:「食事しておきましょう」


 ラン:「そうだね」


 俺達は携帯食を取り出して食べた。


 十分程度休憩した後、皆装備を点検し出す。


 ジーク:「行きますか?」


 皆が頷く。



 祠らしき建物の周りにいた数多くの魔物を押しのけて建物の中に入った。


 いつもの転送装置だ。


 三百三十階層で合流だが、俺とルプリレは先に武闘国家メロイリスチームと合流する。


 三百二十階層の祠の前まで来たところで、別行動に出る。


 俺とルプリレはこの場に留まる。



 二時間後。


 メロイリスチームが到着した。


 ダリドベ:「お待たせしました」


 レイセ:「お疲れ」


 ファニル:「ああー、やっと着いたー」

 ファニル:「休めるー」


 キニダゼ:「合流地点は三百三十階層だ」

 キニダゼ:「ここは三百二十階層」

 キニダゼ:「まだ休まないからな」


 ダリドベ:「進めば進むほど難易度が上がって来ています」

 ダリドベ:「計画通りに進みそうですか?」


 ニーナ:「今日中ってのは無理があるのでは?」


 アリア:「私もそう思う」


 ルプリレ:「このチームちょっと遅れてるかも」


 レートルは体操している。


 相変わらずだ。


 ダリドベ:「ええ?」

 ダリドベ:「遅れてるですって?」

 ダリドベ:「ショックです」


 ファニル:「かなり頑張ったつもりでしたが」


 キニダゼ:「どのくらい待ったんですか?」


 ルプリレ:「二時間です」


 キニダゼ:「一時間ズラしてのスタートだったから、一時間の遅れか」


 ニーナ:「気にするようなズレかな?」


 アリア:「あと十階層でもっと差が出そう」


 ニーナ:「ああ、そうか、そうだった」


 ルプリレ:「私達は戦力に入れないでね?」


 ニーナ:「はー、どうしようー?」

 ニーナ:「音魔法で瞬殺はダメなの?」

 

 ルプリレ:「今回はダメ」

 ルプリレ:「訓練にならないから」


 アリア:「頑張るしかないわね」


 このチームは人数が少ない。


 ダリドベが壁役で、ファニルがアタッカー。


 レートルとキニダゼが武器役。


 まだチームワークの中に、ニーナとアリアが馴染めていない。


 その為、ニーナが楽器に成って、アリアが演奏している。


 女性二人は支援魔法に徹している。


 やはり、合流して、二チームで訓練する方が安定しそうだ。


 遅れている理由は明白だ。


 敵の数が多い。


 まずタンクが一人では捌き切れない。


 合流するまで一旦支援魔法を中止してもらう。


 ニーナも壁役。


 アリアは武器役。


 皆解っているけど、訓練の成果を試しているから変更できなかったらしい。


 俺が変更の許可を出した。


 あと、俺もアタッカーで参加する。


 そうすりゃ追いつくだろ。


 休んでいる暇は無い。


 次に進まないといけない。


 次は三百二十一階層だ。


 祠の中の転送装置を抜けた先は海岸だった。


 右側に海。


 左側に岩壁。


 ゴロゴロとした岩が並んだ海岸が、真っ直ぐ続いている。


 めちゃくちゃ歩きにくい。


 海の魔物とか出そうだ。


 水性生物との戦闘経験が、魔物の王との戦闘に活きるのか?


 愚痴っても仕方ないか。


 やってやる。


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