7話 本能が納得した
レイセ:黒戸零維世。
レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。
連合国クロトと聖国クリアの王。
ルプリレ:プロミとリビアと女性の元管理者が融合した存在。
リビア:リビア・クロト。
聖国クリアの元代表。
レイセと結婚している。
プロミ:プロミネンス。
ルビー・アグノス。
黒崎鏡華。
月と太陽の国アウグストラの女王。
現人神。
レイセと結婚している。
ジャド:『マギ』のエース。
キシに次期纏め役に推されている。
三番目の真理への到達者。
アルコル:黒巣壱白の分裂した姿。
『能力』が使える。
『リーベラティーオー』のリーダー。
(ジャド視点です)
膝の震えは止まらない。
実感の無かった事実に、感覚が追い付いてきたんだろう。
根源に繋り続けるとは、あの大きさから目を逸らさないという事だ。
僕は根源に触れた時、一瞬で悟った。
あまりの情報量に発狂すると。
発狂を意識してしまってそれからは繋がれない。
はじめの一回だけだ。
繋がり続ける?
そんな事があり得ると考えもしなかった。
あり得るのか?
いや。
あり得ると感覚で解ってしまったから膝が震えているんだ。
レイセさんに可能性を感じたんだ。
本能が納得した。
あり得る。
アルコル:「どんな可能性を持っていようと、使いこなせなければ意味が無い」
ルプリレ:「それはそうね」
アルコル:「管理者の力の源も根源にある」
アルコル:「レイセが特殊なのは認めるが、特に意味はない」
ジャド:「本当に?」
ジャド:「意味は無い?」
アルコル:「俺達の役割は、意味を持たせない事かもな」
ジャド:「?」
レイセ:「俺にも意味がわからないぞ」
ルプリレ:「敵対は魔物の王を倒してからでしょ?」
アルコル:「そうだった」
レイセ:「管理者に選ばれた後の話か?」
アルコル:「説明を拒否する」
レイセ:「お前が言い出したんだろが」
アルコル:「うるさい」
アルコル:「ジャド、落ち着いたか?」
ジャド:「慣れてきました」
ジャド:「びっくりしただけみたいです」
ジャド:「震えも止まっています」
アルコル:「次は俺達か」
レイセ:「誤魔化されといてやる」
レイセ:「追求しても意味が無さそうだ」
ルプリレ:「さっさと始めましょう」
(レイセ視点です)
アルコルとルプリレ。
ルプリレとジャドの試合は終わった。
アルコルとルプリレは引き分け。
ルプリレとジャドは、ルプリレの勝ち。
アルコルとジャドは身体能力が同じ位だ。
ルプリレも同じ。
格闘戦の練度でジャドが劣る。
アルコルとルプリレでアルコルが勝てないという、意外な結果だ。
格闘が達人クラスの化け物と同じくらいとは。
伊達に長く生きていない。
レイセ:「お前強いな」
ルプリレ:「カタナを出されたら負けそう」
ルプリレ:「武器の役は貴方の方がいいかもね」
ルプリレ:「貴方じゃ折れるか」
レイセ:「何だよ、機嫌悪い?」
レイセ:「引き分けが気に入らないか?」
アルコル:「チッ」
ジャド:「気に入らないのはアルコルさんも同じらしいですね」
レイセ:「お前はどうなんだ?」
ジャド:「格闘経験の差は自覚しています」
ジャド:「そこはどうしようもない」
ルプリレ:「実力は解ったわ」
ルプリレ:「休息を取って、次はまた話し合いね」
アルコル:「いや、しばらくは全員との試合だ」
ルプリレ:「違うわ」
ルプリレ:「先に話し合いです」
ルプリレ:「目標に合わせて計画を立てるの」
ルプリレ:「今からでも出来ます」
アルコル:「出来なくは無いが、無駄が出ないか?」
ルプリレ:「目標に合わせて試合すれば済むでしょ」
アルコル:「むう、確かに」
レイセ:「アルコルが言い負けるとは」
ジャド:「初めて見ました」
ルプリレ:「これから幾らでも見れます」
ルプリレ:「さっさと休息よ」
アルコル:「嫌になって来たな」
レイセ:「愚痴るなよ」
レイセ:「らしく無い」
ジャド:「キレないアルコルさん」
ジャド:「確かにらしく無い」
アルコル:「うるさい」
アルコル:「二日後だ」
アルコル:「じゃーな」
アルコルは瞬間移動した。
ジャド:「ちょっと待ってくださいよ」
ジャドも瞬間移動した。
レイセ:「俺達も帰るか?」
ルプリレ:「貴方、ちょっと武器に成ってみて」
レイセ:「なれるけど、折れない自信無いぞ」
ルプリレ:「頼りないやつ」
レイセ:「もっと褒めて伸ばしてくれよ」
ルプリレ:「追い込まれないと力出せないのに?」
レイセ:「ごめん」
ルプリレ:「よし」
ルプリレ:「帰ります」
俺達は家に帰った。
王の私邸だ。
二日後。
俺の執務室。
テーブルセットにて。
俺、ルプリレ、アルコル、ジャド。
四人揃っている。
レイセ:「まずは、計画の目標だったか?」
アルコル:「そうだ」
アルコル:「目標に合わせて計画を立てる」
アルコル:「そうだな?」
ルプリレ:「ええ」
ジャド:「どこまで詳細に決めるか、って事が問題ですね」
レイセ:「まーな」
レイセ:「大雑把で良いなら、魔物の王を倒す事、ってだけだからな」
ルプリレ:「訓練の目標は、魔物の王攻略の達成条件ね」
アルコル:「魔物の王の前に、誰か最低一人は辿り着かないといけない」
ジャド:「ですが、管理者が共闘を示唆してきたくらいですから、レイセさんとアルコルさんの二人は必要でしょう」
ルプリレ:「そうね」
ルプリレ:「最低この二人は必要ね」
アルコル:「そうなる、か」
ジャド:「魔物の王の配下と魔物の大群を押しのけて、です」
レイセ:「押しのけて、な」
レイセ:「順番に倒しながらって訳には行かないか?」
ルプリレ:「集まった魔物の数を知ってるでしょ」
ルプリレ:「全部倒してから王と戦うなんて現実的に不可能ってわかりますよね?」
レイセ:「わかってる」
レイセ:「言ってみただけだ」
ルプリレ:「城に潜入できたとして、配下が何処にいるかによって状況が違ってくるわ」
アルコル:「確かに」
アルコル:「カインは遠距離攻撃特化型だ」
アルコル:「外にいて、侵入を阻む動きを取るかもな」
レイセ:「詳細は聞かないが、カインと戦ったんだな」
ルプリレ:「シェルミはいた?」
アルコル:「シェルミは結界を散弾の様に放って来る」
アルコル:「近距離型だ」
レイセ:「ギルバド、キトレル、ユノルドは復活していたか?」
アルコル:「その三人は城に潜入した時に見かけたぞ」
アルコル:「戦っていないが」
ジャド:「配下が五人だけとは限らないですね」
レイセ:「まーな」
レイセ:「ルプリレ、他に会った事あるやつはいるか?」
ルプリレ:「もう一人見かけたことがあります」
ルプリレ:「名前はケルス」
ルプリレ:「戦闘した事はないわ」
レイセ:「前に戦った処刑人も参加するか?」
ルプリレ:「可能性はあるわね」
アルコル:「その二人は、他の配下と比べて実力はどの程度なんだ?」
ジャド:「敵の仲間は七人か」
ジャド:「実力や特徴によって目標が変わりそうです」
レイセ:「情報の整理が必要だな」
以前、魔物の分類は俺の強さを基準にすると三つのグループに分かれると説明した。
実力が俺より下のやつ。
俺と同等のやつ。
俺より強いやつ。
この三つだ。
この分け方は今も変わらない。
俺の実力が以前と比べて変化した。
大体の敵の実力が俺より下になった。
同等のやつは極わずか。
実力が上のやつはもっと少ない。
この説明は必要だ。
今回、魔物の王の城に集まったのは、世界中にいる俺と同等かそれ以上のやつばかりだ。
それが万単位で集まっている。
奇襲を仕掛けて城の中にあっさり侵入するとかは無理だ。
どうあっても万の軍勢を抜けないといけない。
万の軍勢を突っ切るには、多対多の連携を行わないといけない。
こちらの人数は多い方が良い。
そして、城の中に侵入したら、敵に後ろを取られ無い様に防ぐ必要もある。
次に、七人いる配下だ。
ギルバド。
キトレル。
ユノルド。
シェルミ。
カイン。
ケルス。
処刑人。
ギルバド、キトレル、ユノルドは三人で連携する。
ギルバドが支点。
今の俺達四人よりも身体能力が高い。
カインは遠距離特化。
シェルミは近距離特化。
アルコルと戦った時はそうだったらしい。
これにルプリレは疑問を感じた。
聖国にいた時と特徴が違っている。
この二人は自らで特徴を変えられるのでは?
それがルプリレの結論だ。
カインとシェルミの特徴は保留になった。
この五人は魔物の王への忠誠心が高いらしい。
次に、ケルス。
よくしゃべる事以外何も情報が無かった。
顔を知っているのもルプリレだけだ。
処刑人。
わかっている三人より身体能力が低い。
以前の俺と同等だった。
実力が前のままなら俺達の敵じゃない。
前のままとは考え難いが。
そう、こいつは魔物じゃない。
魔物の王に味方する人間だ。
他の六人と明確にそこが違う。
カインとシェルミは魔物と同じ体質らしい。
魔物は管理者を選定するシステムの一部だ。
基本的に成長が無い、と、思う。
反対に処刑人は鍛えて来るはずだ。
出て来るかは確定じゃ無いが、俺は出て来ると思っている。
敵が取って来る行動を何パターンか考えて、それに合わせた連携を訓練する。
根本的な実力の底上げから必要だ。
話はまだ続く。
連携するグループを決める。
それにしても、カインとシェルミが魔物とは。
もう仲間に戻らないのか。
そうか。
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