第21話 スーリー



フレド:連合国クロトの守護者長の纏め役。

    神獣はサトリ。

    ピナンナと結婚している。

ダズ:聖国クリアの守護者長の纏め役。

   神獣は雷獣。

   アリアに結婚を申し込み、返事を保留されている。

アスマ:神木遊馬。

    『トウェルブ』の第二席。

ベル:聖国クリアの守護者長。

   ダズの補佐的役回り。

   黒沼直樹。

   ランと結婚している。

   魔道具開発チーム。

ファガス:黄山斗真。

     リアンナと結婚している。

     海洋国家ドバスカリを継ぐ予定。

コナル:青井友介。

    連合国クロトの指南役。

    ニーナと良い感じ。

バルド:バルド・ゼード。

    『悠久の旅人』の実質的なリーダー。

ネロ:氷上国家カハの国王。

   『ディープフォレスト』のリーダー。

   故人。

   キシが死兵として操っている。

キシ:キシ・ナトハ・ソアミ・カジャー。

   プロンシキの元英雄。

   『リーベラティーオー』の纏め役。

ジャド:『マギ』のエース。

    フェオと融合した。

    三番目の真理への到達者。

ストルム:『狂奔』のサブリーダー。

     ガラが悪い感じ。

ラドセス:『狂奔』のサブリーダー・

     広報担当。

     丁寧。

スーリー:『狂奔』のサブリーダー。

     『狂奔』全体の纏め役。

     サッパリした女性。

ダッドル:『狂奔』のサブリーダー・

     無表情。

ガリム:『狂奔』のリーダー。

    老人の管理者。




(ベル視点です。)


フレド:「ラドセスさん、つええ」


ダズ:「ああ」

ダズ:「こんなに簡単に勝負が決まるとは」


ネロ(キシ):「君ら、弱いんじゃない?」


ベル:「失礼な」


アスマ:「ファガスがあんな感じなら、俺も似た結果になってたな」


コナル:「『狂奔』は強い」

コナル:「俺は弱くない」


バルド:「わかった、わかった」


ダッドル:「認めて頂けたようですね」


スーリー:「良かったわー」

スーリー:「もう辞めにする?」


ストルム:「今日はこの後飲むだけだ」

ストルム:「最後までやれよ」


ガリム:「ワシはこの後予定が詰まっとる」

ガリム:「とっとと済ませるぞ」


スーリー:「へーへー」

スーリー:「ちょっと面倒になってきたのよ」


ベル:「嫌われたかな?」


スーリー:「”傲慢”は強いって相場が決まってるの」


ベル:「ですか?」

ベル:「嫌われてないなら、なんでも良いな」


コナル:「ファガス、起きろ」

コナル:「次が始まるぞ」


ファガス:「両腕が上がらない」

ファガス:「立ち上がれない」


コナル:「しょうがねーなー」


コナルはファガスの両脇に手を入れて立ち上がらせました。


ファガスはフラフラしています。


足にも力が入っていません。


生まれたての草食動物みたいです。


ジャド:「…………」


ネロ(キシ):「さっきのガリムに違和感、かい?」


ジャド:「そうですね」

ジャド:「精霊の反応が今までにない感じです」


ネロ(キシ):「僕は何も感じなかったね」

ネロ(キシ):「君は自分の感性を信じてね」


ジャド:「そうします」


ベル:「じゃー、始めますか?」


スーリー:「そうしましょう」


ガリム:「合図はワシがする…………」

ガリム:「始め、じゃ」


ガリムが合図した瞬間、スーリーさんは後ろに走り出しました。


距離を取りたいのでしょうか?


彼女は振り向いたと同時に槍を投擲。


ちょっと信じられない位の威力が出ています。


僕はその投擲を、同じく槍で弾きます。


僕が弾いている間にもスーリーさんは距離を広げていました。


五十メートルってところでしょうか?


その位の距離でスーリーさんは立ち止まりました。


こっちに向き直って、槍を投擲。


今度は連続で。


僕は槍で迎撃。


数分間、僕は迎撃を続けました。


スーリーさんの投擲は終わらない。


ん?


もしかして、威力が上がっています?


後手に回ったのは不味かった?


このままでは押し込まれる。


しょうがない、距離を詰めるか。


(スーリー視点です。)


なんとか攻め側に回れたわ。


”傲慢”に攻められると、押し切られる。


経験からわかってる。


地力では私に分がある。


このまま押し切る。


彼は劣勢に気づいたみたい。


でも駄目。


もう遅い。


彼は私の攻撃を弾きながら、前進してくる。


私は渦巻き状に遠ざかる。


同時に槍を投げ続ける。


私は立ち止まって、光る槍を伸ばして攻撃する。


彼は、前進し続ける。


光る槍は彼には迎撃できない筈。


どうするのか?


彼は走りながら私の投げた槍を迎撃。


光る槍の攻撃を、体を捻って避けた。


彼は止まらない。


私は彼から遠ざかりながら、風魔法を使う。


彼の方を向かないで、気配の方向に魔法を使う。


衝撃波の風は、横に長く伸びた形状だ。


その風は武器では防御出来ない。


触れると衝撃を受ける。


その風を槍の投擲と同時に行う。


彼は、衝撃波を小ジャンプで躱し、浮いたまま槍を二本迎撃。


勢いのついたまま、上体を後ろに逸らして衝撃波を躱す。


躱したと同時に上体を戻し、足を地面に着け、走り出す。


走ったまま槍を迎撃。


六本迎撃したあと、衝撃波を躱す。


右。


左。


右。


右。


左。


下。


上。


衝撃波を躱し、槍を迎撃する。


”傲慢”の特性を使い切っている。


行動と行動の間につなぎ目が無い。


起点となる姿勢も無い。


不器用ながら、最短の軌跡をなぞり続ける。


勢いが一切減衰しない。


ベルさんは相当頭の回転が速いのだろう。


処理能力が高い。


特性と、本人の意識が噛み合うと、こうなるのか。


ベルさんは光る槍を伸ばして反撃も混ぜて来た。


面白い。


ゾクゾクする。


さあ、追いつけるなら追いついて見なさい。


出来るものならね。


(ネロ(キシ)視点です。)


勝負を楽しむために、処理能力の勝負か。


なるほどね。


腕力に差があれば、そういう勝負じゃないと成立しないからね。


それにしても、『フィナリスラーウム』は良い駒が揃ってるな。


今戦ってるベルは特にだ。


僕は七つの大罪を全て制御しているが、使い切れているかと言われれば首を傾げてしまう。


彼は”傲慢”において僕の上を行っている。


さっきのコナルも”暴食”で上を行っていた。


ファガスはわからなかったが、ラドセスさんが音魔法を試さなかった。


精神強度は相当なのだろう。


遠くに見えるベルとスーリーさんの戦闘も終盤だ。


小一時間ほどの戦闘で、ベルはスーリーさんとの距離を縮めてしまった。


腕力の勝負に移る。


処理能力で勝負したかったスーリーさんは負けた気分だろう。


手加減されたベルも負けた気分だろう。


情報を得た僕だけが得したね。


笑える。


(ベル視点です。)


ふー。


追いついたー。


でも距離を詰めただけだ。


勝負はここからだ。


スーリーさんは、近距離で勝てると思って、距離を取って勝負した。


舐められたもんです。


ここから、ここから踏ん張ります。


『フィナリスラーウム』で一勝します。


本気です。


僕の得意武器は槍です。


槍で勝負します。


スーリーさんは弓を番えて距離を取ろうとしています。


観念しろよな。


弓では勝負にならんぞ。


僕は光る槍を伸ばし、矢を迎撃。


僕はそのまま槍でスーリーさんを攻撃。


スーリーさんは弓の具現化を解いて、ハンマーで槍を迎撃。


槍の突きをハンマーで迎撃されて感じます、彼女の得意武器はハンマーだ。


そう感じたと思ったら、僕は吹き飛ばされていました。


地面に激突。


痛い。


意識を失う事も出来なかった。


恐らく、僕が感知できない速度でハンマーの攻撃を受けたんでしょう。


ベル:「降参です」

ベル:「起き上がれない」


スーリー:「ハァー、ハァー」

スーリー:「やっとね」


ガリム:「それまで、じゃ」


スーリー:「追いつかれる予定なかったんだけど」


ベル:「甘いです」


スーリー:「はは」

スーリー:「ベル、貴方恋人はいるの?」


ベル:「新婚です」


ダズ:「新婚って何年続くんだ?」


フレド:「五十年位新婚な」


ベル:「気持ちの問題です」


スーリー:「モテそうって思っただけだから、勘違いしないでね?」


ストルム:「俺が誘っても一切靡かない癖に」


スーリー:「うるさいわね」


コナル:「俺らと扱い違くない?」


ファガス:「そうかも」


バルド:「見せ場があるだけいいじゃろがい」


アスマ:「だぞ」


ファガス:「笑えないな」


コナル:「同じく」


ダズ:「魔物の王と戦う時は絶対休めないからな、見せ場の心配するな」


フレド:「だよなー」

フレド:「見せ場どころか、死ぬかもなのに」


ガリム:「とっとと終わらせるぞ」


ネロ(キシ):「強引だなー」


次は、ジャドとダッドルさんだ。


ジャドはタバコを一本取り出しました。


火を付けます。


え?


今から吸うの?


タイミングおかしくない?


ネロも釣られて吸い出しました。


ベル:「『リーベラティーオー』は常識無いの?」

ベル:「今から吸う?」

ベル:「普通」


ネロ(キシ):「いや、おかしく無いでしょ」

ネロ(キシ):「今から戦闘なんよ?」

ネロ(キシ):「そりゃ吸うでしょ」


ジャド:「ですです」


ダズ:「こいつら、人を待たせてる自覚薄いな」


アスマ:「図々しい」


バルド:「ワシも吸う方じゃからちょっとわかる」


フレド:「タバコは集中力増すって感じるらしいな」


ダッドル:「いつでもいいですよ」


ジャド:「じゃー、もう一本吸います」


ダッドル:「どうぞ」


ジャド:「フー」


ダッドル:「たしか、ジャドさんは魔法タイプなんですよね?」


ジャド:「昔は?」


ダッドル:「え?」

ダッドル:「じゃー、今は?」


ジャド:「部分融合って難しいなって」


ダッドル:「どう云う意味です?」


ジャド:「壊れない武器って具現化難しいですよね?」


これは、ジャド、相当強いぞ。

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