第22話 ダッドル




 フレド:連合国クロトの守護者長の纏め役。

    神獣はサトリ。

    ピナンナと結婚している。

 ダズ:聖国クリアの守護者長の纏め役。

    神獣は雷獣。

    アリアに結婚を申し込み、返事を保留されている。

 アスマ:神木遊馬。

    『トウェルブ』の第二席。

 ベル:聖国クリアの守護者長。

    ダズの補佐的役回り。

    黒沼直樹。

    ランと結婚している。

    魔道具開発チーム。

 ファガス:黄山斗真。

     リアンナと結婚している。

     海洋国家ドバスカリを継ぐ予定。

 コナル:青井友介。

     連合国クロトの指南役。

     ニーナと良い感じ。

 バルド:バルド・ゼード。

    『悠久の旅人』の実質的なリーダー。

 ネロ:氷上国家カハの国王。

    『ディープフォレスト』のリーダー。

    故人。

    キシが死兵として操っている。

 キシ:キシ・ナトハ・ソアミ・カジャー。

    プロンシキの元英雄。

    『リーベラティーオー』の纏め役。

 ジャド:『マギ』のエース。

     フェオと融合した。

     三番目の真理への到達者。

 ストルム:『狂奔』のサブリーダー。

     ガラが悪い感じ。

 ラドセス:『狂奔』のサブリーダー・

     広報担当。

     丁寧。

 スーリー:『狂奔』のサブリーダー。

     『狂奔』全体の纏め役。

     サッパリした女性。

 ダッドル:『狂奔』のサブリーダー・

     無表情。

 ガリム:『狂奔』のリーダー。

     老人の管理者。





(ベル視点です。)


 ジャド:「吸い終わりました」


 ネロ(キシ):「僕も」


 バルド:「あんたは別に良いんじゃよ」


 ネロ(キシ):「じゃー、もう一本吸うか」


 ダズ:「匂いが気になるな」


 フレド:「昔吸ってたやつの方が気にするらしい」


 ダズ:「話題を変えよう」


 ダズ:「ベル、良く立ち上がれたな」


 ベル:「何をされたか見えませんでした」

 ベル:「僕はどうなったんでしょう?」


 スーリー:「大きめのハンマーで殴っただけよ」

 スーリー:「小細工は無し」


 ダッドル:「背景と同色のハンマーが小細工無いは無理があるのでは?」


 ストルム:「みながやられる初見殺し、だぜ」


 スーリー:「バラすなよ」

 スーリー:「超スピードで殴り倒した事にしたかった」


 ジャド:「俯瞰で見ると一目瞭然だったんですが」


 フレド:「あれを、大きめのハンマー、で片付けるのも無理が有るだろ」


 アスマ:「クソでかハンマーだったな」


 ベル:「……」

 ベル:「なんだか首の調子が」


 間合いが離れた状態で、片手にハンマーを持って、動作を最小限にして殴ったのか?


 大きいのは当てやすいから?


 全く気付かなかった。


 コナル:「見えていたら力んでもっと首がやられてたかもな」


 ファガス:「しかし、地力の差がデカいな」


 ベル:「一撃でしたからね」


 ジャド:「ダッドルさんの地力はスーリーさんと比べてどんな感じです?」


 ダッドル:「さして変わらないですよ」


 スーリー:「融合はダッドルの方が神獣一体分多いわ」


 ファガス:「勝てない訳だわ」


 ラドセス:「単純に、融合の数が多ければ強くなる、訳じゃないですけどね」


 ジャド:「力を引き出すと、制御が難しくなる」

 ジャド:「そういう話です」

 ジャド:「その辺はどうですか?」


 ストルム:「痛い所突いて来るな」

 ストルム:「駆け引きの通じる魔物は少ないんだよ」


 ガリム:「こいつらに繊細さはないんじゃ」


 スーリー:「言い方が腹立つ」


 ジャド:「僕は元々魔法使いタイプですから、技量に差が出にくいなら勝機はあります」


 ダッドル:「その体格で力比べするつもりですか?」


 ジャド:「やってみたら案外勝負になるかも、です」


 確かに、戦士って感じの体格じゃ無いかもしれません。


 ネロの顔色を観察してますが、何も読み取れないです。


 意思疎通がされている感じがしないんですよね。


 キシが誰かと連携しているイメージも無いです。


 全部自分でやろうとするイメージでした。


 コントロールできない状況を楽しむ性格していたのか?


 違和感があります。


 ネロ(キシ):「僕の顔になんかついてる?」


 包み隠さず、そのまま聞いてみよう。


 ベル:「あんたが仲間に自由にしゃべらせているのに違和感があります」


 ネロ(キシ):「まーね」


 ベル:「?」

 ベル:「…………、それだけですか?」


 ネロ(キシ):「あえて言うなら、ジャドは僕が思う正解と違う正解出しそう、って感じかな」


 フレド:「お前がまともな事言うなよ」


 ネロ(キシ):「だから、さっきの煽りでダッドルさんがなにやっても、責任取らないよ?」


 ジャド:「期待してません」


 ネロ(キシ):「冷たくない?」


 ジャド:「お互い様です」


 女性の管理者が時間の巻き戻しをしたのは正解だったのでしょうか?


 レイセが死んだ世界と、ジャドが台頭してきた今とで、事態は好転しているんだろうか?


 ダッドル:「ヤル気が出ました」


 ジャド:「ムラッ気が有るのは良いことじゃ無いですよ?」


 コナル:「ヒー、もうその位にしとけよ」


 ジャド:「本気は普段から出さないと、出そうとしても出ませんよ?」


 フレド:「ブレーキ無いのか?」


 ジャド:「真剣にやりましょう」


 ダズ:「なんか腹立ってきたな」

 ダズ:「もうさっさと勝負始めろよ」


 ベル:「ダズさんがそれ言うんですか?」

 ベル:「それ聞いたらレイセがキレますよ?」


 ダズ:「お前が言わなきゃ良いだけだろ」


 ベル:「言いますよ?」

 ベル:「面白いから」


 ジャドとダッドルさんは離れた場所まで移動しました。


 スーリーさんと僕との戦闘で、屋敷からずいぶん離れています。


 洞窟の中の草原では無いみたいです。


 洞窟から、どこかの草原に出た、という感じです。


 空間に閉塞感が無いです。


 迷宮都市の近くの草原ではないかも。


 別の国か?


 まー、次の勝負に移動は少ないかもしれませんが。


 ガリム:「ワシが合図するわい」

 ガリム:「…………」

 ガリム:「……、始めじゃ」


 ダッドルさんは完全融合状態。


 対してジャドは、変化無し。


 静かな滑り出し。


 それで良いのか?


 ダッドル:「行きますよ?」


 ジャド:「どうぞ」


 ダッドル:「力比べがお望みみたいですから、僕も素手で行きます」


 ジャドは余裕の笑み。


 意外と憎たらしさが無い。


 恐らく年下なんでしょうが、そう思わせない何かがある。


 最初に手を出したのは、ダッドルさん。


 二人の距離は二歩分。


 ダッドルさんは大きく踏み込んで、右拳でレバーブロー。


 ジャドは左脇腹に鋭い一撃を受けました。


 ジャドの腹部が精霊であろう要素の完全融合状態です。


 ジャドは受け身を一切取らず、右拳で殴り返す。


 ダッドルさんの顔にストレート。


 衝撃が二十メートルほど離れた僕まで届いています。


 これも強烈な一撃。


 殴った瞬間、右拳が炎の精霊と融合していた様です。


 ダッドルさんは身じろぎせず殴り返す。


 ダッドルさんは右拳でレバーブロー。


 ジャドの左脇腹をもう一度殴りつける。


 ジャドの腹部が融合状態です。


 融合状態を維持するのには繊細な制御能力が必要です。


 ジャドは、相手に触れた瞬間だけ融合して、精神力を節約しているんでしょう。


 かなり器用。


 キシに認められているのは、伊達では無いようです。


 ジャドは左拳でダッドルさんの右顔面をフック。


 ダッドルさんは左拳でジャドの右脇腹に一撃。


 ジャドは右拳でダッドルさんの左顔面を強打。


 ダッドルさんが右拳でジャドの左顎を強打。


 ジャドの頭が後ろに弾ける。


 ジャドは左拳でダッドルさんの右顔面に攻撃。


 顔の横に結界を作って防御していたようですが、ジャドの右拳はそれを突き破りました。


 ダッドルさんの頭が後ろに弾ける。


 ダッドルさんの左拳がジャドの左脇腹に食い込む。


 ジャドの腹部にも結界が貼られていましたが、ダッドルさんの拳はそれを粉砕しています。


 ジャドは右拳で殴り返す。


 ダッドルさんは左拳で殴り返す。


 ジャドは左拳で殴り返す。


 ダッドルさんは右拳で殴り返す。


 やはり結界は意味を成さない。


 ドゴン、ドゴン、と地響きの様な重い振動が空気を震わせる。


 ドゴン。


 ドゴン。


 ドゴン。


 ドゴン。


 …………。


 ……。


 コナル:「マジか」


 アスマ:「いつまで続くんだ?」


 ファガス:「思った以上に長引くな」


 ダズ:「……、くそう」


 フレド:「ハッタリだけじゃなかったな」


 ベル:「どう見ます?」


 ネロ(キシ):「ヤバいかもね」


 ベル:「どう云う意味です?」


 スーリー:「ガリム、なんとかしてね?」


 ガリム:「いや、痛い目見た方が良いじゃろ」

 ガリム:「恐らく大事には至らんて」


 ラドセス:「もう遅いみたいです」

 ラドセス:「ダッドルがキレました」


 ダッドルさんの右拳がジャドの左脇腹に減り込む。


 今までの威力とはレベルの違う、異常な威力のレバーブロー。


 ダッドルさんの光る右拳がジャドの左脇腹に触れ、振り抜いた後に物凄い衝撃波。


 ドウーーー。


 草が衝撃で吹き飛んで視界が塞がれてしまいました。


 ジャドは斜め上に吹き飛ばされた。


 ダッドル:「あ、ヤッベ」


 ネロが瞬間移動でジャドをキャッチ。


 ネロ(キシ):「大丈夫、気を失っただけ見たい」


 ダッドル:「はーーー」


 ダッドルさんは緊張で呼吸を止めていたみたいです。


 とっさに力を出し過ぎたのは明白です。


 サブリーダー四人との戦いで、本気を出させたのは、ジャドだけでしょう。


 敵ながら、大したやつです。


 上手く味方に引き込みたいな。



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