第18話 狂奔



 レイセ:黒戸零維世。

    連合国クロトと聖国クリアの王。

    『フィナリスラーウム』のリーダー。

    プロミとリビアと結婚している。

 カーミュ:カーミュ・セーグル。

     冒険者ギルド創始者。

     『トウェルブ』のリーダー。

     レイセと融合。

 フレド:連合国クロトの守護者長の纏め役。

    神獣はサトリ。

    ピナンナと結婚している。

 ダズ:聖国クリアの守護者長の纏め役。

   神獣は雷獣。

   アリアに結婚を申し込み、返事を保留されている。

 アスマ:神木遊馬。

    『トウェルブ』の第二席。

 ベル:聖国クリアの守護者長。

   ダズの補佐的役回り。

   黒沼直樹。

   ランと結婚している。

   魔道具開発チーム。

 ファガス:黄山斗真。

     リアンナと結婚している。

     海洋国家ドバスカリを継ぐ予定。

 コナル:青井友介。

    連合国クロトの指南役。

    ニーナと良い感じ。

 リビア:リビア・クロト。

    聖国クリアの元代表。

    レイセと結婚している。

 プロミ:ルビー・アグノス。

    月と太陽の国アウグストラの女王にして現人神。

    レイセと結婚している。

    黒崎鏡華。

 ニーナ:黒戸美月

    ニーナ・アイマー。

    『フィナリスラーウム』所属。

    レイセの妹。

 アリア:篠宮美弥子。

    アリア・アランテ。

    ダズからの求婚を躱し続けている。

 リアンナ:リアンナ・ドバスカリ。

     黒沢香織。

     ファガスと結婚している。

     海洋国家ドバスカリの女王。

 アリシア:アリシア・ノキシュ。

     クリアの孫。

     『悠久の旅人』のエース。

 バルド:バルド・ゼード。

    『悠久の旅人』の実質的なリーダー。

 ボーデン:ボーデン・バレット。

     連合国クロトでフレドの補佐役。

     魔道具開発チーム。

 フィビニ:月と太陽の国所属だった。

      連合国クロトと聖国クリアの司法担当大臣。

      魔道具開発チーム。

 ネロ:氷上国家カハの国王。

   『ディープフォレスト』のリーダー。

   故人。

   キシが死兵として操っている。

 キシ:キシ・ナトハ・ソアミ・カジャー。

   プロンシキの元英雄。

   『リーベラティーオー』の纏め役。

 ジャド:『マギ』のエース。

    フェオと融合した。

    三番目の真理への到達者。





(ベル視点です。)


 ラドセス:「気付いて貰えないので気配を操作しました」


 以前会った時より気配が大きい。


 迫力が増した様に感じます。


 レイセが『狂奔』に立会人を任そうとする訳です。


 完璧な気配操作。


 不自然さがまるで無い。


 以前会った時は騙されていたのか。


 してやられた気がします。


 ベル:「予定の時刻より大分早いですけど?」


 ラドセス:「時間まで飲んでようと思って早く来たんです」

 ラドセス:「二組揃ってるんで驚きました」


 ネロ(キシ):「たぶん僕らは『フィナリスラーウム』の後だった?」


 ラドセス:「ですね」


 ダズ:「自己紹介した方がいいでしょうか?」


 ラドセス:「必要ありません」

 ラドセス:「話し方もいつも通りで」


 ダズ:「助かる」


 アスマ:「全員を把握しているのですか?」


 ラドセス:「まあ」

 ラドセス:「広報担当ですから」


 ファガス:「もしかして、サブリーダーの一人だったりします?」


 ラドセス:「あれ?」

 ラドセス:「言ってませんでしたっけ?」

 ラドセス:「おかしいなー」


 態と言わなかった可能性があります。


 全員を相手に微塵も動揺していない。


 なるほど。


 敵に回したくない。


 ラドセス:「声を掛けましたが、今は拠点に人が揃ってないので、ちょっと時間を潰さないと」


 ファガス:「ここでくっちゃべってていいって事ですか?」


 ラドセス:「そうなりますね」


 コナル:「ラドセスさん、ここのお薦めは?」


 ベル:「え?」

 ベル:「食べる気ですか?」


 バルド:「ワシは飲むぞ」


 フレド:「どこが引率だよ」

 フレド:「引率はベルだろ」

 フレド:「でも俺も飲も」


 ラドセス:「迷宮サボテンの蒸し焼きがお薦めです」

 ラドセス:「酒は二千年酒ですかね」


 アスマ:「二個同時に玉投げないでください」


 ダズ:「処理が追い付かない」


 ネロ(キシ):「迷宮サボテンはアボカドとなすびを合わせたような植物さ」


 ジャド:「よく知っていますね」


 ネロ(キシ):「まーね。二千年酒はこの店のオリジナル」

 ネロ(キシ):「この店はラドセスさんの店で、ラドセスさんが二千年寝かせた酒を出してるんだ」


 コナル・バルド:「旨いか?」


 ネロ(キシ):「ラドセスさんの店って言ってるだろ」

 ネロ(キシ):「よくそんな聞き方出来るな」

 ネロ(キシ):「旨いに決まってる」


 フレド:「じゃー注文しよう」

 フレド:「お願いしまーす」


 店員が、わかりましたー、と返事しました。


 気持ちのいい声。


 良い店だなー。


 返事の後、フレドは魔道具の端末で他の料理を注文しています。


 この男、そういうのマメにやるんだよなー。


 アスマと二人で楽しそうに注文の相談を始めました。


 アスマ:「ネロ」

 アスマ:「詳しんだろ?」

 アスマ:「一緒に注文考えてくれ」


 ネロ(キシ):「ええー!?」

 ネロ(キシ):「慣れ合う気ないんだけど」


 そう言って、断れないんだろうな。


 話し掛けられて嬉しそうだ。


 ラドセス:「それにしても、良く育ちましたね」


 ベル:「戦闘能力の話ですか?」


 ダズ:「興味があるな」


 ファガス:「俺も」


 この場にはキシ達もいるんだよなー。


 まあ、中立をやってくれそうだけど。


 ジャド:「僕も興味が有ります」


 ここで『マギ』のジャドが参戦。


 コナルとバルドは出された料理に夢中です。


 ラドセス:「上から目線で申し訳ない」

 ラドセス:「正直、同じステージまで上がって来るとは思ってもいませんでした」


 ベル:「レイセは『狂奔』のが、頭一つ抜けていると言っていましたが?」


 ラドセス:「私は同じステージだと感じています」


 ジャド:「それは全員ですか?」


 ラドセス:「ええ、そうです」

 ラドセス:「今この場にいる全員が同じステージです」


 ファガス:「へー」


 ダズ:「そうか」


 ジャドについては特別な情報を持っていなかったです。


 へー。


 警戒しなくては。


 ラドセス:「全員、力を融合する事が出来そうだ」


 ファガス:「その話するのか」


 ジャド:「『フィナリスラーウム』も出来るのか」


 ダズ:「こっちはカーミュがいたからな」

 ダズ:「よくそっちがそこに到達出来たな」


 ネロ(キシ):「ジャドが真理に到達したんだ」

 ネロ(キシ):「僕は教えを乞うたのさ」


 ジャド:「大げさですよ」


 ダズ:「試したい」


 ベル:「ダズさんダメですよ?」


 ファガス:「聞かなきゃ幸せでいれたかもな」


 ベル:「同感です」

 ベル:「『リーベラティーオー』は強敵ですね」


 ジャド:「どうやら認めて頂いたようで」


 ラドセス:「引き受けるのは、もう決まっているのですが」

 ラドセス:「果たして、務まるのかどうか」


 コナル:「こっちもレイセが頭一つ抜けている」


 ジャド:「アルコルさんもです」


 バルド:「アルコル?」


 ネロ(キシ):「仮面の男さ」

 ネロ(キシ):「今はアルコルと名乗っている」


 ベル:「死兆星か」

 ベル:「らしい名前ですね」


 ラドセス:「そうなると、我らがリーダーの出番ですね」


 ベル:「どう云う方なんです?」

 ベル:「情報がまるで無い」


 ネロ(キシ):「こっちもさ」

 ネロ(キシ):「前の訪問でも会わせて貰えなかった」


 ラドセス:「この光景に見覚えは?」


 ラドセスさんは手に持ったコインを空中に浮かべた。


 理魔法を使っているんでしょう。


 コインが空中でくるくると回転している。


 なるほど。


 ベル:「あの老人の管理者がリーダーなのですか?」


 ラドセス:「正解です」

 ラドセス:「このコインを差し上げます」

 ラドセス:「ただのコインですが」


 ダズ:「ベル、お前今ので解るのか」


 ベル:「そのままでしたよ?」


 フレド:「即答だったぞ」


 ネロ(キシ):「管理者がリーダーなのか」

 ネロ(キシ):「コイン集めに参加しない訳だ」


 ラドセス:「そういう訳でも無いのですが、まあ、大迷宮の奥に用がありまして」


 アスマ:「その話はまた今度で」

 アスマ:「話が逸れてしまう、でしょ?」


 ラドセス:「ですね」


 ベル:「で?」

 ベル:「どういう方なのです?」


 ラドセス:「管理者という事実を言っておきたかったのです」

 ラドセス:「後は会ってからお願いします」


 コナル:「バランサーと揉めないか?」


 ファガス:「そうだな」

 ファガス:「どういう関係だろう?」


 ラドセス:「事情は知っていますが、教えませんよ?」


 フレド:「レイセは管理者が動いた時だけバランサーが顔を出す、と言っていたな」


 すでに女性の管理者が動いて介入している。


『リーベラティーオー』は知らない様だ。


 調整もたぶん入っている。


 一度やり直している事は言わない方がいいかな?


 ネロ(キシ):「ベル、何か言いたそうだけど?」


 鋭い。


 なんでわかるんだ。


 勘か?


 誰かに似ている。


 無視しよう。


 それより、管理者の介入ね。


 レイセは知らないんだった。


 バルド:「ラドセスさんには教えておく」

 バルド:「たぶん今回バランサーは『リーベラティーオー』に付くはずじゃ」


 ネロ(キシ):「へー、良い事聞いた」


 ダズ:「たぶん、だ」


 ジャド:「バランサーに介入される心当たりがあるのか」


 ネロ(キシ):「そんな話、して良かったのかい?」


 ダズ:「『狂奔』のリーダーが管理者なら、避けて通れない話だ」


 フレド:「そりゃそうだ」


 ラドセス:「さっきも言いましたが、事情は知っています」

 ラドセス:「律儀ですね」

 ラドセス:「なら宣言しま」

 ラドセス:「今回バランサーは動きません」


 ベル:「何故です?」


 ラドセス:「現在貴方達に介入している管理者は、管理者の任を放棄しました」


 ベル:「まさか」


 ラドセス:「コインで選ばれるのは、四人に増えます」


 ファガス:「そんな話聞いて無いぞ」


 ネロ(キシ):「そっち、味方に元管理者多くない?」

 ネロ(キシ):「ズルくない?」


 ベル:「聞いた時は反則だろ、って思いました」


 ジャド:「ですよね」


 ベル:「ですね」


 アスマ:「それ俺も思った」


 フレド:「この酒旨いなー」


 ダズ:「迷宮サボテンか、美味いな」


 ネロ(キシ):「もう話は逸らせないよ?」


 知ってる。


 管理者を四人か。


 コインの枚数によっては二対二になってしまう。


 せめて三対一にしておかないと。


 レイセに相談していないのは悪手じゃ無いでしょうか?


 レイセに相談か。


 気の毒で言えなかったのです。


 ベル:「あと何処くらい時間有ります?」

 ベル:「僕も飲みたくなってきました」


 フレド:「だろ?」

 フレド:「俺も飲むしか無いって思った」


 ダズ:「迷宮サボテン美味いぞ、食え」


 はー。


 先が思いやられるな。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る