第17話 立会人



 レイセ:黒戸零維世。

    連合国クロトと聖国クリアの王。

    『フィナリスラーウム』のリーダー。

    プロミとリビアと結婚している。

 カーミュ:カーミュ・セーグル。

     冒険者ギルド創始者。

     『トウェルブ』のリーダー。

     レイセと融合。

 フレド:連合国クロトの守護者長の纏め役。

    神獣はサトリ。

    ピナンナと結婚している。

 ダズ:聖国クリアの守護者長の纏め役。

   神獣は雷獣。

   アリアに結婚を申し込み、返事を保留されている。

 アスマ:神木遊馬。

    『トウェルブ』の第二席。

 ベル:聖国クリアの守護者長。

   ダズの補佐的役回り。

   黒沼直樹。

   ランと結婚している。

   魔道具開発チーム。

 ファガス:黄山斗真。

     リアンナと結婚している。

     海洋国家ドバスカリを継ぐ予定。

 コナル:青井友介。

    連合国クロトの指南役。

    ニーナと良い感じ。

 リビア:リビア・クロト。

    聖国クリアの元代表。

    レイセと結婚している。

 プロミ:ルビー・アグノス。

    月と太陽の国アウグストラの女王にして現人神。

    レイセと結婚している。

    黒崎鏡華。

 ニーナ:黒戸美月

    ニーナ・アイマー。

    『フィナリスラーウム』所属。

    レイセの妹。

 アリア:篠宮美弥子。

    アリア・アランテ。

    ダズからの求婚を躱し続けている。

 リアンナ:リアンナ・ドバスカリ。

     黒沢香織。

     ファガスと結婚している。

     海洋国家ドバスカリの女王。

 アリシア:アリシア・ノキシュ。

     クリアの孫。

     『悠久の旅人』のエース。

 バルド:バルド・ゼード。

    『悠久の旅人』の実質的なリーダー。

 ボーデン:ボーデン・バレット。

     連合国クロトでフレドの補佐役。

     魔道具開発チーム。

 フィビニ:月と太陽の国所属だった。

      連合国クロトと聖国クリアの司法担当大臣。

      魔道具開発チーム。

 ネロ:氷上国家カハの国王。

   『ディープフォレスト』のリーダー。

   故人。

   キシが死兵として操っている。

 キシ:キシ・ナトハ・ソアミ・カジャー。

   プロンシキの元英雄。

   『リーベラティーオー』の纏め役。

 ジャド:『マギ』のエース。

    フェオと融合した。

    三番目の真理への到達者。




(レイセ視点です。)


 迷宮都市に行く。


 自分で行く。


 行きたい。


 カーミュと融合して気付いた事がある。


『狂奔』は別格だ。


『トゥエルブ』よりかけ離れて強い。


 強さの底が見えない。


 近づけば近づく程、残りの距離の遠さに気付く。


『フィナリスラーウム』と『リーベラティーオー』の立会人は『狂奔』以外に無い。


 広報担当のラドセスは大丈夫と言ったが、伝言で頼むのは失礼だろう。


 取り入りたい訳じゃない。


 誰かが死ぬ様な事態を避ける為に実力のある誰かに止めて貰いたい。


 俺はヘタレだからな。


『リーベラティーオー』に死人が出ても困る。


 共闘するんだし、戦力の低下は避けたい。


 そういう建前だ。


 そんな訳で、行きたいんだけど?



 レイセ:「迷宮都市に行きたいんだけど?」


 フレド:「お前動けるん?」

 フレド:「俺は暇だけど」


 ダズ:「冒険者ギルドの役目が有るんじゃ無いのか?」

 ダズ:「ちなみに俺も暇だ」


 アスマ:「ギルマスが動く様なクエストは無い」

 アスマ:「俺も暇だ」


 ベル:「ちょっと待ってください」

 ベル:「僕だって暇だ」


 ファガス:「いやいや、待つのはお前だベル」

 ファガス:「俺も暇」


 コナル:「ファガス」

 コナル:「お前暇ないだろ」

 コナル:「ドバスカリに帰れ」

 コナル:「俺も暇」


 レイセ:「…………」

 レイセ:「お前らなんで行きたいんだよ」


 ファガス:「お前!」

 ファガス:「俺達がどれだけ鍛えたか知ってるだろ!」


 ベル:「そうです」

 ベル:「代表同士の決闘はわかりますが、二組って!」


 レイセ:「気持ちはわかるが、手札は残しときたいんだけど?」


 コナル:「お、おう」

 コナル:「そう言われると、な」


 フレド:「なに言いくるめられてんだ、人が良すぎるぞ」

 フレド:「共闘を始めたら、バレる事だ」


 ダズ:「『狂奔』はどうなんだ?」


 レイセ:「どう?」

 レイセ:「とは?」


 ダズ:「実力は試さないのか?」


 アスマ:「なんで立会人頼みに行って、立会人と戦うんだよ」


 ダズ:「俺なら試すけどな」


 ベル:「相変わらずの脳筋ぶり」


 ダズ:「そうは言うが、相手も俺と同じ感じかもしれないだろ」


 フレド:「脳筋は否定しないのな」


 ファガス:「まー、全員脳筋だけど」


 コナル:「そうなるな」


 ベル:「たしかに」


 アリシア:「貴方達、バカじゃないの?」


 レイセ:「はは」

 レイセ:「お前がそれ言うのか」


 リビア:「緊張感がありませんね」

 リビア:「修正しましょうか?」


 プロミ:「リビアが怖い」


 ニーナ:「ときどきあるね」


 アリア:「リビアあるある」


 リアンナ:「根っこはルビーも同じよね~」


 レイセ:「俺が直接行きたかったんだが、お前らが行きたいなら任すか」


 プロミ:「貴方が引くなんて」


 アリシア:「意外」


 バルド:「こいつ逃げてばっかりじゃったぞ」


 レイセ:「お前戦い方教えなかっただろ」


 バルド:「人の所為にするな」


 ボーデン:「私はパスで」


 レイセ:「お!?」

 レイセ:「どうした?」

 レイセ:「お前も乗って来ると思ったのに」


 フィビニ:「魔道具の試作が忙しいんです」

 フィビニ:「僕も手伝ってるので忙しいです」


 レイセ:「ベル、お前は良いのか?」


 ベル:「設計済みです」

 ベル:「試作が出来上がるまでの間が暇です」


 他にも会話に混ざりたい奴がいるが、ここまでだ。


 向こうはサブリーダーが四人にリーダーが一人。


 総勢五十名らしい。


 こっちは七人でいいだろ。


 勘だ。


 誰を選ぶかな?


 フレド、ダズ、アスマ、ベル、ファガス、コナル、あとは、バルド?


 男ばっかりだな。


 いいのか?


 レイセ:「フレド、ダズ、アスマ、ベル、ファガス、コナル、あと、バルド行けるか?」


 バルド:「大丈夫じゃ」

 バルド:「引率はワシになりそうじゃの」


 アリア:「男だけ?」


 ファガス:「リアンナを連れて行っていいか?」


 コナル:「ダメだ」


 ベル:「ダメですね」


 リアンナ:「ファガス、私、我慢する」


 ファガス:「仕方ない、か」


 フレド:「当り前だろ」


 ダズ:「お前もピナンナと行きたいって言うと思ったぞ」


 ボーデン:「ダンジョン攻略の時はそんな感じでしたね」


 ダズ:「やっぱりじゃねーか」


 フレド:「当り前だろ」


 ニーナ:「キリッとした顔で言う?」


 アリシア:「笑うわ」


 レイセ:「お前らユルユルだな」

 レイセ:「任せて大丈夫か?」


 コナル:「真面目な話、お前はジークと最終調整しとけ」

 コナル:「お前がいなくても何とかするから」


 ファガス:「だな」


 皆頷いている。


 シロさんは自主練してるし、そうなるよなー。


 心配されているのは俺か。


 プロミ:「私達の心配はしないのね」


 リビア:「心配要りませんけど、気に掛けられないと不満です」


 レイセ:「お前ら奥の手教えないから」


 プロミ:「秘密です」


 リビア:「です」


 レイセ:「もー!」

 レイセ:「なんだそれ!?」


 ニーナ:「喧嘩?」


 レイセ:「喧嘩じゃ無いです」


 アリア:「私は聞いたけど、そんなに勿体ぶらなくても良いんじゃない?」


 リビア:「あー、内緒です」


 リアンナ:「レイセはショックかもね~」


 レイセ:「あれ?」

 レイセ:「もしかして知らないの俺だけ?」


 フレド:「当り前だろ」


 ベル:「クドイですよ?」


 アスマ:「俺は驚いたぞ」

 アスマ:「反則じゃないか?」


 プロミ:「そうよ」

 プロミ:「そういう反応が普通なの」


 アリア:「えー、そうかな?」


 ニーナ:「今更じゃない?」


 レイセ:「で?」

 レイセ:「俺にも教えてくれよ」


 ダズ:「教えられない」

 ダズ:「教えたらどうなるか、わかるだろ?」


 フレド:「お前の奥さんマジ怖いわー」


 レイセ:「当り前だろ」



(ベル視点です。)


 迷宮都市には行った事ないんで、月と太陽の国へ転移してから神獣での移動で行く事になりました。


 皆、旅慣れています。


 決断したら動き出すまで直ぐでした。


『狂奔』へ立会人を頼みに行く、か。


 こういうお使いは手下がやるものです。


 我らが王は何でも自分でやりたがるから困ります。


 ボスって感じじゃなくて、リーダーだからでしょうか?


 とにかく、一週間かからず到着しました。


 大通りにある冒険者ギルド近くの酒場に立ち寄りました。


 ラドセスさんと待ち合わせです。


 先客がいるようです。


 ネロ(キシ):「来ると思ったよ」


 ベル:「まあ、予想出来ました」

 ベル:「ネロの記憶をどの程度まで把握してるんです?」


 ネロ(キシ):「今回は死体を動かしてる」

 ネロ(キシ):「情報を抜き取りながら話せるから制限がないね」


 ベル:「ネロは融合者でしょう?」

 ベル:「現世の名前に心当たりがあります」


 ネロ(キシ):「そうだね」

 ネロ(キシ):「現世では君とライバルだった」


 コナル:「ベル、ネロと知り合いだったのか?」


 ベル:「仲は良く無かったですが、同じ大学に通っていました」


 ファガス:「死んだら改変が起きるんじゃ無いのか?」


 ベル:「死体を操られると存在を消せないんじゃ無いでしょうか?」

 ベル:「行方不明扱いでした」


 ネロ(キシ):「その通り」

 ネロ(キシ):「カハで会った時に当たりがついてたんでしょ?」

 ネロ(キシ):「勘が良いなー」


 ダズ:「一人で来たのか?」


 ネロ(キシ):「いや、もう一人いるよ」

 ネロ(キシ):「君たちはいつも大勢だね」

 ネロ(キシ):「羨ましい」


 中肉中背の青年がビールを二つ持ってきた。


 ネロのテーブルの前に一つを置く。


 ジャド:「ネロさん、お知り合いですか?」


 ネロ(キシ):「ああ、カハで会った」


 アスマ:「…………」

 アスマ:「『マギ』のジャドか」

 アスマ:「お前、ネロの正体を聞かされてるだろ?」


 ジャド:「紹介してもらう流れだったのに、いきなり本題ですか?」


 アスマ:「答えろよ」


 ジャド:「……」

 ジャド:「キシさん、待ち合わせまでまだ時間有りますよね?」


 ネロ(キシ):「あるけど」

 ネロ(キシ):「今日は無理だ」

 ネロ(キシ):「『狂奔』を舐めたらダメだよ?」


 フレド:「二人だけでも堂々としてるな」

 フレド:「大したもんだ」


 コナル:「そんなやつ褒めるなよ」


 ジャド:「実力差があり過ぎると共闘の意味が無い、ってわかってます?」


 ファガス:「若いなー」

 ファガス:「融合者だろ?」

 ファガス:「そんな挑発に乗るかよ」


 バルド:「ワシの出番は無さそうじゃな」


 ネロ(キシ):「はー、ジャド、もう良いよ、釣れないわ」


 ジャド:「だと思った」

 ジャド:「皆さん失礼しました」


 気が付くと、ラドセスさんらしき人が僕の隣に立っていました。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る