第14話 襲撃
零維世:黒戸零維世。
レイセの現世の姿。
黒羽高校二年生。
副会長。
芸能活動をしている。
直樹:黒沼直樹。
ベルの現世の姿。
黒羽高校の数学と物理の先生。
有名大学卒のエリート。
十夜:黄山十夜。
ファガスの現世の姿。
有名大学の学生。
香織と付き合っている。
友介:青井友介。
コナルの現世の姿。
有名大学の学生。
美月が好むものを好きになる性格。
美月:黒戸美月。
ニーナの現世の姿。
黒羽高校一年生。
芸能活動をしている。
有名人。
美弥子:篠宮美弥子。
アリアの現世の姿。
黒羽高校一年生。
歌と物語にどっぷり浸かっている。
香織:黒沢香織。
リアンナの現世の姿。
一流企業社員。
十夜より年下に見える容姿。
鏡華:黒崎鏡華。
プロミの現世の姿。
黒羽高校一年生。
生徒会長。
零維世と付き合っている。
エウェル:クリアと結婚。
故人。
エーシャという娘がいた。
クリアと行商をしていた。
『ウォーターフォックス』、『マギ』、『トパーズ』、『静寂』、『ディープフォレスト』が揃っていた。
氷上国家カハを『ディープフォレスト』が運営していると解っていたが、ロベストロニア帝国を『静寂』が、ゼスストを『トパーズ』が運営していた様だ。
『悠久の旅人』ギレイがそれぞれのチームメンバーを知っており、各チームの掲げている国旗で判明した。
隠すのを止める気らしい。
『フィナリスラーウム』に対抗しようという強い意思を感じる。
『リーベラティーオー』は一般兵を連れて来ていない。
代わりに骸骨の死兵を引き連れて来ていた。
人数はそれほど多くない。
二千人程だ。
戦争にしては少ないが、キシ一人が操っているなら多すぎる数字だ。
骸骨以外の戦士はいずれかのチームのメンバーなんだろう。
『ディープフォレスト』がその他のチームと親し気に会話をしている。
残りのチームである『マギ』『トパーズ』『静寂』も『ティープフォレスト』と陣形をとっている。
管理者から『ディープフォレスト』が全滅したと言われて無ければ死兵であるとわからない。
『マギ』、『トパーズ』、『静寂』のメンバーも死兵なのかどうかは判別できない。
まだ死兵にされていないチームがあるとして、『リーベラティーオー』のメンバーは『ディープフォレスト』を操るキシを信用しているのだろうか?
もしかしたら、キシは『ディープフォレスト』を操っている事を仲間に伏せているのかもしれない。
キシが『リーベラティーオー』のメンバーを騙している可能性が出てきた。
既に全員がキシに死兵として操られているパターンも有り得るが……。
『ディープフォレスト』が他チームと対等に接する理由が不明だ。
『ディープフォレスト』を死兵として操ってる事を他のチームがどう見ているか知るのは重要だ。
俺達『フィナリスラーウム』は防衛に徹する。
あわよくば、敵を味方に引き入れたい。
戦意を喪失させるだけでも良い。
もし騙しているならつけ入る事の出来る可能性がある。
もうそろそろ開戦の時間だ。
俺達に侵略の意志が無いと伝えるにはどうすれば良い?
言葉を並べても信用されない。
行動で示すしかなさそうだ。
合図のラッパが鳴り響く。
ついに始まってしまった。
* *
『リーベラティーオー』で動いたのは骸骨の死兵のみだった。
奴らは時間稼ぎに徹し、前に出てこなかった。
理由は二時間後にわかった。
開戦から二時間。
骸骨兵が防御を一切せず突進してきた。
ダンジョン百階層のエレメント人と同じ動きだ。
ダンジョン攻略に慣れた俺達の脅威では無かった。
骸骨兵があらかた片付いたところで奴が現れた。
仮面の男『復讐者』。
そして『ウォーターフォックス』も前に出てきた。
他の『リーベラティーオー』は動かない。
シロさんと俺で仮面を抑え込み、キシ達は仲間に任せる。
仲間達は見事キシ達を封じ込めた。
しかし、俺とシロさんは仮面の男と引き分ける事が出来なかった。
終始押され続けるシロさんと助太刀出来ない俺。
勝負にならなかった。
俺は仮面の男の斬撃によりバラバラにされ意識を手放した。
* *
俺は温かな水の中に漂っていた。
気持ちが良かった。
しばらくそのままの状態で漂い続けた。
段々と意識が鮮明になって行った。
俺は負けた。
ここは死後の世界か?
気付くと女性が俺の頬を撫でていた。
触れられた瞬間、エウェルを思い出す。
彼女はエウェル。
間違いない。
女性はエウェルになる。
エウェル:「長く管理者を行っていると、潜在意識が人格を形成し生まれ直すの」
エウェル:「私はこの人間の記憶を追体験したわ」
エウェル:「貴方は唯一私と番いになれる存在よ」
レイセ:「俺には愛する存在が他にもいる」
エウェルは泡に包まれ、プロミに姿を変える。
プロミ:「この姿は現世に出来た私」
プロミは泡に包まれ、リビアに姿を変える。
リビア:「この姿は現世の潜在意識が投影されたもう一つの姿」
リビアは泡に包まれ、エウェルに戻る。
エウェル:「愛しい人」
エウェル:「貴方は私をきちんと選んでいる」
エウェル:「今、貴方は戦いの数日前の夢の中」
エウェル:「私が貴方に見せた映像は現実になってしまいます」
エウェル:「このままでは貴方は負けてしまう」
エウェル:「一度現世に返りなさい」
エウェル:「運命を変えるのです」
エウェルが俺を抱き締めた。
* *
俺は目を覚ました。
プロミとリビアを起こす。
現世に戻って策を考えないと負けてしまう。
プロミとリビアに説明し、一旦現世に戻ることにした。
開放日に同時に『ロストエンド』に来ていた。
同時に来たメンバーにも説明した。
俺達は現世の『ロストエンド』に戻った。
俺、直樹、十夜、友介、美月、美弥子、香織、鏡華だ。
零維世:「説明した通り、女性の管理者が戦争の結果のイメージを見せてくれた」
零維世:「何らかの方法で戦争を引き分けなくてはいけない」
零維世:「でも方法が思いつかない」
零維世:「なんかないか?」
直樹:「仲間を得る、とかでしょうか?」
直樹:「確か、目立つ方向に突き抜けるんですよね?」
零維世:「ま、そうだけど」
零維世:「まだこっちで成功してないからな」
美月:「この前の歌で私大分目立ったから、こっちで数日過ごしたらなんかあるかも」
美弥子:「あ、そうね」
美弥子:「可能性ある」
友介:「変なのに付き纏われ無いか?」
十夜:「そういう可能性もあるわな」
香織:「それより、この時期のこっちは暗殺の可能性が有る」
鏡華:「かもね」
香織:「馬鹿ね」
香織:「私の予想は絶対よ」
俺はプロミとリビアに、二人が女性の管理者と同一の存在と告げなかった。
プロミとリビアを失う気がした。
考える時間が欲しい。
時間はまだ有るだろ。
向こうに戻らなければ良いだけだ。
零維世:「とりあえず一週間様子を見よう」
皆は頷いて、解散になった。
美月の歌の反響は大きく、次の土曜日にテレビ局に顔を出す事に成った。
一緒に来たのは、直樹、友介、美月だ。
収録が終わった。
美月の次の収録の為、別のスタジオに移動する事に成った。
直樹の車に全員乗り込み、最後に俺が乗り込もうとしたところで、大きな爆発。
直樹の車下が爆発した。
俺は吹き飛ばされ、地下駐車場の壁面に叩きつけられた。
載っていた三人は無事のようだ。
気配でそこまでわかったが、そこまでだ。
俺は意識を失った。
目を覚ました時、俺は縛られて転がされていた。
レムリアスに呼び掛けても反応が無い。
かなりまずい事に成った。
香織の言う通り暗殺かもしれない。
転がされている場所に振動がある。
車で移動中らしい。
死体にすると体液とかで運ぶのが面倒だ。
移動してから殺すのだろう。
喉に何らかの魔道具らしきものを固定されレムリアスを呼び出せない。
レムリアスは具現化出来ないようだ。
両手、両足の縛り方がきつく、どうにもならない。
ほどくのは無理。
部分融合で触手を出して、切断するか。
…………。
部分融合は出来るが、いつもの様に自由自在に触手を動かせない。
簡単なナイフを作るので精一杯だ。
魔道具が何らかの威力減衰効果を秘めているらしい。
ナイフを出せたのは敵にとって想定外じゃないか?
車での移動らしき振動は続いている。
移動中に縄を切っても降りられないかもな。
目的地に着いたら縄を切るか。
こうも容易く攻撃されるとは……。
腹が立ってきた。
この俺をコケにしやがって。
誰の差し金か知らんが、だだじゃ済まさないぞ。
目にもの見せてやる。
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