第8話 死の道化師
レイセ:レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。
黒戸零維世。
連合国クロトと聖国クリアの王。
リビア:聖国クリアの元代表。
レイセと結婚している。
プロミ:プロミネンスの略で通り名。
本名はルビー・アグノス。
黒崎鏡華。
月と太陽の国アウグストラの女王。
国では現人神と扱われている。
リアンナ:リアンナ・ドバスカリ。
海洋国家ドバスカリ女王。
黒沢香織。
ファガスと結婚。
ダズ:聖国クリアの代表代理。
クリアの元上司。
アリアにプロポーズした。
フレド:フレドリック・ユルロア。
ピナンナと結婚。
連合国クロトの守護者長の纏め役。
アリシア:アリシア・ノキシュ。
レイセの孫。
血は繋がっていない。
『悠久の旅人』所属。
バルド:バルド・ゼード。
少年になるまでレイセを育てた。
一章で爺と表記されていた人物。
クルダム:クルダム・ゼロス。
連合国クロトの文官長。
宰相。
長身。
痩躯。
傑物。
契約者。
ロウエル:ロウエル・ノキシュ。
商業都市ノキシュの代表。
レイセの孫の系譜。
契約者。
レイ:レイ・サファー。
『光の旋律』リーダー。
チーム内で突出した実力を持っている。
ロミール:チーム『創聖』のリーダー。
零維世と美月を崇拝している。
女性。
融合者。
リトアニ:魔道国家ネストロスの宰相。
長髪の美形。
ナルシストでもない。
非常に有能。
バラック:バラック・ネストロス。
魔道国家ネストロス国王。
魔道具大好き。
契約者。
クラウシア:武闘国家メロイリスの国家長。
戦闘狂の脳筋達を話術だけで説き伏せて国とした。
ダリドベ:武闘国家メロイリスの守護者長のまとめ。
クラウシアに惚れている。
常識人。
キシ:キシ・ナトハ・ソアミ・カジャー。
死兵国プロンシキの英雄だった。
死兵使い。
レイセ:「ここから先は俺の予想だ」
レイセ:「最悪な事態に成るだろう」
クラウシア:「興味深いな」
バラック:「あまり気持ちのいい話じゃ無さそうだ」
レイセ:「管理者の席は三席ある」
レイセ:「多過ぎる」
レイセ:「独占しないと仮面の男に席を取られる」
バラック:「想定している最悪の事態って奴は仮面の男に席を取られる事か?」
レイセ:「そうだ」
レイセ:「手の打ちようが無かった」
クラウシア:「説明を頼む」
レイセ:「仮面の男とキシが組んでいる筈だ」
レイセ:「奴らが動いて、三分の一を集めるだろう」
レイセ:「俺達はこれから三分の二を確定させるためにダンジョン攻略しか出来なくなる」
レイセ:「その間に仮面とキシが勢力を拡大し、最終的に南大陸を残して戦争になる」
バラック:「待て!」
バラック:「戦争だと!」
バラック:「人間同士でか!?」
レイセ:「最悪な」
レイセ:「仮面とキシは、連合都市ゼススト、ロベストロニア帝国、氷上国家カハを巻き込むだろう」
レイセ:「管理者の少女は、仮面と組んで魔物の王を討つ事に成ると示唆してきた」
レイセ:「奴らと手を組む事態など、勢力が二分していないと起こり得ない」
レイセ:「恐らくそうなる」
レイセ:「戦争が起こる場所も見当が付く」
レイセ:「位置の問題だ」
クラウシア:「我々か……」
バラック:「我が国か……」
レイセ:「連合国クロトかもな」
プロミ:「ダンジョンの攻略速度が問題ね」
リビア:「確かにそうなりますね」
ダズ:「戦争が始まる前に自国のダンジョンを攻略し終えていないと枚数を稼げない、か」
ロウエル:「残りの三国を滅ぼして、仮面とキシを討てば良いのでは?」
レイセ:「人を殺す事を割り切れたとしても得られるものは少ないだろ」
レイセ:「魔物の王を討てなきゃ選定は終わらない」
レイセ:「南大陸が攻略出来ないからな」
レイセ:「たぶんそうなる」
レイセ:「仮面達を戦力に入れないと無理なんだろ」
バルド:「相手の戦力を削りつつ、共闘もせんといかん訳か、大変じゃのう」
レイ:「本当に我々で対処できないのかい?」
シロ:「お前らは弱い」
シロ:「三分の二を死守する事を考えろ」
レイセ:「シロさん!」
レイセ:「いたのか!?」
シロ:「俺にさえ気付けないんじゃ、この先が思いやられる」
レイセ:「基本的に中立だと言ってなかったか?」
シロ:「『ロストエンド』の引継ぎが完全に終わった」
シロ:「お前を鍛えないとな」
クルダム:「挨拶は抜きにさせて貰います」
クルダム:「シロさん、融合者の情報は頂けるのですか?」
シロ:「無理だ」
シロ:「『ロストエンド』を離れた事で、『本』の記憶を消されている」
レイセ:「そう来たか」
ロウエル:「話を変えます」
ロウエル:「一応確認です」
ロウエル:「三国との貿易はどうします?」
ダズ:「……、継続だろうな」
プロミ:「そうね、戦争を促すだけだわ」
ロウエル:「まあ、そうですよね」
リアンナ:「他に意見は~?」
リビア:「私も一応確認なんですが……」
リビア:「残り三国から連絡は来ていませんか?」
クラウシア:「声は掛けた」
クラウシア:「返答なしだ」
バラック:「同じく」
バラック:「カハはどうだ?」
フレド:「無いぜ」
プロミ:「残りの三国の王は融合者の可能性が高いわね」
プロミ:「今連絡が無いなら、契約解除派かも」
リアンナ:「意見は出そろったかしら~」
リアンナ:「じゃ、ダンジョン攻略を具体的に詰めていきましょ~」
会議は夜中まで続いた。
魔物の王が仕掛けて来ないとも限らない。
その事も含めて議論が交わされた。
転送装置の有無がかなり効いている。
人工衛星もだ。
どこかに見落としが無いことを願うばかりだ。
* *
(※『ウォーターフォックス』、キシ・ナトハ・ソアミ・カジャー視点です)
(時間は三か月前に戻ります)
僕がプロンシキを離れたタイミングで衛星軌道上の魔物を討ち、引き金を引くとは。
なかなかやってくれる。
レイセ、やっぱり面白い奴だ。
物語の流れだと、彼が管理者に成るんだろうな。
このまま進めばね。
僕の狙いは、物語を破綻させる事。
悪役になってでも破綻させてやる。
この世界は間違っている。
僕が生き残っているのがその証拠だ。
あの時僕は仲間を裏切った。
僕は、僕が死なない状況に不満がある。
不満って、言葉にすると陳腐だな。
自殺じゃ足りないって思いで生きてるんだけど。
仮面の男『復讐者』。
彼はいつ僕と接触するつもりだろう?
僕の存在はわかってる筈だ。
席は三席ある。
一席はレイセ。
二席目は『復讐者』。
三席目が問題だ。
僕が食い込めれば、破綻が確定する。
どう引っ掻き回してやろう?
魔物の王がどう出るのかもわからない。
情報が不足している。
とりあえず、『復讐者』から接触があるまで勢力の拡大だな。
既定路線を行くと物語を上回れない。
行先はロベストロニア帝国。
連合都市ゼスストと揉めている。
使える。
精々楽しく踊って貰うとしよう。
* *
三か月経った。
ここ、聖国クリアで会議らしい。
警備がやたらと厳重だ。
警備の厳重さから予測出来る。
『フィナリスラーウム』の関係国が全て揃ってるんだろう。
『復讐者』と接触できていないのが痛い。
可能なら今仕掛けたい所なんだが。
この速度で会議が開かれる。
移動と連絡時間から考えて特別な移動手段がありそうだ。
こっちはまだロベストロニア帝国に辿り着いても居ない。
目立たないよう移動するのは大変だった。
僕はどうしても目立ってしまうからね。
僕の勘が正しければ、『復讐者』はレイセを監視してる。
まず間違いが無い。
そうでなければノスヘルに現れる筈が無い。
レイセはきっとその意味に気付いてないだろう。
マスターがグレイ・フレイムを使えていたら僕は諦めてた。
魔物の王が配下を三人も差し向けた筈の街がこんなにも平和だとは……。
その後の戴冠式は盛大だったらしい。
それとは対照的に、結婚式は身内で開かれたとか。
犠牲が出たと言ってる様なものだ。
誰だ?
誰が減った?
情報を仕入れないとな。
* *
聖国クリアを抜け海に出た。
僕の神獣は水中の方が移動しやすい。
聖国に寄ったのは情報収集の為だ。
戴冠式でレイセは消える移動をしてみせた。
理魔法を応用したのだろう。
僕も試してみた事がある。
僕には不可能だった。
各国の不自然な移動時間は、それを応用したのだろう。
転送装置。
人工衛星。
かなり頭のキレるやつがいるらしい。
見当はついてる。
黒沼直樹だろう。
僕に時間を与えすぎたな。
もうロベストロニアに着く。
ロベストロニアには『静寂』がいる。
皇帝もメンバーだ。
『静寂』は二十人のチームだ。
問題無いだろう。
* *
『静寂』のメンバー数人を殺害した。
僕が欲しいのは死体だ。
全員暗殺する予定だ。
死体から情報を抜き取ってそのまま利用する。
死体を生きている様に操るのは得意でね。
情報を抜き取りながら操れる。
それに強い人間の死体からは強い死兵を作り易い。
僕が死兵を何体操れるかは、僕にも解らない。
脳が焼き切れると良いのにな。
『静寂』の死体を操って、ロベストロニア帝国が連合都市ゼスストに攻めるつもりと思わせる。
ゼスストの『トパーズ』には、僕につく様に勧誘しておいた。
『静寂』で内乱があり、皇帝がゼスストに攻め入るかもしれない。
僕が何とか止めて見せる、と言っておいた。
『静寂』の他のメンバーは止めたが皇帝が聞かなかった、そういうシナリオだ。
どの国も国同士の争いに慣れていない。
僕は今まで骸骨になった死体しか操ってこなかった。
腐らせないで操れるとは思わないだろうな。
信じるしか無いだろう。
戦争状態に入る寸前に、僕が出て行って皇帝を仕留めて見せれば万事解決。
契約解除を約束する、『リーベラティオー』の完成だ。
意味は解放。
ふざけたネーミングだが、物語からの解放を意味している。
間違ってはいない。
世界が破滅するだけだ。
嘘がバレて僕が死ぬか、その前に選定が終わるか、勝負って感じだ。
僕が死んでも『復讐者』が勝つ手を思いついた。
僕の嘘につられてどれくらい人が集まるだろう?
僕は人気が無いからな。
心配だな。
まー、嘘だけど。
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