『ジ ワン』～神獣との契約者、不老の人外は挑み続ける～

第5話 癖

　レイセ：レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

　　　　　黒戸零維世。

　　　　　連合国クロトと聖国クリアの王。

　リビア：聖国クリアの元代表。

　　　　　レイセと結婚している。

　プロミ：プロミネンスの略で通り名。

　　　　　本名はルビー・アグノス。

　　　　　黒崎鏡華。

　　　　　月と太陽の国アウグストラの女王。

　　　　　国では現人神と扱われている。

　リアンナ：リアンナ・ドバスカリ。

　　　　　　海洋国家ドバスカリ女王。

　　　　　　黒沢香織。

　　　　　　ファガスと結婚。

　ニーナ：ニーナ・アイマー。

　　　　　黒戸美月と融合した。

　　　　　五章主人公。

　アリア：アリア・アランテ。

　　　　　篠宮美弥子と融合した。

　　　　　ニーナとは幼馴染。

　コナル：青井友介。

　　　　　連合国クロトの戦闘顧問。

　　　　　黒戸美月が気になる。

　ファガス：黄山十夜。

　　　　　　海洋国家ドバスカリの重要処。

　　　　　　リアンナと結婚した。

　ベル：黒沼直樹。

　　　　聖国クリアの守護者長の纏め役。

　　　　ランと結婚した。

　　　　物理と数学の教師。

　ラン：聖国クリアの守護者長。

　　　　案内人最後の七人の内の一人。

　　　　案内人時代はリビアが師匠。

　ダズ：聖国クリアの代表代理。

　　　　クリアの元上司。

　　　　アリアにプロポーズした。

　フレド：フレドリック・ユルロア。

　　　　　ピナンナと結婚。

　　　　　連合国クロトの守護者長の纏め役。

　アル：聖国クリアの守護者長。

　　　　案内人最後の七人の内の一人。

　　　　戦闘は魔法タイプ。好戦的。

　ボーデン：ボーデン・バレット。

　　　　　　フレドの補佐。

　　　　　　元冒険者。

　　　　　　戦闘は魔法タイプ。

　セシル：セシル・マイカ。

　　　　　連合国クロトの近衛兵。

　　　　　お嬢様風。

　　　　　コナルに惚れている。

　シャレット：シャレット・キニクル。

　　　　　　　連合国クロトの近衛兵。

　　　　　　　お転婆風。

　　　　　　　コナルに惚れている。

　ゼレア：ゼレア・ロットル。

　　　　　連合国クロトの近衛兵。

　　　　　姉御風。

　　　　　コナルに惚れている。

　シルドレ：シルドレ・ナバリ。

　　　　　　連合国クロトの近衛兵。

　　　　　　不思議さん風。

　　　　　　コナルに惚れている。

　ジーク：聖国クリア所属。

　　　　　レイセに認められ、守護者の中でも特別扱い。

　　　　　自由に鍛えている。

　ラトス：ラトス・ミュラ。

　　　　　連合国クロトの守護者長。

　　　　　ゼアスと名乗ったレイセと一騎打ちした。

　ピナンナ：ピナンナ・ラクトリ。

　　　　　　連合国クロトの守護者長。

　　　　　　フレドと結婚。

　リドット：リドット・シルベスト。

　　　　　　連合国クロトの守護者長。

　　　　　　二章閑話で主人公だった。

　ワイツル：ワイツル・アフガーニ。

　　　　　　連合国クロトの守護者長。

　　　　　　二章閑話でリドットを注意。

　お互い右片手剣を相手の片手剣と交差させた。

　お互い左は何も持っていない。

　剣と剣が触れ合った瞬間、一旦右を引いて、左手に出した剣を横に振るう。

　二人共全く同じ動作。

　左の剣同士がぶつかり合う。

　刃は潰してある。

　全力だ。

　振り抜くつもりだったが、アリシアの剣を弾き返せ無かった。

　ぶつかり合った剣は途中で止まった。

　重い。

　剣圧はほぼ互角。

　そう判断して剣を引く。

　二人同時だ。

　アリシアもそう判断した。

　二人共一歩ずつ後退。

「なるほど」

「なんの納得だよ」

「今の全力？」

「あの踏み込みではそうだな」

「ふーん」

　右を振るい、振り抜く途中でバスタードソードを具現化する。

　やはり全力で振るう。

　アリシアも全く同じ動作。

　アリシアは俺の動作を後からマネているらしい。

　アリシアの剣速は俺の振りに追いつく。

　二人共同じタイミングで左に盾を出し、右を防ぐ。

　二人共右に一歩ズレる。

　剣速はアリシアのが上かも知れない。

　アリシアが一歩半踏み込んだ。

　素早い。

　フルーレでの突き。

　鋭い突きが到達する寸前に消える。

　瞬間移動だ。

　さっそく使ってきやがった。

　俺は呼吸を止めた。

　瞬きも。

　俺の右側に移動したアリシアはそのまま突きを狙ってくる。

　俺は短剣で上に払う。

　俺は続けて左を振るい、途中でダガーを出す。

　間合いが届いていないが関係ない。

　瞬間移動でアリシアの背後に回り、首裏に刃を当てる。

　アリシアは三歩離れた位置に瞬間移動。

　彼女は俺に向き合った状態で槍を構えた。

　俺は追わなかった。

「まだ続けるのか？」

　アリシアは汗をかいている。

　冷汗かな？

「どうやって防いだの？」

「視線で飛ぶ位置が大体わかる」

「後は勘だ」

「今のやり取りでそれがわからなきゃ、お前には無理だ」

「……」

「教えてくれてありがとう」

「どういたしまして」

「戦いの中で克服するのは無理だぞ」

「意識すると逆効果だ」

「どうかしら？」

　まだ諦めないらしい。

　俺は、瞼を閉じた。

　アリシアは唾を飲み込んだ。

　俺はハンマーを出した。

　長柄の奴だ。

　大きく横に振りかぶる。

　瞬間移動。

　アリシアの左に出て、思い切り振りぬく。

　アリシアは大盾でガード。

　俺は瞬間移動。

　逆側に出て、ハンマーを振り抜く。

　アリシアは向き直ってギリギリガード。

　結界で防ぐ間を与えない。

　俺は瞬間移動。

　背後から大剣の振り下ろし。

　アリシアの肩に大剣が触れた。

　アリシアは瞬間移動。

　肩を押さえる彼女の首筋に俺の短剣が当たっている。

　俺は瞬間移動して彼女の背後に立っている。

「降参する」

「目を閉じて、どうやって瞬間移動してるの？」

「どうやって私を捕捉してるの？」

「お前の視線に殺気が乗っている」

「それを読む」

「目を閉じていても感じる」

「これからは視線を矯正しろよ」

「初めて負けたわ」

「お前は経験不足だ」

「瞬間移動に頼り過ぎ」

「結婚して」

「断っただろ」

「私が勝ったら結婚して」

「嫌だって、負けないけどな」

「バルド、俺とやるか？」

「お前強くなったなー」

「わしは感心したぞ」

「わしは瞬間移動できん」

「勝負にならん」

「じゃ、プロミ」

「お前がやってくれ」

「良いわよ」

「お前、瞬間移動連続で出来たんだな」

「コナル、今言うな」

「アリシアにバレただろ、初めて試したわ」

「明日会議だぞ、どうしよう？」

　みんなは笑ってる。

「お爺ちゃん何それ？」

「初めてなの？」

「もう爺ちゃん言うな」

「レイセな」

「わかった、レイセ」

　名前で呼んで、嬉しそうにするなよ。

　頭痛い。

「俺はまだ瞬間移動に慣れていない」

「疲れが翌日に噴き出す」

「お前が諦めてなかったら、俺の負けだった」

「あー！」

「なんかイラっとした」

「そうだぜ」

「腹立つんだよな」

「フレド、相手してやろうか？」

「主様」

「時間です」

「わかったナナ」

「着替えに行く」

「お爺ちゃんどこ行くの？」

「午後から『創聖』のチームリーダーと顔合わせだ」

「用意しないと」

「昼飯に食堂で会おう」

「アリシアはしばらく瞬間移動禁止な」

「勝手に決めないでよ」

「孫は爺のいう事を聞くもんだ」

「お前はわしのいう事聞かんかったがな」

「お前がおらん間に、お前が昔震えて逃げ回ってた話しといてやる」

「バルド、ほどほどに頼む」

「俺は威厳が無いらしい」

「大問題なんだ」

「じゃーな」

「みんな食堂で待ってるぞ」

　着替えた。

　食堂へ向かう。

　何食べようかな？

　今日は、中華らしい。

　中華料理なんてこの世界には無かったが俺がメニューに加えた。

　俺は餃子と麻婆豆腐と炒飯のセットを頼んだ。

　他には餃子と天津飯と焼売のセット、餃子とエビチリとチンジャオロースのセットがある。

　注文を待ってると、みんながぞろぞろと食堂に来た。

　レイセ：「遅い」

　フレド：「うるせー」

　コナル：「餃子が被ってるな、まあ美味いからいいか」

　ラトス：「三セット頼むつもりか？」

　コナル：「三セットと炒飯大盛りで！」

　ファガス：「ラトス、いつもの事だろ」

　ピナンナ：「ですね」

　ワイツル：「です」

　レイセ：「アリシア、お前こっちに来い」

　アリシア：「……、いいけど」

　レイセ：「どした？」

　レイセ：「顔暗いぞ」

　アリシア：「瞬間移動使いたい」

　ダズ：「いじめ過ぎたらしい」

　バルド：「わはは！」

　バルド：「いい薬じゃい」

　レイセ：「あれから何試合かしたのか？」

　リビア：「私とプロミとダズで……」

　プロミ：「瞬間移動を禁止にした理由がわかったわ」

　アル：「攻撃が素直すぎる」

　アル：「対人戦が苦手らしい」

　ベル：「僕達のイメージを送っときましたよ」

　ニーナ：「アリシアちゃん私と友達になってね」

　アリア：「あ、私も」

　アリシア：「うん、ありがと」

　プロミ：「私達はどうしょっか？」

　リビア：「結婚はダメです」

　リビア：「割って入るならライバルとして扱います」

　リアンナ：「厳しいのね～」

　レイセ：「アリシアはエウェルそっくりだからなー」

　プロミ：「え？」

　プロミ：「そうなの？」

　リビア：「『最初の冒険者』の紙原本を買いに行ったときに会った事があるんです」

　プロミ：「へー」

　ラン：「あたし、ちょっと寒気が……」

　カー：「僕も」

　ボーデン：「そっくりとは興味深いですね」

　ジーク：「…………」

　アル：「ジーク、ぼーっとしてどうした？」

　ジーク：「惚れた、かも」

　アリシア：「弱い男はダメなんだから」

　ジーク：「くっ、王」

　ジーク：「今日時間は？」

　レイセ：「鍛えて欲しいって？」

　レイセ：「『創聖』と話してからな」

　レイセ：「ダズ、リビア、準備出来たか？」

　リビア：「私達は何度も会ってるので普段の格好でいいのですが……」

　ダズ：「お前はちょっとたじろぐかもな」

　レイセ：「どう言う意味だ？」

　ダズ：「ロミールは楽しみにしてるぞ」

　プロミ：「リビアから聞いた話だと、熱烈なファンって感じらしいわ」

　レイセ：「ファン、ファンね」

　レイセ：「心当たりがあり過ぎる」

　コナル：「なんだよそれ」

　コナル：「心当たりなんてどこにあんだよ」

　ファガス：「は」

　ファガス：「訓練場に連れて来い」

　ファガス：「模擬戦でレイセが負けるとこ見せてやる」

　レイセ：「俺はお前が心配だ」

　レイセ：「リアンナに負けるとこまた見せるのか？」

　ニーナ：「コナル、頑張って」

　コナル：「非常に辛い」

　リアンナ：「ファガス、別に負けても好きよ～」

　ファガス：「俺も辛くなってきた」

　アリア：「勝つ所が見たいな」

　ダズ：「わかった」

　レイセ：「何がわかったんだよ」

　フレド：「ダズはさっき瞬間移動出来てたぞ」

　フレド：「お前の連勝は今日で終わる」

　フレド：「いい気味だぜ」

　レイセ：「面白い、受けて立つ」

　バルド：「お前らいつもこんなか感じか？」

　バルド：「感心するのー」

　レイセ：「爺も馴染んでもらうぞ」

　バルド：「爺は止せ」

　バルド：「それにしても、わし、若返りそうじゃな」

　俺は食べ終えた。

　レイセ：「大広間で待ってるぞ」

　リビア：「ええ」

　ダズ：「わかった」

　どんな奴が来るか楽しみだ。

　複数人で来るらしい。

　五人。

　また実力を試す事になる。

　俺の実力も見せないとだしな。

　明日、動けるかな？

　心配になって来た。