24話 打って出る

 ニーナ:ニーナ・アイマー。

     黒戸美月と融合した。

     五章主人公。

 アリア:アリア・アランテ。

     篠宮美弥子と融合した。

     ニーナとは幼馴染。

 レイセ:レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     黒戸零維世。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

 リビア:聖国クリアの元代表。

     レイセと婚約している。

     すでにリビア・クロトと名乗っている。

 プロミ:プロミネンスの略で通り名。

     本名はルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     国では現人神として扱われている。

 リアンナ:リアンナ・ドバスカリ。

      海洋国家ドバスカリ女王。

      黒沢香織。

      ファガスと婚約。

 コナル:青井友介。

     連合国クロトの戦闘顧問。

     黒戸美月が気になる。

 ファガス:黄山十夜。

      海洋国家ドバスカリの重要処。

      リアンナと婚約した。

 ベル:黒沼直樹。

    聖国クリアの守護者長の纏め役。

    ランと結婚した。

    物理と数学の教師。

 ラン:聖国クリアの守護者長。

    案内人最後の七人の内の一人。

    案内人時代はリビアが師匠。

 ダズ:聖国クリアの代表代理。

    クリアの元上司。

    アリアにプロポーズした。

 フレド:フレドリック・ユルロア。

     ピナンナと婚約。

     連合国クロトの守護者長の纏め役。

 アル:聖国クリアの守護者長。

    案内人最後の七人の内の一人。

    戦闘は魔法タイプ。

    好戦的。

 ボーデン:ボーデン・バレット。

      婚約者がいる。

      フレドの補佐。

      元冒険者。

      戦闘は魔法タイプ。

 リトアニ:魔道国家ネストロスの宰相。

      出来る宰相。

      モテそうな見た目なのに独身。

 サッサラ:魔道国家ネストロスの魔道技師。

      ラナイア、へサルの上司。

      リトアニがモテないように火種を潰して回っている。

      リトアニには全く気付かれていない。

      マジックバック開発者。

 ツァーリク:月と太陽の国の守護者。

       実力はあるが長ではない。

       正確に難がある。

       優男。

 フィビニ:月と太陽の国の守護者。

      能力が突出し過ぎて別枠扱い。

      至って平凡な見た目。

 カー:聖国クリアの守護者長。

    ベル、ラン、とは兄妹同然で育った。

    琥珀聖。

    魔法タイプ。

 カイン:聖国クリアの守護者長。

     レナメントレアの元王子。

     レイセに父親を殺された。

 シェルミ:聖国クリアの司書長。

      賢者。

      レナメントレアの元姫。

      レイセに父親を殺された。






 時計を確認する。


 朝だ。


 森の中、澄んだ空気。


 物音一つしない。




 鈍った頭で、意識を集中する。


 頭痛がした。


 私の索敵範囲内に雑魚は居ない。


 索敵範囲の境界に三つ反応がある。


 敵はレイセ達が食い止めてる。


 全力の『H―――― ――― ――――』の副作用で、もの凄い倦怠感だ。


 敵の侵攻が止んだ所為で集中が切れて、興奮が収まってしまった。


 動ける者は何人いるだろうか?


 皆の反応は欠けていない。


 死んではいない。


 でも、動ける人はそう多くない筈だ。




 どうしたものか?


 定位置を離れて、敵に向かった方が良いのか?


 打ち合わせていない。


 そう思っていたら、魔道具が振動する。


 緊急時の強制通話だ。


 応答しなくても、向こうが一方的に話せる。


 その権限は、全員持っている。


 でも、声の主は解っている。


 レイセ:「…………」

 レイセ:「俺だけ前線から一旦離れた」

 レイセ:「動ける者は俺目指して集まってくれ」

 レイセ:「足を引っ張りそうなら、来ないでくれ」

 レイセ:「無理するな」

 レイセ:「来れる奴」

 レイセ:「俺達がもう持たない」

 レイセ:「すぐ来てくれ」

 レイセ:「以上」

 レイセ:「通信を終わる」



 兄貴の所に集まれたのは、ダズ、ラン、カー、ベル、アリア、リトアニ、カイン、シェルミ、フィビニ。


 私とレイセ達を入れて、十八人。


 残った方だろう。




 言っておく、十四日なんてもんじゃ無かった。


 その倍はかかった。


 兄貴は、足を引っ張るなら来ないでくれと言ったが、人数が足りていない。


 残った仲間も、来れなかった仲間もそれを解っていた。




 私は全滅を予感していた。


 私達は、疲弊しきっている。


 ニーナ:「兄貴、案は?」

 ニーナ:「あるんでしょ?」


 レイセ:「ああ、六人にはもう伝えてある」

 レイセ:「俺達は疲弊し過ぎた」

 レイセ:「もう赤いのを俺一人だけで相手出来ない」


 ニーナ:「それで?」


 レイセ:「配下三体を全員で連携して倒すしかない」


 ニーナ:「続けて」


 レイセ:「みな体力が残ってない」

 レイセ:「一気に行く」

 レイセ:「魔物の王の為に備えていた策を試す」

 レイセ:「基本的に、赤いのの相手はニーナ」

 レイセ:「黄色いのはプロミ」

 レイセ:「紫はリビア」

 レイセ:「他は補佐だ」


 ニーナ:「理由を聞いても良い?」


 レイセ:「奴らには存在感にダメージを与えられない」

 レイセ:「何度も言うが俺達に時間は無い」

 レイセ:「結論を言うと、俺自身が武器になる」

 レイセ:「双剣だ」

 レイセ:「リビアとプロミが一本ずつ使う」

 レイセ:「存在感にダメージを与えるには、存在感にダメージを与えるイメージを強く持った武器で対抗する」

 レイセ:「コナルがニーナの武器になる」

 レイセ:「奴は絶対に折れない」

 レイセ:「ダズ、お前は楽器になれ」

 レイセ:「アリアが演奏する」

 レイセ:「ニーナ、歌いながら戦え」


 ニーナ:「やるしか無いんでしょ?」

 ニーナ:「やるわ」


 ダズ:「アリア、楽器は?」


 アリア:「ホントはピアノが欲しいけど、ギターで良いわ」


 ダズ:「了解、お姫様」


 リアンナ:「私も武器に成るわ」


 レイセ:「お前、いつの間に?」


 リアンナ:「ふふ、秘密」


 レイセ:「ファガスなら大切に扱うだろ」


 リアンナ:「もう、少しくらい乱暴でも構わないわ~」


 レイセ:「ファガスにはニーナを手伝うよう言ってある」


 フィビニ:「ニーナさん、イメージを流してくれますか?」


 ニーナ:「いいですよ」


 フィビニ:「今回の雑魚戦でいい勉強に成りました」

 フィビニ:「今なら力に成れそうです」


 ニーナ:「?」


 私は、フィビニにイメージを送った。


 フィビニ:「大体掴めました」

 フィビニ:「試してみても良いですか?」


 フィビニ:「ダズさん、ギターに成って下さい」


 ダズ:「流石に手本が無いと無理だ」

 ダズ:「レイセ、先に見せてくれ」


 レイセ:「たぶん長くやると、意識が吹き飛ぶ」

 レイセ:「見せたら一旦戻る」

 レイセ:「一瞬だけだ」


 レイセは、全身を部分融合で包み、黒くなった。


 黒い塊。


 そこから二本の剣になる。


 地面にガランと剣が落ちた。



 剣は、レイセに成る。


 一瞬だ。


 レイセ:「ダズ、やれそうか?」


 ダズ:「なんとかするさ」

 ダズ:「物質化出来る事を確認出来た」

 ダズ:「俺だってやれる」

 ダズ:「だろ?」


 レイセ:「その考え方、気に入った」


 ダズは紫の塊に成り、ギターに姿を変えた。


 アリアが拾い上げる。


 フィビニ:「アリアさん、演奏をお願いします」


 アリア:「曲は?」


 フィビニ:「『―――』」


『―――――――――』

『――――――――――』

『―――――――――――――』

『―――――――――』

『― ―――――――』

『― ―――――』

『―――――――』

『――――――』

『――――――――』


『――――― ――― ―――――』

『―――’ ― ―――― ―――― ――――』

『――――― ――― ―――――』

『―――――――― ― ―――― ―― ―――――』


『―――――――――』

『――――――――』

『―――――――――――』

『―― ――――――』

『―――――――――――?』

『「―――――――――」』

『―――――― ―――――――――――』


『――――――――――――』

『―――――――――――――』

『―― ―― ―――――』

『――――― ――――――――』

『――――――――――――』

『―――――――――――――』

『――――――――――』

『― ――――― ―― ――――― ―――― ―――――――』


『――――――――――』

『―――――――――――』

『――――――――――――』

『―――――――――――――』

『―― ―――――――』

『―――――― ―――――』

『―――― ―――――――』

『――― ―――――――』


『――――― ――― ―――――』

『 ―――’ ― ―――― ―――― ――――』

『――――― ――― ―――――』

『― ―――― ―――――― ――――? ― ―――’ ― ――――』


『――――――――――』

『――――――――――』

『―――――――――――』

『―――――――――――』

『――――――――』

『――――――――― ――』

『― ――――――――――』



 レイセ:「プロミの国はどうかしてるぞ」

 レイセ:「大人しいだけで、ツァーリクと変わらんとは」


 ニーナ:「もっと酷くない?」


 フィビニ:「我が女神は『C―――』の方が好みでしょうか?」


 レイセ:「知らんわ」

 レイセ:「俺に聞くな」


 ニーナ:「音魔法、盗まれたー」


 アリア:「ダズ、聞こえてる?」

 アリア:「いったん戻って」

 アリア:「いい感じだった」


 ダズが戻った。


 ダズ:「やれそうだ」


 レイセが振り返ると、仮面の男が立っていた。


 仮面:「さっさとやれ」


 レイセ:「手伝ってくれても良いぞ」


 仮面:「ふざけるな」

 仮面:「この場で纏めて切り捨てるぞ?」


 レイセ:「手伝わないなら、黙って見てろ」


 仮面:「何度も言わせるな、さっさとやれ」


 レイセ:「無視しよう」


 仮面:「…………」

 仮面:「チッ!」


 レイセ:「ラン、もし手が足りなかったら、お前が武器化してくれ」

 レイセ:「ベル頼むぞ」


 ラン:「了解」


 ベル:「引き受けました」


 カー:「…………」


 ラン:「カー、どうしたの?」


 カー:「いや、いい」


 私達は配下三人に向かって全力で走った。

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