23話 バニラスカイ
時刻は夜だ。
何日目だっけ?
『――――――――― ――――――――――』
私はゴブリンの左足に槍を突き、ゴブリンの隣のオークにダガーを振り下ろす。
『――――――――― ――――――――――――――』
オークに右手のダガーを受け止められるが、両手で握り直し、首に強引に押し込んだ。
『――――――――――――――――』
振りむいて、槍が刺さったゴブリンの頭に短剣を投げた。
『―――――――――――――――』
矢を射ってきたリザードマンに、矢を打ち返す。
『――――――――――』
矢を盾で弾いてる間に近づき、盾をハンマーで叩き割った。
『――――――――――――――――――――』
リザードマンに馬乗りになり、ナイフを振り下ろす。
『―――――――――――― ―――――――――――――』
矢が飛んでくるが結界で防ぎ、気にせずナイフを押し込んだ。
『――――――――――――― ――――――――――――』
矢が飛んできた方向にダッシュする。
『――――――――― ――――――――――――――――――』
オークの右肩に斧を叩きこみ、隣のオークに左手で槍を突く。
『―――――――』
右手の剣で右のオークの目を根元まで突き、左手の剣で左のオークの目を根元まで突いた。
『――――――――――――――――』
『――――――――――――――』
『―――――――――』
右手に出来た裂傷に意識を集中させ、一気に再生させる。
眠気で意識が飛びそうになる。
『―――――――― ――――――――――』
ラインを越えようとする奴がまた出た。
『――――――――――――』
槍をぶん投げる。
『――――――――――――――』
ミノタウロスの胸に命中する。
『――――――――― ―――――――――――』
不意に脇腹を切られた。
『――――――――――――――?』
右手でゴブリンの右腕を刎ね、左手で首にナイフを叩きこむ。
『―――――――――――――』
オークが斧を振り降ろした。
『―――――――――――― ―――――――――――』
両手で斧を持った手を抑える。
『―――――――――― ――――――――――――』
右足でオークの腹に蹴りを入れる。
『――――――――――――――』
首が下がって来た。
オークの首に膝蹴りを入れて、斧から手を離させた。
オークの首にナイフを立てる。
『――――――――――――― ―――――――――――――』
脇腹の傷を回復させる。
『―――――――――――――― ――――――――――――――』
打撲は、今はいい。
『―――――――――――――― ――――――――――――』
槍を連続で投げる。
『――――――――』
オオカミの魔物に覆いかぶせられ、剣で防ぐが、剣を咥えられる。
『―――――――――――――――――』
剣を放し、オオカミの頭にナイフを叩きこむ。
『―――――――― ―――――――――――――』
オオカミの死体を体から退かせる。
『―――――――――――――(――――――――――――――――)』
振り下ろされる剣を後ろに躱す。
『―――――――――― ―――――――――――――』
一体を囮に三体のオークが抜けようとする。
『―――――――――― ―――――――――――』
抜けた三体の内、一体に短剣を投げて仕留める。
組み合ってる一体の攻撃を防ぎながら、もう一本ナイフを投げる。
組み合っている一体を背負い投げて、地面に落とし、ナイフを突き立てる。
急いで槍を投げる。
ナイフの刺さったオークと槍の刺さったオークにナイフで留めをして回る。
『――――――――――――――――』
『――――――――』
『―――――――― ――――――――――』
『――――――――――――』
『――――――――――――――』
『――――――――― ―――――――――――』
『――――――――――――――?』
『――――――――――――』
『―――――――――――――――――――――――――』
『――――――――――――』
『――――――――――――』
『――――――――――――』
はぁ、はぁ。
はぁ、はぁ。
つ、次は?
どっち?
いや、まて、少し余裕がある。
よく考えろ。
敵の勢いは衰えない。
『大三連』の再現で、敵を散らす事に成功していなかったら、抜かれていた。
何日経ったか解らないが、今も苦しい。
苦しい。
苦しい。
助けは来ない。
こんな時、どうするんだっけ?
知ってる。
何か手を考えるんだろ?
そう都合よく思いつくかよ!
なめてんじゃねーぞ。
発想一つで打開できるわけねーだろ!
くそっ!
あー、あー、あれやるか?
どうなるかわからんけど。
わからんけど。
逆に苦しく成かもだけど。
手遅れになる。
甘く見るとダメだ。
やろう。
レイセに連絡だ。
魔道具で兄貴に連絡を取り、軽く説明した。
あっさりOKしやがった。
だと思ったよ。
副作用がある、あの曲を全開で流す。
皆の携帯端末から流させる。
疲労が消し飛ぶ筈だ。
曲名は?
解るだろ?
ニーナ:「兄貴、歌うよ」
レイセ:「全員に確認した」
レイセ:「いつでもどうぞ」
『――――――― ―――――――――』
『―――――――― ―――――――――』
『――――――――』
『――――― ―――― ―――――――――』
『―――――――――――――― ―――― ――――――』
『―― ―――― ――――――――――』
『――――――――――――』
『――――――――――』
『――――――――――』
『―「――――」』
『― ――― ――――――――――― ―――――――』
『― ―――――――― ―― ―――――――』
『―――― ――――― ――――― ―――――』
『― ――――――――』
『―――― ――――― ――――― ――――――――』
『―――――』
『―――――――― ――――――――― ――― ―――!』
『―――’ ― ―――― ――――――――』
『―――――― ――― ―― ――――――――』
『―――― ――――― ―――――――!』
『―――’ ― ――――― ―― ――――』
『――――――――― ――――――― ――― ――――― ――――――』
『―― ――― ――――― ――?』
『――― ―― ― ――――』
『―――――― ―― ―――――』
『―――― ―― ――― ――』
『―’ ― ――― ―――――』
『――― ―― ― ――――』
『―――――― ―― ―――――』
『―――― ―― ――― ――』
『―’ ― ――― ―――――』
『――――――― ――――――――?』
『――――――― 「―――――」―――』
『―――――――? ―――――――――――』
『――――――――― ――――――――――』
『――――――― ―――――――――――』
『――――――――――――』
『――――――――――』
『―――――――――』
『―「――――――」』
『― ――― ――――――――――― ―――――――』
『― ――――――― ―― ――――――――』
『―――― ―――― ――――― ―――――』
『― ――――――』
『―――― ―――― ――――― ―――――』
『―――――――』
『―――――』
戦闘継続に必要になるからと言っても、やって良いことと悪いことがある。
これは悪いことだ。
勝っても、誰かが何かしら責任を取らなくてはいけない。
まあ、提案した私が引き受けよう。
疲労を感じないだけ。
麻痺しているだけだ。
限界はすぐに来る。
気持ちを切り替えて、今のうちに動くぞ。
さあ、やろう。
* *
それから、数日経った。
たぶんだ。
時間の感覚が無くなった。
忙し過ぎた。
朝焼けだったっけ?
夕焼けだったっけ?
わからない。
天気は、バニラスカイ。
何日目だかわからない。
夕方なのか朝方なのかわからない。
今。
敵の侵攻は、止まった。
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