20話 宴5

 ニーナ:ニーナ・アイマー。

     黒戸美月と融合した。

     五章主人公。

 アリア:アリア・アランテ。

     篠宮美弥子と融合した。

     ニーナとは幼馴染。

 レイセ:レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     黒戸零維世。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

 リビア:聖国クリアの元代表。

     レイセと婚約している。

     すでにリビア・クロトと名乗っている。

 プロミ:プロミネンスの略で通り名。

     本名はルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     国では現人神として扱われている。

 リアンナ:リアンナ・ドバスカリ。

      海洋国家ドバスカリ女王。

      黒沢香織。

      ファガスと婚約。

 コナル:青井友介。

     連合国クロトの戦闘顧問。

     黒戸美月が気になる。

 ファガス:黄山十夜。

      海洋国家ドバスカリの重要処。

      リアンナと婚約した。

 ベル:黒沼直樹。

    聖国クリアの守護者長の纏め役。

    ランと結婚した。

    物理と数学の教師。

 ラン:聖国クリアの守護者長。

    案内人最後の七人の内の一人。

    案内人時代はリビアが師匠。

 ダズ:聖国クリアの代表代理。

    クリアの元上司。

    アリアにプロポーズした。

 フレド:フレドリック・ユルロア。

     ピナンナと婚約。

     連合国クロトの守護者長の纏め役。

 アル:聖国クリアの守護者長。

    案内人最後の七人の内の一人。

    戦闘は魔法タイプ。

    好戦的。

 ボーデン:ボーデン・バレット。

      婚約者がいる。

      フレドの補佐。

      元冒険者。

      戦闘は魔法タイプ。

 リトアニ:魔道国家ネストロスの宰相。

      出来る宰相。

      モテそうな見た目なのに独身。

 サッサラ:魔道国家ネストロスの魔道技師。

      ラナイア、へサルの上司。

      リトアニがモテないように火種を潰して回っている。

      リトアニには全く気付かれていない。

      マジックバック開発者。

 クラウシア:武闘国家メロイリスの国家長。

       話術と人を見る目だけでのし上がった。

 ダリドベ:武闘国家メロイリスの守護者長の纏め役。

      クラウシアに惚れている。

 ツァーリク:月と太陽の国の守護者。

       実力はあるが長ではない。

       正確に難がある。

       優男。

 フィビニ:月と太陽の国の守護者。

      能力が突出し過ぎて別枠扱い。

      至って平凡な見た目。

 スーサル:海洋国家ドバスカリの守護者長。

      スキンヘッドの頑固おやじ。

      モテるが結婚してる。

 セシル:セシル・マイカ。

     連合国クロトの近衛兵。

     お嬢様風。

     コナルに惚れている。

 シャレット:シャレット・キニクル。

       連合国クロトの近衛兵。

       お転婆風。

       コナルに惚れている。

 ゼレア:ゼレア・ロットル。

     連合国クロトの近衛兵。

     姉御風。

     コナルに惚れている。

 シルドレ:シルドレ・ナバリ。

      連合国クロトの近衛兵。

      不思議さん風。

      コナルに惚れている。

 カー:聖国クリアの守護者長。

    ベル、ラン、とは兄妹同然で育った。

    琥珀聖。

    魔法タイプ。

 シア:魔道国家ネストロスの戦士長。

    国に近接戦闘が広まらなかった原因。

    天才剣士。

 ラナイア:魔道国家ネストロスの宮廷魔術師。

      攻撃魔法のエキスパート。

      へサルとコンビ。

 へサル:魔道国家ネストロスの宮廷魔術師。

     防御魔法のエキスパート。

     ラナイアとコンビ。

 タロスト:聖国クリアの守護者長。

      案内人最後の七人の内の一人。

      寡黙。

      今は弓以外も使う。

 ファニル:武闘国家メロイリスの守護者長。

      ダリドベに突っかかり、キニダゼに突っ込まれる。

 キニダゼ:武闘国家メロイリスの守護者長。

      ダリドベを尊敬している。

      ファニルのツッコミ役。

 ヒルデ:ヒルデ・ガント。

     月と太陽の国の神官長。

     プロミの一挙手一投足に感動を覚える。

 ノイトル:ノイトル・ロベスト。

      月と太陽の国の従者長。

      一見クール。

      他人を見下している。

 ドレファ:ドレファ・ダーラン。

      スーサルの弟子。

      格上を敬う気持ちが溢れ出ている。

 ダダン:ダダン・ダダン。

     スーサルの弟子。

     自己主張はしない。

     主の命令が絶対。

 カイン:聖国クリアの守護者長。

     レナメントレアの元王子。

     レイセに父親を殺された。

 シェルミ:聖国クリアの司書長。

      賢者。

      レナメントレアの元姫。

      レイセに父親を殺された。




 レイセ:「プロミ、用意出来てるんだよな?」


 プロミ:「当然」

 プロミ:「準備万端よ」


 レイセ:「ありがとう」

 レイセ:「助かるよ」


 プロミは良い笑顔を見せた。


 ああ、鏡華だ。


 懐かしい、あの笑顔。



 私はプロミに駆け寄った。


 アリアも来た。


 アリアはちょっと恥ずかしそう。



 私は、


 ニーナ:「鏡華、久しぶり」


 プロミ:「うん」

 プロミ:「来てしまったのね」


 ニーナ:「まあ、ね」


 プロミ:「しょうがない、歓迎してやるか」


 ニーナ:「当然でしょ」


 プロミは少し涙ぐんでいる。


 プロミ:「で、そっちが?」


 ニーナ:「そう、アリア」

 ニーナ:「篠宮美弥子」


 アリア:「初めまして」

 アリア:「アリア・アランテ」

 アリア:「篠宮美弥子です」


 ニーナ:「通称、ミヤミヤ」


 アリア:「その呼び方、美月だけだから」


 プロミは、ふふ、と笑った。


 プロミ:「私の自己紹介は必要なさそう」


 ニーナ:「私達三人は、親友と言っても過言じゃ無かったわ」


 アリア:「うん」

 アリア:「まだ一か月くらいの付き合いだったけどね」

 アリア:「気が合った」


 プロミ:「そう」

 プロミ:「アリア、仲良くしてね」


 アリア:「こちらこそ」


 リビア:「私も、仲間に入れて頂けたら……」


 プロミ:「当り前よ」

 プロミ:「何言ってんだか」


 ニーナ:「だね」


 アリア:「そうよ」


 リビア:「心配して損しました」


 ニーナ:「気にしてたんだ」

 ニーナ:「言ってくれれば良かったのに」


 アリア:「そうそう」


 プロミ:「あら、随分仲良さげ」


 ランが来た。


 ベルさんに手を引かれている。


 勇気がちょっと足りないらしい。


 最後はベルさんに、ドンと背中を押されて前に出た。


 ラン:「私も、私も、仲間に……」


 プロミ:「いいわよ」


 ニーナ:「リビアの事は、なんて呼ぶの?」


 ラン:「姉貴?」


 アリア:「レイセさんの婚約者だから?」


 ラン:「だって、師匠だし」


 リビア:「それで妥協してあげましょう」


 ラン:「うん!」


 四人で、なんか、抱き合った。


 広間の真ん中で目立ってるが、構うもんか。



 気付くと、リアンナが、やれやれ、って感じで見守ってた。


 リアンナ:「ルビー、あれ、捕って来てくれたのよね?」


 プロミ:「あんたは、しょっちゅう食べてるじゃない」


 リアンナ:「飽きると思ってるの?」


 プロミ:「まあ、そうか」


 リビア:「楽しみです」


 ニーナ:「何、食べさせてくれるの?」


 レイセ:「俺も初めてやるから、上手くいくかわからんが」

 レイセ:「ニーナ、お前は見るの初めての筈だ」

 レイセ:「じゃ、さっそく始めるか」


 プロミ:「そのテーブルに乗せるつもり?」


 レイセ:「ん?」

 レイセ:「問題か?」


 プロミ:「もっと大きくてしっかりした台が必要よ」

 プロミ:「私が出した方が良さそうね」


 プロミは赤いテーブルを具現化させた。


 用意されていたテーブルの三倍くらいある。


 何となく読めてきた。


 レイセ:「今からマグロの解体を始める」

 レイセ:「みんな、集まってくれ」

 レイセ:「豪快にやるぞ!」


 他のテーブルを少しずつ移動させて、赤いテーブルの前にスペースが出来た。


 皆が集まって来た。


 ベル:「テーブルが大きい」

 ベル:「相当な大物と見ました」

 ベル:「期待できる」


 ダズ:「マグロって言うと、あの身が赤い奴か」


 フレド:「そうそう」

 フレド:「それ」


 アル:「食べた事無いな」

 アル:「酒には合うのか?」


 ボーデン:「米を原材料にした醸造酒が合うらしいです」

 ボーデン:「調味料は、醤油とわさび、との事」


 リトアニ:「醤油か」

 リトアニ:「聞いた事はあるが……」


 サッサラ:「異世界の日本人は、生で食べるとか」


 クラウシア:「生」

 クラウシア:「生か」

 クラウシア:「レイセは生魚が好きなのか?」


 レイセ:「マグロの刺身は日本人の憧れだな」


 クラウシア:「頂こう」


 ダリドベ:「では、私も」


 ツァーリク:「勿体つけてないで、手早く済ませて欲しい物だな」


 フィビニ:「ツァーリク、口を慎んでください」

 フィビニ:「物理的に話せなくしますよ」


 ツァーリク:「くっ」


 スーサル:「黙って見てろ」

 スーサル:「な?」

 スーサル;「ウナル」


 コナル:「もう、突っ込まないからな」


 ファガス:「はは」

 ファガス:「それにしても、マグロか」

 ファガス:「俺は中トロが良いな」


 コナル:「ここは、大トロだろ」


 セシル:「コナル、大トロとはなんですの?」


 コナル:「部位によって脂のノリ方が違うんだ」

 コナル:「大トロは一番脂の多い部分だな」


 シャレット:「私はあっさりしたところが良いかな」


 ゼレア:「あたしは、コナルと同じところを食べて感想を言い合いたいけど?」


 シルドレ:「うっ、良いかも……」


 シャレット:「……私も大トロで」


 セシル:「まあ、そうなりますよね」

 セシル:「私も感想を言い合いたい」


 ファガス:「お前ら、いつも通りだな」


 シルドレ:「コナルの思い人が来てしまったけど、それはそれ」


 セシル:「四人でコナルとニーナを応援すると決めました」


 コナル:「俺、頑張るよ」


 カー:「羨ましい会話だなー」


 シア:「カーさんは近接戦闘も得意とか」


 カー:「鍛えてはいるけど?」


 シア:「僭越ながら、私も訓練に参加しても?」


 ラナイア:「シアさんが積極的なの初めてみました」


 へサル:「俺も」


 カー:「え?」

 カー:「それって……」


 タロスト:「……」

 タロスト:「モテてるって事だ」


 ファニル:「ダリドベさんも見習ってください」


 キニダゼ:「お前後で説教な」


 ファニル:「え?」

 ファニル:「何回目だよ」

 ファニル:「もういいよ」


 キニダゼ:「十二回目だ」

 キニダゼ:「俺も辛い」


 ヒルデ:「ノイトル」

 ヒルデ:「醤油はどうしました?」


 ノイトル:「どう?」

 ノイトル:「とは?」


 ヒルデ:「毒の事です」


 ノイトル:「流石にこのメンツで毒は無理だった」


 ドレファ:「不穏な会話が丸聞こえです」

 ドレファ:「大丈夫なんですよね?」


 フィビニ:「僕が目を光らせています」

 フィビニ:「安心してください」


 ダダン:「妙な説得力だな」

 ダダン:「解った信用する」


 フィビニ:「はい」

 フィビニ:「そうしてください」


 カイン:「生」

 カイン:「生魚」


 シェルミ:「兄様」

 シェルミ:「意外と気が小さいです」


 カイン:「だって生だぞ」


 シェルミ:「レナメントレアのニーナさんとアリアさんが楽しみにしてるのです」 

 シェルミ:「大丈夫」


 ニーナ:「そうです」

 ニーナ:「理魔法の収納は時間経過しませんし、新鮮です」


 カイン:「虫は?」


 アリア:「空間から取り出すときに、有害な物を除外できます」

 アリア:「心配無用」


 プロミが空間からマグロを出した。


 大きい。


 大きすぎる。


 何か他の生物に見えてきた。


 実はシャチじゃない?


 六メートルくらいある。


 出してみて、思ったより大きかったみたい。


 プロミはテーブルを大きくしてる。



 あれを解体するのは大変だぞ。


 レイセ、こんな大舞台で大丈夫か?


 レイセは刀身の長い刀を具現化した。


 一刀目を入れようとした時、レイセの腕が掴まれた。



 ???:「私がやりましょう」


 レイセ:「義父オヤジ!」


 バランサー:「まだ義父と呼んでくれるんですね」

 バランサー:「感激です」


 レイセ:「それにしては、心が籠ってない気がするが」


 バランサー:「正体がバレてますので」

 バランサー:「手本を見せますよ」


 レイセ:「じゃー、お願いします」


 バランサー:「はい」

 バランサー:「引き受けました」


 ニーナ:「お父さん久しぶり」


 バランサー:「感激です!」


 レイセ:「今度は心が籠ってる、解せん」


 一刀入れる度に歓声があがる。


 見事な刀さばきだった。


 見惚れる。


 切り分けられた部位を刺身包丁で綺麗に盛り付けてくれた。


 ここが日本なら、写真を撮るチャンスだろう。


 盛り付けも見事。


 流石、神。



 箸も用意されているが、みんなは小さいトングでつまんで醤油をつけて食べた。


 皆、満足そうだ。


 レイセ:「前の結婚式も、来てくれてたのか?」


 バランサー:「そうですね」

 バランサー:「盛大でしたから、一人紛れても目立たなかったです」


 レイセ:「今回も出席してくれるのか?」


 バランサー:「そのつもりです」


 レイセ:「今度はいい席用意するよ」


 バランサー:「気遣い無用ですよ」

 バランサー:「誰かが死ねば、無しに成る」


 レイセ:「不吉な事言うなよ」


 バランサー:「中立の立場ですからね」

 バランサー:「なんとも言いようがない」

 バランサー:「正直に言うと、今回声を掛けたのは、『少女』が来てしまったからです」


 レイセ:「なるほど」

 レイセ:「俺に肩入れする管理者が出たからと?」


 バランサー:「まあ、そうです」

 バランサー:「本来は結婚式を見守るだけのつもりでした」

 バランサー:「おっと、結婚式が有ればですが」

 バランサー:「私が来たからには、『少女』の加護は無しに成ります」


 レイセ:「始めから頼る気はないさ」


 バランサー:「でしょうね」


 レイセ:「一緒に酒を飲むくらいの融通は利くんだよな?」

 レイセ:「婚約者を紹介したいし」


 バランサー:「融通は利かせます」

 バランサー:「楽しみだ」


 宴はまだ続く。

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