18話 宴3

 ニーナ:ニーナ・アイマー。

     黒戸美月と融合した。

     五章主人公。

 アリア:アリア・アランテ。

     篠宮美弥子と融合した。

     ニーナとは幼馴染。

 レイセ:レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     黒戸零維世。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

 コナル:青井友介。

     連合国クロトの戦闘顧問。

     黒戸美月が気になる。

 ダズ:聖国クリアの代表代理。

    レイセの元上司。

    アリアにプロポーズしたが、はぐらかされた。

 ボーデン:ボーデン・バレット。

      フレドの補佐。

      魔法タイプ。

      エーディンと婚約。

 アル:聖国クリアの守護者長。

    好戦的な性格。

    案内人から残った七人の内の一人。

 カー:聖国クリアの守護者長。

    ベルとは兄弟同然。

    案内人から残った七人の内の一人。

 リトアニ:魔道国家ネストロスの宰相。

      長髪の美形。

      ナルシストでもない。

      非常に有能。

 ロウエル:ロウエル・ノキシュ。

      商業都市ノキシュの代表。

      契約した。

 クルダム:クルダム・ゼロス。

      連合国クロトの文官長、宰相。

      戦闘能力は無い。




 魔道国家ネストロスのテーブルに来た。


 戦士長のシアさんは居ない。


 替りに、ボーデンさん、アルさん、カーさん、アリア、ダズさんがいる。


 ネストロスは宮廷魔導士のラナイアさんとへサルさん、魔道技師のサッサラさんが居る。


 コナル?


 付いてきた。


 ボーデン:「私は補助魔法を中心に鍛えてますね」


 アル:「俺は炎だな」

 アル:「イメージし易い」

 アル:「防御も焼き切るイメージだ」


 カー:「僕は鉱物とか金属属性かな」

 カー:「硬い物をイメージする」


 ラナイア:「僕は攻撃という概念って感じですね」

 ラナイア:「結界も出せますが、それはへサルに任せてます」


 へサル:「私は反対に防御という概念全般です」

 へサル:「攻撃はラナイアがやります」


 アリア:「今は理魔法を中心にしてる」

 アリア:「使うと楽しい」


 ニーナ:「僕は、私は音魔法かな」


 ダズ:「俺は、魔法は不得意だ」

 ダズ:「だが、工夫次第では戦闘に役立つ」


 コナル:「俺は魔法もいける」

 コナル:「水限定だけど」


 ボーデン:「…………」

 ボーデン:「知っています」

 ボーデン:「ダンジョンではお世話になりました」


 コナル:「相変わらず、俺は苦手か?」


 ボーデン:「考えが変わってきました」

 ボーデン:「周りが見える様になりましたか?」


 コナル:「四人には、キチンとするさ」


 サッサラ:「話が脱線したんだけど」


 コナル:「悪い」

 コナル:「ダズ」

 コナル:「工夫とは?」


 ダズ:「俺の神獣は、雷獣だ」


 サッサラ:「それで?」


 ダズ:「部分融合の延長上に魔法が有る、気がする」

 ダズ:「それを使う」


 アリア:「使うとは?」


 ダズ:「結界に部分融合を使うと、電気を帯びる」


 アル:「俺も普通にやってるが?」


 ダズ:「お前は特殊だ」

 ダズ:「普通はそうならない」

 ダズ:「続けるぞ」

 ダズ:「結界に流せるなら、武器にも流せる」


 コナル:「なるほど」


 コナルは水で剣を造った。


 コナル:「こんな感じか?」


 ダズ:「一回でやるなよ、自信無くすぜ」


 サッサラ:「興味深い」


 ニーナ:「武器で攻撃したら、イメージ流し込めるかな?」


 アリア:「出来そうよね」


 サッサラ:「参考に成ったわ」

 サッサラ:「『多重魔法』と命名する」


 ニーナ:「良いかも」

 ニーナ:「わかり易い」


 アリア:「『複合魔法』でも良いかもね」


 サッサラ:「む!」

 サッサラ:「出来る!」


 ニーナ:「そうなの、そういうの得意な子なの」


 ボーデン:「『複合魔法』に一票」


 サッサラ:「私も」


 ダズ:「なら決まりだな」


 ラナイア:「サッサラの機嫌が良くなって一安心だね」


 へサル:「だな」

 へサル:「後は、レイセ様の反応による」


 ニーナ:「レイセがどうしたの?」


 アリア:「レイセさんに魔道具を見せたいらしいわ」


 ニーナ:「どんな奴?」


 サッサラ:「通信機器の改良版」


 ニーナ:「嫌な予感がする」


 アリア:「私も」


 コナル:「俺も」


 ダズ:「…………」


 ボーデン:「…………」


 アル:「俺が言うか?」

 アル:「お前ら後で何か奢れよ?」


 サッサラ:「何?」

 サッサラ:「その反応?」


 アル:「ラナイア、へサル」

 アル:「機嫌が悪く成ったらどうなる?」


 ラナイア:「ええ?」

 ラナイア:「困ります」


 へサル:「リトアニ様に当たるからなー」


 アル:「その程度か」

 アル:「異世界は通信機器が発達している」

 アル:「知らないのか?」

 アル:「その通信機器は、これ以上の物か?」


 アルさんは自分の魔道具を見せた。


 サッサラは絶句している。


 サッサラ:「え?」

 サッサラ:「え?」


 ダズ:「レイセは薄さに拘ったと言っていたな」


 ボーデン:「聖国と連合国は、小型通信機と中型端末を使い分けています」


 サッサラ:「嘘」


 アリア:「商業都市ノキシュで流通させている物の二世代上に当たるわ」


 サッサラ:「悔しいー」


 アリア:「見せてみて」


 サッサラが見せた物は、レイセが用意したものと良く似ていた。


 アリア:「ちょっとした時間差って感じね」


 サッサラ:「開発の中心人物は?」


 ボーデン:「発想がレイセ」

 ボーデン:「設計がベル」

 ボーデン:「私とクルダムで試作って感じですね」

 ボーデン:「ベルが設計を始めてからの捗り方は異常でしたね」


 ダズ:「あいつそういうの得意だからな」


 コナル:「通信機器を駆使して、通信機器を造ってるのはちょっと面白かったな」


 サッサラ:「もう一回見せて」


 ダズ:「待て、もう一セット手配する」

 ダズ:「それをいじくり回せ」


 ダズさんが、給仕に指示している。


 五分程で一セット出てきた。


 用意が良い。


 ダズ:「戦闘が広範囲になった時に備えて、人数分用意している」


 サッサラ:「量産体制が出来てるの?」


 ダズ:「商業都市ノキシュが有るからな」

 ダズ:「ロウエルが休めなくて愚痴ばっかりだ」


 サッサラ:「自信が砕けそう」


 ダズ:「そう言うな」

 ダズ:「お前のマジックバッグが効いてるんだ」


 アリア:「効いてるとは?」


 ダズ:「物流とマジックバッグの相性の話だ」


 ラナイア:「確かに売れ方が異常だとは思ってたけど」


 へサル:「そっちは、量産しないのか?」


 サッサラ:「え?」

 サッサラ:「マネできるの?」


 ボーデン:「リトアニ様との交換条件に複製の禁止が有ったんです」


 サッサラ:「そう」

 サッサラ:「やるじゃない」


 サッサラの機嫌が戻ったみたい。


 サッサラ:「音魔法の音って、魔道具に応用した?」


 ニーナ:「聞いてみる?」


 私は自分の端末にイヤホンを接続して、サッサラに渡した。



 サッサラは無言だ。


 無言が続く。


 一曲全部聞きやがった。


 サッサラ:「…………」

 サッサラ:「ヤバい」

 サッサラ:「欲しい」


 アリアが私を隠すように前に出た。


 アリア:「あげない」


 サッサラ:「冗談よ」

 サッサラ:「でも、魔術刻印に秘密がある訳じゃ無いのね」

 サッサラ:「それは解った」


 アリア:「芸術家じゃ無いと無理」


 サッサラ:「貴方も魔道具開発に加わるのね?」


 アリア:「秘密」


 ダズ:「新しい魔法開発の話に戻して良いか?」


 コナル:「そうそう、『複合魔法』」


 サッサラ:「騙されてやるわ」


 コナル:「手っ取り早く行こう」

 コナル:「イメージを流す」


 コナルは、ラナイアさん、へサルさん、サッサラさん、にイメージを流した。


 他の皆はイメージを得ている。


 次は私のイメージを流す。


 同じく、ラナイアさん、へサルさん、サッサラさんだ。


 ダズ:「効いたか?」


 ラナイア:「これほどとは…………」


 へサル:「酔いそうだ」


 サッサラ:「くらくらする」


 へサル:「ボーデンさん、コナルさん、あんたらめちゃくちゃだな」


 ボーデン:「でしょう?」


 得意げだが、嫌味が無い。


 コナルは、苦笑い。


 照れくさいらしい。


 サッサラ:「ニーナのは何のイメージ?」


 アリア:「一言で言えば、死と再生、でしょうか」


 サッサラ:「身に覚えが有ると思った」


 ニーナ:「どういう事?」


 アリア:「理魔法はそこから来ています」


 ニーナ:「時間と空間じゃ無いの?」


 サッサラ:「理魔法使えるんでしょ?」


 アリア:「イメージの流し込みは、時間と空間を超えてる」


 サッサラ:「なるほど」


 ニーナ:「?」


 ダズ:「時間と空間は、死と再生と同義だ」

 ダズ:「生命にとって」

 ダズ:「この世のルール」


 アリア:「ちょっと見直しました」


 ダズ:「理解は出来るが共感は出来ない」

 ダズ:「イメージを得てもだ」


 アリア:「ふふ」

 アリア:「お酒が飲みたい」


 ダズ:「これで良いか、お姫様」


 アリア:「うむ、苦しゅうない」


 コントが始まったが、便乗する。


 みんなであの酒を注ぎ合った。



 ネストロスよ、洗礼を受けろ。


 皆、一息に飲んだ。


 サッサラ:「こんなもん飲ますんじゃ無いわよ!」


 ラナイア:「全くだ」


 へサル:「苦い」


 これなー。


 何回見ても面白いんだよな。


 アル:「俺が言う」

 アル:「文句は無いな?」

 アル:「沈黙は是とする」

 アル:「お前ら?」

 アル:「どんな味だった?」



 次はドバスカリだな。


 騒いでいるのが見えている。



 でも、もうしばらく、このまま飲もう。


 そろそろ夕方だ。


 レイセは何を食べさせてくれるのか?


 そんな問題もある。

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