17話 宴2

 ニーナ:ニーナ・アイマー。

     黒戸美月と融合した。

     五章主人公。

 アリア:アリア・アランテ。

     篠宮美弥子と融合した。

     ニーナとは幼馴染。

 レイセ:レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     黒戸零維世。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

 リビア:聖国クリアの元代表。

     レイセと婚約している。

     すでにリビア・クロトと名乗っている。

 リアンナ:リアンナ・ドバスカリ。

      海洋国家ドバスカリ女王。

      黒沢香織。

      ファガスと婚約。

 コナル:青井友介。

     連合国クロトの戦闘顧問。

     黒戸美月が気になる。

 ファガス:黄山十夜。

      海洋国家ドバスカリの重要処。

      リアンナと婚約した。

 プロミ:プロミネンスの略で通り名。

     本名はルビー・アグノス。

     黒崎鏡華。

     月と太陽の国アウグストラの女王。

     国では現人神と扱われている。

 ダズ:聖国クリアの代表代理。

    レイセの元上司。

    アリアにプロポーズしたが、はぐらかされた。

 フレド:フレドリック・ユルロア。

     連合国クロトの守護者長の纏め役。

     ピナンナと婚約。

 ボーデン:ボーデン・バレット。

      フレドの補佐。

      魔法タイプ。

      エーディンと婚約。

 リトアニ:魔道国家ネストロスの宰相。

      長髪の美形。

      ナルシストでもない。

      非常に有能。

 クラウシア:武闘国家メロイリスの国家長。

       戦闘狂の脳筋達を話術だけで説き伏せて国とした。

 ダリドベ:武闘国家メロイリスの守護者長のまとめ。

      クラウシアに惚れている。

      常識人。

 ファニル:武闘国家メロイリスの守護者長。

      ダリドベを目の上のたん瘤と思っている。

      ボケ。

 キニダゼ:武闘国家メロイリスの守護者長。

      ダリドベを尊敬している。

      ファニルのツッコミ。

 レートル:武闘国家メロイリスの守護者長。

      気付くと型錬している。

      さわやかに目立たない。







 リトアニ:「い、今のは?」


 クラウシア:「………」

 クラウシア:「管理者か?」


 レイセ:「たぶんな」


 注目されてるなー。


 神に。


 笑い飛ばすしかない。


 レイセ:「勝利の女神って所か?」


 リビア:「ですね」


 ダズ:「気配に全く気付かなかったぞ」


 フレド:「ああ、同じく」


 アリア:「和馬さんもあんな感じ?」


 ニーナ:「気配を変えられるようだから…………」


 コナル:「和馬さんには何度か会った事有るけど、あれほどの雰囲気は無かったな」


 神の登場に室内はざわついた。


 リトアニ:「部屋は何処をイメージしたんだ?」


 レイセ:「ニーナの隣の部屋」


 ニーナ:「おい!」


 クラウシア:「良く普通に会話出来るな」


 フレド:「仮面の男が様子を見に来るって解釈で良いのか?」


 ダズ:「そのようだ」


 レイセ:「仮面の男も俺と同じ予想なら、積極的な介入は無いな」


 コナル:「管理者が国に居ても狙われないのか?」


 レイセ:「仮面の男にバレなければな」


 リアンナとファガスが移動してきた。


 リアンナ:「レイセ」

 リアンナ:「管理者が言ってた、用意した障害って?」


 レイセ:「聞いていたのか?」

 レイセ:「たぶん魔物の王の事だ」


 リアンナ:「魔物の王もシステムの一部って事?」


 レイセ:「そのようだ」

 レイセ:「管理者は直接仮面の男を排除するつもりが無いらしい」


 ファガス:「まあな」

 ファガス:「共闘を示唆する位だからな」


 リアンナ:「想定してたのよね?」


 レイセ:「まあな」


 リアンナ:「言いなさいよ」


 レイセ:「俺の予想を言っておく」


 レイセ:「今後、管理者から何らかの試練が提示される筈だ」

 レイセ:「システム、試練は管理者を選定する」

 レイセ:「その過程で魔物の王が邪魔に成って来る」

 レイセ:「試練は仮面の男も同様だろう」

 レイセ:「そうなった場合、魔物の王を倒すために共闘が必要になる」

 レイセ:「あれは、その予想を確定させる発言だ」

 レイセ:「試練の内容は不明だ」

 レイセ:「この世界は、精神の世界」

 レイセ:「魔物共は精神の中に在る負の感情の具現化した存在だ」

 レイセ:「魔物の王はその感情を束ねて管理してる」

 レイセ:「魔物の王と言うより、負の感情の神だ」

 レイセ:「単なる予想だ」

 レイセ:「この戦いから、随分先の話だ」

 レイセ:「気持ちを今、ここに集中しろ」

 レイセ:「ニーナ」

 レイセ:「今の雰囲気を一新する良い曲無いか?」

 レイセ:「一曲歌ってくれ」


 ニーナ:「ええ?」

 ニーナ:「今?」

 ニーナ:「ホントに?」


 レイセ:「有るんだろ?」


 ニーナ:「有るけど…………」

 ニーナ:「じゃ、歌うね」


『―――――――』

『―――――――』

『―――― ―――――――――』

『――――― ―――――』

『―――――』

『―――――――――― ――――――――』


『――――――――』

『―― ――――― ――――― ――――』

『―――――』

『―――――――』

『―――――――――――――――』


『――――――――――』

『――――――――――』

『―――――――――』

『――――――――』

『―――― ―――――――――――』

『――――――――――――』

『―――――――』


『――――――――――』

『――――――――――』

『―――――――― ――――――――』

『――――――――――――――』

『――――――――』

『―――――――――』

『――――――――――』

『―――――――――――』


『―――――――――――――――――』

『――――――――――― ―――――――――』

『――――――』


『――――――――――』

『――――――――――』

『――――――――――――』

『――――――』

『―――― ―――――――――――』

『――――――――――――』

『――――――――』


『―――――――――――』

『――――――――――――』

『「―――」――――――――― ――― ――――――』

『――――――――――』

『―――――――――――』

『――――――――――』

『―――――――――――』


『――――――――――』

『――――――――――』

『―――――――――――』

『――――――』

『―――― ―――――――――――』

『――――――――――――』

『――――――――』


 声にメロディーをイメージして歌った。


 私の想像した景色も。


 私の声を聞いたら全て流れ込んだ筈だ。



 余計に静かに成ってない?


 ニーナ:「歌ったよ」


 レイセ:「ニーナ、ありがとう」


 ニーナ:「どう?」


 レイセ:「良かった」

 レイセ:「最高だ」


 リビア:「最近出来た曲ですか?」


 アリア:「そう」

 アリア:「作詞は私」


 ニーナ:「私達が――」

 リビア:「曲名は?」

 アリア:「『―』」


 コナルが泣いている。


 感化されやすそうだもんな。


 まー、泣いてるのは一人だけじゃ無いけどね。


 泣かせてどうする、私。


 ダズ:「お前」

 ダズ:「凄いな」


 アリア:「お前って呼ぶのを許可してないけど?」


 ダズ:「じゃ、なんて呼べば良い?」


 アリア:「自分で考えて」


 うわー。


 ダズさんかわいそー。


 相手は代表代理なんですけど。


 コナル:「俺は名前で呼んでもいい?」


 ニーナ:「許可を求めない」


 私も一緒だった。


 ニーナ:「別のテーブルに行こう?」


 後ろを振り向くな、コナル。


 お前に言っている。


 自分を指さしてる。


 頷いてあげた。


 嬉しそうな顔しやがって。


 こいつ、モテるんだった。


 くそう。



 武闘国家メロイリスのテーブルに来た。


 ダリドベさんがファニルさんと話しているのを、キニダゼさんが監視している。


 どういう関係だ?


 そして、黙々と体操しているレートルさん。


 レートルさんは無視して良いらしい。


 そんな雰囲気。


 ダリドベ:「良い歌でした」


 ニーナ:「ありがとうございます」


 ファニル:「視線がクラウシア様から動いて無いですよ?」


 キニダゼ:「スルーしろよ」

 キニダゼ:「ニーナさんも気付いてるわ」


 苦笑するしかない。


 ニーナ:「ですね」

 ニーナ:「気付いてます」


 ファニル:「そんな事解ってます」

 ファニル:「注意してるつもりだけど?」


 キニダゼ:「なんでお前が注意するんだよ」


 ダリドベ:「すいません」

 ダリドベ:「気に成って」


 ニーナ:「いいんです」

 ニーナ:「そりゃ気に成りますよね」


 ダリドベ:「幸せに成って欲しい気持ちも有るのですが…………」


 コナル:「レイセはああ見えて淡泊なんだ」

 コナル:「よっぽどじゃ無いと靡かないですよ」


 ニーナ:「だね」

 ニーナ:「一見、更に何人もって考えてそうだけど」


 コナル:「たぶん、気が有ったらすぐにそうしてると思いますよ」


 ファニル:「ですって」


 ダリドベ:「うん」

 ダリドベ:「聞こえてるから」


 キニダゼ:「お前、後で説教な」


 ファニル:「ええ?」

 ファニル:「一日に三回説教があるの?」


 キニダゼ:「四回な」


 レートルさんは、体操を延々と続けている。


 見ているだけで三巡目だ。


 見ない様にしよう。


 さわやかな笑顔が目に焼き付く。


 ダリドベ:「噂のお酒、有ります?」


 コナル:「強い酒ですが、大丈夫ですか?」


 ダリドベ:「今は、飲みたいのです」


 ニーナ:「解りました」


 私は空間から、サンドブレイブスピリットを出した。


 ダリドベさんのグラスに注ぐ。


 おどろおどろしい液体が、どっくどっく流れ出る。


 ダリドベさんが唾を飲み込んだ。


 ダリドベ:「逝きます」


 ファニル:「なんか違う意味に聞こえますよ」


 キニダゼ:「お前が突っ込むな」


 ニーナ:「ふふ、仲いいですね」


 ダリドベさんが酒を飲み干した。


 ダリドベ:「ぐふう」


 コナル:「最初だけですから、踏ん張って下さい」


 ニーナ:「クラウシア様も飲んでましたよ」


 キニダゼ:「おお、その言葉は効き目有りそう」


 ダリドベ:「フーーー」


 ファニル:「コナルさん、イメージ流して貰って良いですか?」


 キニダゼ:「話題変えるな、ダリドベさんの感想を聞けよ」


 ダリドベ:「死にたい」

 ダリドベ:「も、もう一杯」


 キニダゼ:「…………」


 ニーナ:「ダリドベさんには突っ込まないんですね」


 キニダゼ:「何がですか?」


 コナル:「ボケも出来るんかい」


 ファニル:「そうなんです」

 ファニル:「こいつそういう奴なんです」


 その後、ファニルさんとキニダゼさんもあの酒を飲んで静かに成った。


 旨い。


 旨いと静かに成る。



 次のテーブルに行こう。

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