16話 予想外の来訪
ニーナ:ニーナ・アイマー。
黒戸美月と融合した。
五章主人公。
アリア:アリア・アランテ。
篠宮美弥子と融合した。
ニーナとは幼馴染。
レイセ:レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。
黒戸零維世。
連合国クロトと聖国クリアの王。
リビア:聖国クリアの元代表。
レイセと婚約している。
すでにリビア・クロトと名乗っている。
リアンナ:リアンナ・ドバスカリ。
海洋国家ドバスカリ女王。
黒沢香織。
ファガスと婚約。
コナル:青井友介。
連合国クロトの戦闘顧問。
黒戸美月が気になる。
ファガス:黄山十夜。
海洋国家ドバスカリの重要処。
リアンナと婚約した。
プロミ:プロミネンスの略で通り名。
本名はルビー・アグノス。黒崎鏡華。
月と太陽の国アウグストラの女王。
国では現人神として扱われている。
ダズ:聖国クリアの代表代理。
レイセの元上司。
アリアにプロポーズしたが、はぐらかされた。
フレド:フレドリック・ユルロア。
連合国クロトの守護者長の纏め役。
ピナンナと婚約。
ボーデン:ボーデン・バレット。
フレドの補佐。
魔法タイプ。
エーディンと婚約。
リアンナ:「じゃあ、まずは私からね~」
リアンナ:「初めての方も、初めてじゃ無い方もこんにちは」
リアンナ:「私がリアンナ・ドバスカリよ」
リアンナ:「この懇親会は戦闘での連携を行いやすくする重要な物です」
リアンナ:「積極的に会話して、お互いの特徴を掴んで下さい」
リアンナ:「あー、そうそう、私が条約を守るのは当然よね」
リアンナ:「ファガスと結婚するし」
リアンナ:「レイセも私に向けて礼を言った訳じゃ無いわ」
リアンナ:「以上で~す」
らしい挨拶。
要点を抑えつつも、緊張感を無くさせる会話を狙ってできるのだ。
魔道国家ネストロスの宰相リトアニ様と武闘国家メロイリスの国家長クラウシア様が互いに目配せしている。
きっと知り合いなのだろう。
クラウシア様が頷いた。
クラウシア様から話す様だ。
クラウシア:「武闘国家のクラウシアだ」
クラウシア:「この懇親会を非常に楽しみにしてきた」
クラウシア:「ハッキリ言っておく、私はクロト王に気が有る」
クラウシア:「条約を取り付けたダリドベには後で褒美を使わす」
クラウシア:「私的な理由を除いても、条約を守るのは当然だ」
クラウシア:「魔物の王の配下は強い」
クラウシア:「聖国と連合国の強さに倣う良い機会になる」
クラウシア:「逆に感謝したいくらいだ」
クラウシア:「だから、気を遣う必要は無い」
クラウシア:「以上だ」
…………。
レイセがモテていやがる。
クラウシア様に戦闘能力は無さそうだが、迫力が有る。
有能そうだ。
才女って感じ。
横に立つダリドベさんが、泣きそうだ。
クラウシア様が好きなのだろう。
褒美はいらん、貴方が欲しい、って顔だ。
リビアの顔を見る。
笑顔だ。
今まで見た事の無い笑顔だ。
きっとあれは、本気になった顔だ。
リビアが強敵認定した。
国家長は、王と同義いう事だ。
本物なんだろう。
リトアニ様が話す。
リトアニ:「魔道国家、宰相のリトアニだ」
リトアニ:「今回、我が王を国に残してきた」
リトアニ:「普通はそうする」
リトアニ:「王自ら動くなど、普通では考えられない」
リトアニ:「今回の戦いでは王が何人も参加している」
リトアニ:「何としても、勝たないといけないな」
リトアニ:「クロト王は友人だ」
リトアニ:「ポーカーでは情けない所を見せたが、今回は俺を見直す事に成るだろう」
リトアニ:「楽しみにしててくれ」
リトアニ:「大事な事を言い忘れる所だった、親睦を深めるのに酒は必要だが、飲み過ぎるなよ」
レイセ:「お前がな!」
リトアニ:「プロミ様がまだなのが不満だ」
レイセ:「うるせい」
レイセ:「お前は俺と飲むんだよ」
突っ込まれて嬉しそうに笑うリトアニ様。
モテそうなんだけど、独り身らしい。
宰相で独り身って、どっか悪いんじゃ無いかと思ってしまう。
失礼だな。
反省。
ダズさんとフレドさんが目配せする。
ダズさんからだ。
ダズ:「聖国の代表代理、ダズだ」
ダズ:「本来、俺が発言するのはおかしいが、王の指名だ」
ダズ:「不満が有るなら我が王に言ってくれ」
ダズ:「革新が起きた」
ダズ:「情報はまだ発信していないがイメージを直接相手に送れるようになった」
ダズ:「我が王の妹の功績だ」
ダズ:「彼女は今回非常に重要な役割を担う事に成る」
ダズ:「特に彼女と親睦を深めてくれ」
ダズ:「あと、俺はプロポーズした」
ダズ:「ニーナの友人のアリアだ」
ダズ:「彼女に手を出したら、こ、こ、ただじゃ済まさない」
ダズ:「俺が守るこの国に助太刀に来てくれてありがとう」
ダズ:「心から礼を言う」
ダズ:「楽しんでくれ」
フレド:「連合国の代表代理、フレドリック・ユルロアだ」
フレド:「ダズも俺も代表代理を名乗ってるが、我が王は顧問として振る舞わない」
フレド:「実務を全て熟す気だ」
フレド:「それが我が王の筋の通し方らしい」
フレド:「なんで、各国から送られてきている情報を我が王は全て把握してる」
フレド:「我が王とはそのつもりで話していただいて構わない」
フレド:「俺はダンジョン完全攻略者だ」
フレド:「攻略のイメージを送るのは正直抵抗感が有る」
フレド:「苦労したんだぜ」
フレド:「だが、今回は出血大サービスだ」
フレド:「声を掛けてくれたら、送り込んでやる、すっごいぞ」
フレド:「俺は交換にお勧めの酒を振る舞う、断るなよ」
フレド:「聖国は、俺の国と言ってほぼ間違いじゃない」
フレド:「駆けつけてくれてありがとう」
フレド:「一緒に戦ってくれ」
レイセ:「みんなありがとう」
レイセ:「じゃあ、大食堂に移動してくれ」
レイセ:「俺に付いて来い」
静かなままだ。
緊張が解けていない。
どうするつもりなんだろう?
大食堂に戻って来た。
レイセ:「みんな、自由に行動してくれ、解散!」
例に洩れず立食パーティーだ。
自分の国でテーブルを一つずつ確保している。
みんな割と消極的だ。
例外もいるが。
魔道国家の宰相リトアニ様が起点になって、一つテーブルが潰れている。
隣にはレイセ。
リビア。
クラウシア様。
私。
アリア。
コナル。
もう呼び捨てだ。
ダズさん。
フレドさん。
濃い。
濃いよね?
レイセ:「リトアニ」
レイセ:「久しぶり」
レイセ:「元気にしてたか?」
リトアニ:「白々しいな」
リトアニ:「頻繁に連絡を取ってただろ?」
レイセ:「顔は見てなかった」
レイセ:「魔道具でリモート会議出来るやつを作った」
レイセ:「明日配布する」
レイセ:「今後はそれで連絡を取ろう」
リトアニ:「魔道国家を指しおいて、またそんな便利なのを作ったのか?」
リトアニ:「そんなだから、サッサラが付いてくるのを止められなかった」
レイセ:「魔道技師を名乗っている女性か?」
レイセ:「彼女は?」
リトアニ:「うちの奴らと、ボーデンさん、アルさん、カーさんに何やら相談らしい」
クラウシア様がレイセの腕に抱き着いた。
密着状態だ。
レイセは無視している。
放っておかれて、クラウシア様はふくれっ面だ。
リビアは笑顔。
私は、ハラハラしている。
アリアはダズさんにお酒を薦められ、満更ではない様子。
フレドさんがアリアとダズさんの間を取り持っている。
コナルは私の隣でニコニコしている。
子犬か。
私はコナルのグラスに酒を注いだ。
まあ、飲めよ。
普通の葡萄酒だ。
コナルが私のグラスに酒を注いだ。
黙って乾杯した。
クラウシア:「クロト王」
クラウシア:「今回の戦い、どう見ている?」
レイセ:「魔物の王と戦った時は、雑魚が大したこと無かった」
レイセ:「あの当時は数に苦労したが、今の俺達なら切り抜けられた」
レイセ:「その後、配下を殺した時は、雑魚は俺が大技を使って一掃した」
レイセ:「だが今回はそう簡単には行かないだろう」
レイセ:「雑魚の質と量が前の比じゃない」
レイセ:「俺が無理をしてもどうにもならない」
レイセ:「配下三人の実力も解っていない」
レイセ:「プロミは戦った事があると言ってたが、実力を全て引き出す所まで行けなかったらしい」
レイセ:「戦闘が始まれば、俺は配下を一人受け持つつもりだ」
レイセ:「残りの配下二人をダンジョン完全攻略組が受け持つ」
レイセ:「貴方の国は、雑魚の相手を頼む」
クラウシア:「具体的な対応の目途が付いているんだな」
クラウシア:「流石は二国の王だ」
レイセ:「そう持ち上げるな」
レイセ:「配下の実力によっては予定が大きく変わる」
レイセ:「選択肢は余り無い」
クラウシア:「配下を討ち取るつもりか?」
レイセ:「配下の残りはそう多くない」
レイセ:「倒してしまうと、王が出て来る」
レイセ:「その心配か?」
クラウシア:「ふふ、そうだ」
クラウシア:「良く解るな」
クラウシア:「魔物の王と勝負する戦力は何処の国も無いだろう」
レイセ:「…………」
レイセ:「本音を言えば、追い返すだけにしたい」
レイセ:「が、無理だろう」
レイセ:「『ロストエンド』のレポートは読んだか?」
リトアニ:「ああ、仮面の男か?」
リトアニ:「今回の戦闘に関係が有るのか?」
レイセ:「奴が黙って見ていると思うか?」
クラウシア:「介入が有ると?」
レイセ:「兵の厳選を頼んだのはその為でもある」
レイセ:「可能性は常にある」
レイセ:「今、この時も」
レイセ:「まー、今回助っ人を用意した」
レイセ:「奴の相手を一人では無理と言ってたが頑張って貰うしか無いな」
リトアニ:「…………」
クラウシア:「…………」
レイセはクラウシア様の腕を引き剥がし、リビアと腕を組んだ。
レイセはリビアに酒を薦めた。
リビアは受けた。
あの酒だ。
クラウシア様は羨ましそうに見ていた。
クラウシア:「この国を造ったのは、貴方らしいな」
リビア:「ええ、あの時より、大分大きくなりましたが」
クラウシア:「実は、早くに着いて、街をリトアニに案内してもらっていた」
レイセ:「リトアニ、言えよ」
リトアニ:「クラウシア様の希望だった」
リトアニ:「断れない」
リトアニ:「ダズさんには話を通してあった」
クラウシア:「綺麗な街だ」
リビア:「…………」
リビア:「この酒を知っていますか?」
クラウシア:「存在は」
リビア:「飲んだら、一旦鉾は収めましょう」
クラウシアはグラスを差し出していた。
リビアはサンドブレイブスピリットをクラウシアに注いだ。
飲む気らしい。
かわいらしい女の子が横に立っていた。
彼女もグラスを差し出した。
現実味の無い光景。
現実味の無い容姿。
レイセを見た。
驚いてはいない。
レイセは少女のグラスに、サンドブレイブスピリットを注いだ。
あれは、見てはいけない者じゃないか?
コナル:「大丈夫だ」
コナル:「害意は無い」
コナル:「俺達も飲もう」
コナルは自分のグラスに酒を注ぐと、ダズさん、アリア、リトアニ様、リビア、レイセの順に酒を注いだ。
リビア:「では、改めて、乾杯」
皆は酒を飲んだ。
リトアニ様、クラウシア様は、酒の味が解らないって顔だ。
私だって解らんよ。
???:「ほう、面白い味ですね」
レイセ:「だろ?」
???:「貴方の結婚式に出席したい」
レイセ:「貴方が来た事で、予定が狂った」
レイセ:「結婚式は無いかもな」
???:「私達が用意した障害を突破するのに必要な手立ては?」
レイセ:「仮面の男との共闘だろ?」
???:「なら、貴方は的に成らない」
???:「彼に認められなさい」
レイセ:「それを言いに来たのか?」
???:「盛大な結婚式を見たいだけです」
???:「バランサーもじき来ますよ」
レイセ:「義父は勝手に来るだろ」
少女は微笑んだ。
???:「私はしばらくこの国に滞在します」
???:「部屋を用意してください」
???:「貴方が今想像した部屋で待機しています」
少女は消えた。
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