13話 楽しくなりそうです

 ニーナ・アイマー:レナメントレアのはぐれ里出身。

          未契約だが黒戸美月の人生を追体験した。

          黒戸美月の精神が意識の中にある。

          五章主人公。

 アリア・アランテ:レナメントレアのはぐれ里出身。

          ニーナとは幼馴染。

 レイセ:レイセ・クリア・クロト・ノキシュ。

     黒戸零維世。

     連合国クロトと聖国クリアの王。

 リビア:リビア・クロト。

     レイセと婚約。

     聖国クリアの元代表。

 ベル:黒沼直樹。

    聖国クリアの守護者の纏め役。

    聖国クリアの守護者と言えば彼を指す。

    物理と数学の教師。

    ランと結婚した。

 カー:ベルとは幼馴染。

    琥珀聖。

    鉱物が関係した魔法を得意としている。

    魔法タイプ。

 ダズ:聖国クリアの代表代理。

    レイセの元上司。

    昔は無精ひげだったが、今は剃ってる。

 フレドリック・ユルロア:通称フレド。

             連合国クロトの守護者長の纏め役。

             ピナンナと婚約。

 ボーデン・バレット:連合国クロトでフレドの補佐をしている。

           エーディンとは書類上では夫婦。

           結婚式がまだ。

 コナル:青井友介。

     大学生。

     連合国クロトの戦闘指南役。

     美月が気になる。

 ファガス:黄山十夜。

      大学生。

      リアンナ・ドバスカリと婚約。

      海洋国家ドバスカリの重要処。

 リアンナ:リアンナ・ドバスカリ。

      海洋国家ドバスカリの女王。

      黒沢香織。

      一流企業に就職。

 アル:聖国クリアの守護者長。

    クリアの飲み友達だった。

    火炎魔法を多用する魔法タイプ。

 ピナンナ・ラクトリ:連合国クロトの守護者長。

           フレドと婚約。

 カイン:元レナメントレアの王子。

     ダズが親代わり。

     レイセに父親を殺された。

 ラトス・ミュラ:連合国クロトの守護者長。

         ゼアスと名乗ったレイセと一騎打ちをした。

 リドット・シルベスト:連合国クロトの守護者長。

            閑話で主人公だった。

            始めはレイセに懐疑的だった。

 ワイツル・アフガーニ:連合国クロトの守護者長。

            閑話でリドットを窘めた。

 シズル・マルカ:連合国クロトの守護者長。

         連続で霧化出来るといったレイセに驚いていた。




 私に説教した四人組は近衛兵だと思う。


 近衛兵と守護者組が、宴の間に到着したのだ。


 近衛兵四人とは、仲良く成れない。


 成れそうもない。


 それは良い。


 遅れて到着した連合国の守護者達に挨拶しておこう。


 どうも部屋の隅にあるソファーで寛いでいるみたいだ。


 行ってみる。


 コナルさんは、ついて来るみたい。


 ふふ、好きにして。




 ラトス・ミュラ。


 リドット・シルベスト。


 ワイツル・アフガーニ。


 シズル・マルカ。


 ピナンナ・ラクトリ。


 ピナンナさんはフレドさんと婚約してる。


 フレドさんと一緒に来たはずだ。


 全員、連合国クロトの守護者長だ。


 その中でも選り抜きの五人らしい。


「お疲れ」


「ああ!」

「コナル」

「見知った顔で安心します」


「え?」

「ピナンナ、人見知りだっけ?」


「違いますけど、他国に来るのは初めてですもの」


「そんなんじゃ、結婚式で膝ガクガクだな」


「ですね」

「帰りたくなってきました」


「どうも初めまして、ニーナ・アイマーです」


「「「「「初めまして」」」」」


 声が揃っても気にしないらしい。


 息がぴったりだ。


 練度高そうなのが一発で解った。


「あんたが、ニーナか」

「美人だな」


「不躾が過ぎますよラトス」


「いえ、嬉しいです」


「ほらな、ワイツル」

「婉曲なのは好まれないぞ」


「コナルの前で口説くなよ」


「そうです、リドットの言う通りです」


「う」

「そうか」

「そうだった」


「お前らなー、そんなのはもっと遠くで言えよ」


「コナル」

「すまん」


 コナルは、私の顔を済まなさそうに見た。


 はー、しょうがないな。


 そんな、捨てられた子犬みたいな目で見られると、こっちが悪い事してる気に成ってくる。


「バレバレなんで、大丈夫ですよ」


「だよなー、コナルは嘘付けないもんな」


「うるせーよ、お前もだろラトス」

「お前、霧化千回な」


「マジでか!?」


「嘘付けないからな」


「ジョーダンは言えるだろ」


「どうだったかな」


「コナルが訓練メニュー決めてるんですか?」


「ああ、俺は王の友人で、戦闘の顧問って立場で、こいつらの上官て事に成ってる」


「へー、結構偉いんだ」


「どう?」

「見直した?」


「少し」


「そうか、なら良し」

「ラトス」

「霧化は無しだ」


「助かったー」


「あのー、イメージを直接流し込めるって聞いたんですが…………」


「シズル、それ俺も気に成ってた」

「ニーナどうするの?」


「おでこをくっ付けて、イメージするだけよ」


「俺にやってみてくれないか?」


「良いけど、変な気起こさないでよ?」


「信用無いなー、なんでだろ?」


「ですね」

「コナルほど一途な男を私は知りませんけどね」


「だろ?」

「ワイツル、もっと言ってくれ」


「ハイハイ、そんなのは自分で判断します」

「おでこ出して」


 コナルはおでこを近づけた。


 短髪で意外と小顔だ。


 清潔感がある。


 私は右手で髪を掻き揚げて、おでこをくっ付けた。


 イメージを流す。


「なるほど」


「まって、まだだ」

「コツがわかった」

「俺からも流す」


 コナルから、凄いイメージが流れ込んできた。


 とにかく凄い。


 私が一線を越えた時の比じゃない。


「…………」


「レイセもこんな感じ?」


「…………」

「たぶん」

「でもあいつは特別だ」

「プラスアルファを必ず隠してる」


「…………」

「コナル」

「私にも流してください」


「シズル」

「おでこ出して」


 コナルは、シズル、ラトス、ワイツル、リドット、ピナンナの全員にイメージを流した。


 勿体ぶったりはしない。


 イメージは凄すぎた。


 実感が伴わない。


 切っ掛けにしかならないだろう。


 発想の必要な何かには、抜群の効果が有りそうだ。


「コナル」

「ありがとう」


「どういたしまして」


 ダズさんとフレドさん、ベルさんがこっちに近づいて来た。


 ダズさんはソファーにテーブルを用意する様指示を出してる。


 テーブルに食べ物が並べられていく。


「気が利かなくて済まない」

「俺がダズだ」


「僕が、ベルです」


「「「「「初めまして」」」」」


「ふ、息ぴったりだな」

「頼りに成りそうだ」


「ですね」


「ダズはさっきプロポーズした」


「お前、すぐ言うな!」


「我慢できるかよ」


「フレド、誰に?」


「アリアさんだ」


「ええ!?」

「返事は?」


「はぐらかされてやんの」


「ははは」


「ベル?」

「今、笑ったのか?」


「いえ、聞き間違いでは?」


「お前、さらっと嘘言うよな」


「フレド、何か?」


「ベル、俺はお前がちょっと怖い」


「ちょっと、失礼よ」


「ピナンナ、大丈夫だ」

「ベルは、そんな繊細なやつじゃ無い」


「僕とは手を組んだ方が得ですよ」


「こわー」


「ニーナさん、何か?」


「いえ、心の声が洩れました」


 黒沼直樹先生。


 冗談を言う感じじゃないイメージだった。


 でも違ってた。


 全力でふざける事の出来る人だ。


 発言が黒いのも、遊びだからだ。


 私に昔話してくれた時は、紳士だった。


 ちょっと面白い。


 ラン、羨ましいかも。


「ベル、手を組みたい」


「フレド、楽しくなりそうです」


「俺は頭が痛いぞ」


「ほら、手を組んで正解でしょう?」


「だな、絶対に敵に回したくないな」


「ベル、その位にしとけよ」


「おっと、ふざけ過ぎた様ですね」

「しばらく黙ってます」


「ダズさん」

「一緒に酒飲もう」


「コナル」

「さんはいらない」

「呼び捨てでいい」


「これだろう?」


 ダズさんはサンドブレイブスピリットをテーブルに置いた。


「解ってるね」

「ニーナも飲む?」


「頂くわ」


 しばらく三人で飲んだ。


 無言が続いた。


 ホント、クソ旨いな、この酒。


 途中からベルさんとフレドさん、守護者長五人が加わった。


 守護者長達は料理もつまんでいる。


 私もつまんでみた。


 旨い。


 でも、レイセの味を思い出した。


 また、作って欲しいな。



 まったりしていた。


 油断していた。


 大きな音がした。


 結界が破られて、外壁が崩れたらしい。


 宴は中断だ。



 会場に蒼い戦士が入って来た。


「ダズ」

「人手が足りない」


「カイン」

「相手はどんなだ?」


「空にいるのは、小型飛竜種だ」


「地上のでかい三体が、外壁に体当たりしてきてるが、飛び回る飛竜種が邪魔で対処できない」

「飛竜種の数が多すぎる」


「なるほど」


「ニーナ、アリア」

「お前らが手伝え」


「レイセ、その二人で大丈夫か?」


「そう言うレベルじゃない」

「ボーデン、アル、カー」

「お前らも付いて行って、体感して来い」


「レイセ」

「体感とは?」


「音魔法と、理魔法の威力をだ」


「レイセさん」

「もう少しで読み終わるんですが…………」


「気に入って貰えて嬉しいが、後にしてくれ」


「指示は有りますか?」


「地上のでかいのをまずは一旦壁から離してくれ」

「ニーナは、飛竜な」


「了解」


「では、行ってくれ」

「他の皆はそのまま続けてくれ」

「大した敵じゃない」

「気配で解るだろう?」


「レイセ!」

「お前、大した敵じゃ無いだと?」


「うるさい」

「俺の名前を大声で言うな」

「カイン」

「お前も行け」

「ニーナとアリアを参考にしろ」


「アリアが行くなら、俺も行って良いか?」


「…………」

「ダズ、お前は戦力の把握の為に、一応知っておいた方が良いかもな」

「なら、フレド」

「お前も行っておいてくれ」


「解ったぜ」


「みんな、心配ない、続けよう」


 ダズさん、フレドさん、カインさん、アルさん、カーさん、ボーデンさん、アリア、私。


 八人。


 魔法使いに偏っている。


 私は、空を飛んでいる飛竜が相手。


 ちょっと前までの私なら、倒せなかった。


 今、自分の実力はどうなっているか、自分でも解らない。


 他の魔法使いが参考にするらしい。


 威力マシマシ。


 数大盛りで行こう。


 楽しくなってきた。


 私達は、外に向かって走っている。


 隣にはアリアがいる。


 彼女も笑ってる。


 考える事は同じだ。



 外に出た。

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