閑話 激怒する
ふざけやがって!
この、この私の目の前で、結界を貫通。
くそっ!
絶対に守るつもりだった。
守るつもりだったのにー。
こんな。
馬鹿な。
レイセなら、絶対に何とかしてくれる。
私は、私に出来る事をやる。
攻撃の瞬間、殺気を感じた。
僅かだったが、方角が解った。
逃がさない。
絶対に!
いた!
逃げられると思うな!!
気配を掴んだ。
私はこの世界が、集合無意識の世界と確信している。
私のこの感情を全てぶつけてやる。
全力だ。
全力を出し切る。
そこか!
そんな気配消しはもう通用しない。
逃がさない。
逃がさない!!
槍を投げた。
奴はまだ距離が有ると油断している。
馬鹿が!
槍は加速する。
位置を特定しているのだ。
絶対に当てる。
追尾させる。
狙うのは足だ。
当たった。
槍を抜こうとしているな?
でも抜けないだろ?
槍とは今も部分融合で繋がっている。
無数の返しを発生させた。
お前はその場所から動くな!
「お前がやったのですか?」
「仲間は後、何人います?」
「今回引き連れてきたのは、何人?」
私は、ニーナが嬉しそうに歌を歌っていた姿を思い出していた。
私は拷問を始める。
私のイライラは厄介だ。
一度イライラすると、もうダメ。
抑えが効かない。
ニーナが嬉しそうに天ぷらを食べている姿を思い出した。
まだ、まだ駄目。
とどめはまた今度。
まだもう少し我慢できそう。
ニーナがアリアと仲良さそうに話していたのを思い出した。
こいつは何もしゃべらない。
何をやっても、たぶん無意味。
狂信者とは厄介だな。
でも、私には勝てないだろ。
ふふ。
何かしゃべるかもしれない。
ベストを尽くそう。
いつの間にか、こいつは事切れていた。
ふー、落ち着け。
まだ出来る事が有るかもしれない。
ニーナとアリアは私達に追いつくのだ。
邪魔はさせない。
『ザ・ワールド・サティスファイド・パーフェクトリー(可能性の終わり)』
死体の頭の中に空間を広げた。
情報を搾り取る。
ふふ。
最初からこれを思いつかないとは。
笑える。
解った。
あと、七人いる。
気配も読み取れた。
近くに一人。
さあ、狩りを始めよう。
ニーナが餃子を食べていた。
ニーナがお好み焼きを食べていた。
食べてばっかり。
今度は私が、何か作ってあげよう。
私の腕も捨てたもんじゃない。
楽しみだ。
四人倒した。
もう情報は要らない。
殺して回るだけ。
イライラはまだ収まらない。
一人を追いかけていると、左右から攻撃が来た。
今度は中々強いのが出てきた。
やる気らしい。
私は男の大剣を右腕で、もう一人の薙刀を左腕で掴んだ。
素手で受けている。
私が触った部分から白い光が溢れ出る。
光は敵の武器を侵食する。
逃げようとするが、男たちの手は武器から離れない。
浸食は武器を伝わり、肉体に伝わる。
神獣はもう出せない。
私に触れている部分が光に成る。
光は拡散していく。
綺麗な光だ。
そのまま、二人は光に成って、空間に溶けた。
逃げていた最後の一人の気配が急に消えた。
周囲に殺気が充満している。
方向がわからなくなった。
まだ何かやる気らしい。
逃げていた癖に。
逃げた癖に。
仲間が、戦っている時に来ず、追い詰められると力を出すのか?
ふざけるな。
最初から出せよ。
来い。
受けてやる。
ふー。
息を吐いた。
ナイフの切っ先が首に触れようとしていた。
私は右手で奴の手首を掴んでいた。
中々の攻撃だった。
掴めたのは、勘だ。
男を光に替えた。
レイセは二度襲撃が有ると言っていたが、もう無い。
ふー、最後は骨の有る一撃だった。
あれで不意打ちされていたら躱せなかった。
ただし、急所には届かないだろう。
首は急所じゃない。
即死しない。
そして、急所じゃなきゃ、再生する。
集中して、気持ちが途切れた。
イライラも途切れた。
レイセの所に戻る。
きっとニーナは回復している。
さあ、帰ろう。
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