エピローグ

レイセ:主人公。

    黒戸零維世であり、クリア・ノキシュでもある。

    融合者。

    契約者。

    黒羽学園中等部生徒会長。

    美月は妹。


黒崎鏡華:プロミネンスと名乗っている。

     ルビー・アグノス。

     融合者。

     契約者。

     月と太陽の国女王にして現人神。

     小学六年生。

     美月と友達。

     レイセと婚約している。

リビア:聖国クリアの元代表。

    レイセと婚約している。

黒沼直樹:ベル。

     黒羽学園高等部の数学と物理の教師。

     中等部生徒会顧問。

     融合者。

     聖国クリアの守護者。

黄山十夜:春日高校一年生。

     融合者。

     契約者。

     ファガス。

青井友介:七星学園高等部一年生。

     融合者。

     契約者。

     コナル。

『ウォーターフォックス』:本名不明。

             死兵国プロンシキの英雄。

             頬に大きな入れ墨が有る。




 

「話は終わりだ」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「俺は、俺達は、青子に全てを話していた」

「青子の『能力』を発現させる努力はしていた」

「しかし、青子の『能力』は発現しなかった」

「青子は『能力』の発現と同時に、管理者だった頃の記憶を取り戻している」

「自分のわがままで仲間が死んだと思ったんだろう」

「俺も『アルタイル』だった頃の記憶が戻っている」


「仲間が、じゃ無い、死んだのが貴方だからだろ」


「かもな」

「青子が俺と入れ替わった」

「俺も一応、管理者だ」

「自由に『能力』を発現出来ないが」

「青子は、『能力』を奪う『能力』と、奪った『能力』を強める『能力』を得ていた」

「それだけじゃ説明のつかない事もしてるが、俺も全てを理解できていない」

「俺が、仮面の男が使えるのはあの時奪った『能力』だけだ」

「分裂した時に、力が分散した」

「仮面の男が三分の二を持って行った」

「この『ロストエンド』は和馬と俺の『能力』を使っている」

「俺はほぼ力の増幅装置だ」

「グレイ・フレイムは、実は時間操作の『能力』だ」

「『ロストエンド』にその『能力』の一部が使われている」

「あの世界は、お前たちが契約したあの世界は、新たに管理者を選定する機能が有る」

「ダンジョンはその補助装置だ」


「あの世界は、集合無意識の中なんですよね?」


「そうだ」

「集合無意識だ」

「良くわかったな」

「仮面の男はどうにかして管理者に近づこうとしてる」

「最初にダンジョンを攻略する者が、管理者に一番近い」

「必ず、接触が有る」

「奴を殺してくれとは言わない」

「奴を管理者に近づけるな」


「管理者が全て死ぬとどうなるのです?」


「解らないらしい」

「和馬にも予想が付かない」

「…………」


「『ウォーターフォックス』は何故呼ばれたのです?」


「お前らと同じような時期に、もう一つのタイプのダンジョンを完全攻略した」


「えっへん」


「あと、和馬が推してきた」


「何か思惑が有りそうですね」


「『ウォーターフォックス』、感想は?」


「君たちは怒るだろうが、僕は仮面の男を支援するよ」


「は?」

「何よそれ!」

「話聞いてた?」


「彼は世界に復讐する」

「僕も手伝いたいと言ったんだ」

「どうしようと僕の勝手だろう?」

「それで、貴方の仲間はどうなったんだい?」


「レイセ達はヤスさんとは会ったんだったな?」


「はい」

「非常に好感の持てる方でした」


「は、だろ?」


「はい」


「『能力』を奪われた仲間は対価を取り戻し、寿命が延びた」

「老けたのはアイナだけだ」

「そんなに昔の話じゃ無い」

「今でも美人さ」


「対価が無かった二人はどうです?」


「あの二人は、解ってしまう事自体が対価だった」


「シズクは普通に優秀な軍人」

「百枝さんは、和馬を手伝っている」


「百枝さんは知っています」

「話した事有ります」


「ヤスさんと、トキさんとは偶に会っている」

「二人とも道場と警察関係だ」

「実は瑠璃も和馬と働いている」


「貴方は?」


「喫茶店のマスターだ」


「貴方の目に俺はどう映っていますか?」


 彼はオールバックの髪を下ろし、サングラスを外した。


「俺のランプはもうない」

「奪われた」

「義眼が動かないだろう?」


「確かに」

「それでサングラスなんですね」


「まあな」

「俺が言うのも何だが、仮面の男は強いぞ」


「はは、知っています」


「まー、レイセが何とかするだろ」


「だな」


「ですね」


「お前らな、リーダーに頼り過ぎるから、勘違いするんだぞ」


「お前、手厳しいな」


「貴方はちょっと俺に似ています」


「そうね」

「もう、止めてよね」


「うーん?」

「どうだろう?」


「もう!」


「過去に合わせて未来が変化し、未来に合わせて過去が変化する」

「『シリウス』」


「もうその名で呼ぶな」


「都合よく物語を改変させる世界を俺は認めない」

「その点では仮面の男と意見が一致してる」

「でもあいつは違うんだろ?」


「そうだ、気に入らない結果が出たから、盤面をひっくり返したいだけだ」


「物語の結末は俺達が決める」

「貴方にも手伝ってもらう」

「貴方も『トゥルーオーシャン』に行けますか?」


「そう来たか」

「なら、やってやるさ」

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