18話 戻って来た

 レイセ:主人公。

     黒戸零維世であり、クリア・ノキシュでもある。

     融合者。

     契約者。

     黒羽学園中等部生徒会長。

     美月は妹。

 黒崎鏡華:プロミネンスと名乗っている。

      ルビー・アグノス。

      融合者。

      契約者。

      月と太陽の国女王にして、現人神。

      小学六年生。

      美月と友達。

      レイセと婚約している。

 黒戸美月:零維世の妹。

      小学六年生。

      鏡華と友達。

      非常にかわいく、ファンがいる。

 リビア:聖国クリアの元代表。

     レイセと婚約している。

 黒竜:真名、レムリアス。

    白竜と並ぶ最古の神獣。

    レイセと契約している。

 黒沼直樹:ベル。

      黒羽学園高等部の数学と物理の教師。

      中等部生徒会顧問。

      融合者。

      聖国クリアの守護者。

 黄山十夜:春日高校一年生。

      融合者。

      契約者。

      ファガス。

 青井友介:七星学園高等部一年生。

      融合者。

      契約者。

      コナル。

 エウェル:クリア・ノキシュの妻。

      故人。

 エーシャ:エウェルとクリアの娘。

      クリアとは血が繋がっていない。

 ボーデン・バレット:フレドの補佐。

           連合国クロトの守護者。

           閑話に登場。

 クルダム・ゼロス:ノスヘルの元代表。

          文官長。

 フレドリック・ユルロア:連合国クロトの守護者長纏め役。

 ノイトル・ロベスト:月と太陽の国の従者長。

 ヒルデ・ガント:月と太陽の国の神官長。

 ロウル・ヒスリー:月と太陽の国の従者兼料理人。

 クアクル・ロウナー:月と太陽の国の従者兼料理人。

 カシアル・シュース:月と太陽の国の従者兼裁縫士。

 スレガリン・ラウナル:月と太陽の国の従者兼裁縫士。

            カシアルの弟子。

 リメア・ラメウス:月と太陽の国の神官兼付き人。

 ヒメア・ラメウス:リメアとは姉妹。

          月と太陽の国の神官兼付き人。

 レイ:『光の旋律』リーダー。

    長命種。

    血の繋がっていない子供がいる。

 ダズ:聖国クリアの守護者。

    リビアの代わりを務めている。

 ロウエル・ノキシュ:商業都市ノキシュの代表。

 テラセス・マシア:ロウエルの護衛。

          孤児。

          ライサムとは兄弟の様に育った。

 ライサム・マシア:ロウエルの護衛。

          孤児。

          テラセスとは兄弟の様に育った。

 セシル・マイカ:レイセの近衛兵。

         元一流の冒険者。

         お嬢様風。

 シャレット・キニクル:レイセの近衛兵。

            元一流の冒険者。

            お転婆風。

 ゼレア・ロットル:レイセの近衛兵。

          元一流の冒険者。

          姉御風。

 シルドレ・ナバリ:レイセの近衛兵。

          元一流の冒険者。

          不思議さん風。

 リアンナ・ドバスカリ:海洋国家ドバスカリの女王。

 長谷川さん:零維世のクラスメート。

       運動部。

 倉持君:零維世のクラスメート。

     剣道全国三位。

 キルッド・ババルイア:リアンナの執事。

            通称キル。

 ラトス・ミュラ:ルピアスの守護者長。

 ピナンナ・ラクトリ:ノスヘルの守護者長。

 リドット・シルベスト:スロラの守護者長。

 ワイツル・アフガーニ:ラクラシの守護者長。




 

 ノスヘルの空は曇りが多い。


 今日も曇りだ。



 聖都クリアを出て二か月。


 首都ノスヘルに着いた。



 そもそも、出国している事を大々的に言っていないので、こっそり中に入る。


 ファガス、コナル、リアンナは俺の家に泊まる。


 王の私宅だ。


 それなりに広く、不便は無いはずだ。



 荷物の移動が一通り終わった。


 すぐに城に顔を出す。


「こっちの青髪短髪がコナル」

「灰色の髪を後ろでくくっているのがファガス」

「ファガスの隣にいる、緑の長髪がリアンナだ」


「仲が良いのは解るのですが、始めに紹介するのはリアンナ様じゃないと」


「クルダム」

「硬い事言うなよ」

「リアンナ」

「何か言ってくれ」


「しばらくお世話になります~」


 リアンナはファガスに抱き着いた。


 ファガスはリアンナをお姫様だっこした。


 キャッキャしている。


「リアンナ・ドバスカリって、もっとこう、クレバーなイメージと言うか」


「…………」


「俺のイメージ間違ってたか?」


「フレドの意見に同意します」

「あれは、彼女がおかしいのでは?」


「そうだよな、ボーデン」

「あいつらちょっと変だよな?」

「コナル様は普通そうだ」


「様は止めてくれ、コナルで良い」


「ふふ、あんたがいて良かった」

「コナル」


「で、フレド、どうした?」


「あんた、王に鍛えられたんだろ?」

「訓練に付き合ってくれ」


「良いけど、セシル、シャレット、ゼレア、シルドレも一緒に良いか?」


「あとな、ファガスも誘ってくれ」

「こいつはこう見えて、しっかり訓練するんだ」


「わかった」

「ファガス様、一緒にどうだ?」


「聞こえていた」

「様は無しな」

「リアンナも連れて行く」


「リアンナ様を連れて行って大丈夫か?」


「リアンナ、大丈夫?」


「大丈夫」

「私、ファガスが頑張ってるの大人しく見とくわ~」


「その二人は、七つの大罪の“色欲”同士なんだ」

「説明しとけばよかったな」


「なるほど」

「通りで……」


「そうか」

「じゃー、行くか」


 フレド、ボーデン、ファガス、コナル、リアンナは訓練場に移動した。


「………」

「クルダム」

「最近どうだ?」


「変化無しです」


 そうだよな。


 毎日二時間は魔道具で連絡していた。


 話す事は特に無い。


 有ったら困る。




 そろそろ秋だ。



 年に二度集まるあれが有る頃だ。


 今回は参加する。


 久しぶりだ。



 それが終わったら、ダンジョンを完全攻略だ。


 今、守護者長のラトス、リドット、ワイツルが来ているらしい。


 こいつらはしょっちゅう来ている。


 様子を見てやるか。


 俺も訓練場に移動する。


「プロミ」

「リビア」

「訓練場に行こう」


「そうね」


「解りました」



 近衛兵四人が、守護者長四人プラスボーデンと良い勝負を繰り広げていた。


 コナル、ファガス、リアンナは見物している。


「うーん」

「これはどうなんだろ」


「コナル、ハッキリ言ってみろ」


「お前の兵弱いな」


「俺はお前ら二人を鍛えるのに全力出したからな」


「ファガスはどう思う?」


「俺はドバスカリを鍛える事に成るからな」

「コナルの働きに期待だ」


「そうか」

「俺がやるのか」


「そうだな」

「王である俺も直々じきじきに動くが、お前が中心になってくれ」

「それにしても、フレドとボーデンは余り変わっていないな」


「ちょっと待って下さい」

「その評価おかしい」


「そうだぜ、セシル、シャレット、ゼレア、シルドレの四人がめちゃくちゃ強くなったんだよ」


「近衛兵とは、本来そういう物だ」

「追いつかれるお前らが悪い」

「強くなろうと思ったら、時間かけないと無理だぞ」

「毎日夜十時までやれ、休みは週に一日で十分だ」

「異世界では百五十時間残業に匹敵するが、ここは違う世界だ」

「関係ない」

「残業百五十時間の、ギリギリの領域で鍛えろ」

「疲労で死ぬかもしれないと思いながら鍛えろ」

「コナルとファガスにはそれ以上させたし、俺もやった」

「俺なんか、訓練が終わった後、夜十一時から連合国と二時間連絡を取ってた」

「フレド、連絡してたよな?」


「ああ、夜に連絡して来るから、眠くて仕方なかった」

「そんな無理しても効率悪いだけだぜ」


「何言っている」

「お前追いつかれてるだろうが」

「やれよ」

「今日から」

「今から」


「ふざけんなよ」

「俺たちの仕事もきつかったぞ」

「王がいないから」

「王が五十年いないから」

「大変だった」


 おお、俺が悪い気がしてきた。


「俺も付き合うから、明日からな」


「仕方ねーな」


「わ、わかりました」


「俺達も加わりたい」


「ラトス」

「お前らは自分の代わりを用意しろ」


「守護者長の代わりを用意するのは大変ですよ」


「やれとしか言えないな」


「…………」

「王が帰ってきて、面白くなってきました」

「今度の集合会が楽しみです」


「俺も楽しみだ」

「また、俺と手合わせするか?」


「はは、是非」


「俺はこの五十年も鍛えまくったから、前より凄くなってるぞ」

「今度は新技も見せてやる」


「た、楽しみにしています」

「では、私達はこれで」

「もう戻らないと」


「そうか」

「またな」

「ファガス、コナル」

「手合わせするぞ」

「プロミ、リビア」

「加わってくれ」

「フレド」

「ボーデン」

「お前らもだ」

「ほら、動け」


 五時間程続けて、解散になった。



 みんなで食事だ。


 いつものメンバーに、フレド、ボーデン、クルダムが加わる。


「リビア様、いつもお美しい」

「プロミ様、貴方もお美しい」

「初めまして、リアンナ様、貴方はお美しい」


「うふふ、悪い気しないわね」


「ファガスが複雑な顔しているのも、何か嬉しい」


「レイセも妬いてくれるとかわいいのですが」


「こいつにそれを期待しても無駄ね」


「レイセ」

「ボーデンが苦手だ」


 ファガスはそう言いながら、リアンナを膝にのせて、食事させている。


 器用にリアンナにスプーンで食べさせている。


「ファガス、諦めろ」

「こいつは優秀だ」


 俺の感覚では、ファガスとボーデンは似ている。


 ファガスの好意の対象が一人なのに対して、ボーデンは全員に満遍なくと言うだけだ。


「レイセ様」

「コナルですが、あれはどういう事です?」

「貴方の為に女性の近衛兵を集めたのに、あれは…………」


「ボーデン、コナルは天然でモテてる」

「放っといてやれよ」


「なんだか釈然しゃくぜんとしませんね」

「コナルの精神構造がどうなっているのか解析不能です」


「お前が言うな」

「ボーデンが苦手って相当だぞ、コナル大した奴だぜ」


 クルダムは俺の隣で味わって食べている。


 クルダムは食事中あまり話さないらしい。


 だが、騒がしいのが嫌いな訳じゃ無いみたいだ。


 機嫌良さそうに食べていた。



 俺達の会話の最中、コナルは近衛兵四人に餌付けされていた。


 コナル近衛兵五人組のいつもの光景だった。



 良い夜だ。


 毎日このメンバーで食べよう。



 プロミの従者達はどうしようかな?


 加えるともっと騒がしくなるだろうな。



 楽しみだ。

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