3話 方針転換
レイセ:主人公。
黒戸零維世であり、クリア・ノキシュでもある。
融合者。
契約者。
黒崎鏡華:プロミネンスと名乗っている。
ルビー・アグノス。
融合者。
契約者。
月と太陽の国女王にして、現人神。
小学六年生。
美月と友達。
レイセと婚約している。
リビア:元守護者。
聖国クリアを創設した。
レイセと婚約している。
黒竜:真名、レムリアス。
白竜と並ぶ、最古の神獣。
レイセと契約している。
黒沼直樹:ベル。
黒羽学園高等部の数学と物理の教師。
中等部生徒会顧問。
融合者。
守護者。
黄山十夜:春日高校一年生。
融合者。
契約者。
ファガス。
青井友介:七星学園高等部一年生。
融合者。
契約者。
コナル。
エウェル:クリア・ノキシュの妻。
故人。
ボーデン・バレット:フレドの補佐。
守護者。
閑話に登場。
クルダム・ゼロス:ノスヘルの元代表。
文官長。
フレドリック・ユルロア:連合国クロトの守護者長纏め役。
ノイトル・ロベスト:月と太陽の国の従者長。
ヒルデ・ガント:月と太陽の国の神官長。
ロウル・ヒスリー;月と太陽の国の従者兼料理人。
クアクル・ロウナー:月と太陽の国の従者兼料理人。
カシアル・シュース:月と太陽の国の従者兼裁縫士。
スレガリン・ラウナル:月と太陽の国の従者兼裁縫士。
カシアルの弟子。
リメア・ラメウス:月と太陽の国の神官兼付き人。
ヒメア・ラメウス:リメアとは姉妹。
月と太陽の国の神官兼付き人。
レイ:『光の旋律』リーダー。
長命種。
血の繋がっていない子供がいる。
「なあ、ここは止めないか?」
「どうしたんだフレド?」
「ここは難易度が高すぎる」
「どういう事だ?」
「セラリアは罠が少ない」
「打って付けだろう?」
「五十階層まではな」
「だが五十一階層からはおかしい」
「他のダンジョンなら、ノスヘルなら、俺は八十まで行ける」
「この層を攻略出来ても、その先が続かない気がする」
「これは黙っていようかと思ったんだが…………」
「あんたら融合者は強い」
「リビア様は何故か例外だ」
「…………」
「俺、ボーデン、ノイトル、ヒルデがヤバい」
「無理だと思うのか?」
「いや、この階層は大丈夫だろ」
「でも後が続かない」
「うーん」
「そうか」
「お前、先に言えよ」
「悪いな」
「あんたが本気なのを見て、なんとなく言えなかった」
「ダンジョンを最後まで、最下層まで攻略する気なんだな?」
「そうだ、完全攻略する」
「言ってなかったか?」
「初耳だぜ」
「初耳です」
「私は知ってたけど」
「私もです」
「知りませんでした」
「同じく」
「ふむ、とりあえずこの階層は攻略するぞ、異存は無いな」
「ああ、そこは大丈夫だ」
「了解です」
「覚悟は出来ています」
「問題無いです」
「同じく」
「じゃ、行くぞ」
それぞれ門をくぐる。
扉が下りてくる。
通路は奥に真っ直ぐ伸びている。
奥に進むとまた扉が有った。
進むと、広間に成っていた。
後ろで扉が下りている。
完全に閉じ込められた。
大きな光が部屋の中央に集まる。
光の大男が出来た。
ざっと身長十メートル。
デカすぎだ。
間髪入れずに剣を振り降ろしてくる。
俺は盾で受けた。
めちゃくちゃ重い。
五メートル押し込まれた。
部屋が狭い。
もう壁際だ。
もう一撃放ってきた。
今度は躱す。
ギリギリだ。
一撃で壁に大きな溝が出来た。
田んぼの脇に有る水路の様な溝が出来た。
凄まじい怪力だ。
男は十メートルある。
身長差があり過ぎる。
剣だと足にしか届かない。
急所に攻撃が届かない。
俺は槍を投げた。
強く光る槍は、男の盾に防がれた。
攻撃を避けては、槍を投げる。
それを繰り返した。
大男の盾はボロボロになった。
盾が砕けた。
男は盾を具現化し直した。
具現化し直すのが早い。
隙が無い。
具現化の隙を突いて、一気に致命傷を与えるはずが、無理になった。
攻め手を変える。
男の攻撃は何とか躱せている。
攻撃の照準を急所から足に替える。
俺は長柄のハンマーを創り出した。
男から繰り出される剣撃を躱し、防ぎ、カウンターでハンマーを喰らわせる。
三十分後、男は膝をついた。
回りの壁や床は剣撃でボロボロだ。
その隙に、俺は霧に成って、男の首に両足を掛けた。
肩に乗って、両腕で首に力を掛ける。
首の力が強い。
折れない。
男は両腕で俺を掴もうとした。
剣を振り回して、手を遠ざける。
どうする?
考えている間に足を掴まれた。
不味い!!
足を持って地面に放り投げられた。
「ガッハァッ!!」
間髪入れずに剣で留めを差しに来る。
俺は、ゴロゴロと横に転がりながら、剣撃を必死に躱した。
躱しきれなくなった瞬間、精神集中が間に合った。
やっと霧化出来た。
俺が居た場所に剣が突き刺さる。
男の後ろに立ち、霧化を解いた。
もう一度ハンマーで膝をつかせる。
始めからだ。
攻防を繰り返し、また膝をつかせた。
今度は、俺は男の肩に立ち、斧を構えた。
精神を集中する。
フゥー。
息を吸い込む。
「ハァッ!」
斧を水平に滑らせ、木を切るように男の首を落とした。
ハァー、ハァー。
疲れたー。
男は消滅し、魔石が落ちた。
俺は魔石を回収した。
さらに奥の扉が開く。
開いた扉の先には、取っ手が一つあった。
それを引っ張った。
何かが動く音が聞こえる。
放すと元に戻る。
引っ張り続けた。
取っ手の上に七つの装飾がされている。
装飾の水晶の一つが光っている。
一つという事は俺が一番か?
みんな結構手こずってるな。
無理も無い。
俺も苦戦した。
ボーデンは大丈夫か?
ヒルデは?
ノイトルは?
フレドは?
俺の判断ミスじゃ無いか?
しばらく見ていると、光は二つになった。
立て続けに光は増える。
残り一つ。
しばらく待つ。
まだか?
まだか?
不安になる。
光は灯された。
ガコンという大きな音とともに、何かが動く音が聞こえる。
もう放しても大丈夫だろう。
部屋を引き返す。
踊り場に、台座が出来ていた。
みんなも集まってくる。
「ダメかと思ったぞ」
「私が手間取りました」
ボーデンが済まなさそうに言う。
「大事が無くて良かった」
「それで…………」
台座を見る。
手の形をした
「みんな手を」
みんなで台座に手を当てた。
何の反応も無い。
「手形の上の印を見て」
手形の上に△が二つくっついた形の物と、菱形の物が有る。
△は四つ、菱形は三つ。
「融合者は四人、こっちの世界は三人必要なんだろう」
「人数が合わない」
みんな頷いている。
「引き返すぞ」
二週間かけて地上に出た。
朝だ。
曇っている。
嫌な天気だった。
今にも降り出しそうだ。
一旦休憩にする。
「フレド」
「ノスヘルの他はどうなってる?」
「他はノスヘルと大差無い」
「セラリアだけああなってる」
「そうか」
「聖都と王都はセラリアと似ていた」
「王都?」
「今は呼び名が違うんだったか?」
「たぶん、商業都市ノキシュの事だな」
「また、俺の名前か」
「あんた支店を建てさせた時に気付かなかったのか?」
「決裁するのに不明な点が無ければ、名前なんて見て無い」
「八十階層まで行っているんだな?」
「ああ、そこで引き返した」
「何故だ?」
「仲間が死んだ」
「そうか」
「八十まで行けたのは一回だけだ」
「その後は試す気に成らなかった」
「俺はどうしても、最下層まで攻略したい」
「ダンジョンには何かある」
「同感だぜ」
「ボーデン、お前はどう思う?」
「不思議な施設です」
「人間を鍛える為に在るようです」
「同感だ」
「プロミ、ノイトルとヒルデは本当に伸び代が無いのか?」
「千年位実力が変わってないわ」
「ダンジョン攻略を続ければ変わるんじゃないか?」
「なに?」
「気に入ったの?」
「まあ、そうだ」
「あげないわよ」
「お前の物は俺の物だ」
「何よそれ!」
「ばっかじゃないの」
「俺の物はお前の物だ」
「…………」
「それ、私が損しない?」
「気付いたか?」
「当り前よ」
「今度は俺が月と太陽の国に行く」
「え?」
「なんで?」
「あいつらを鍛える」
「まだ早いんじゃない?」
「いや、早い方がいい」
「改変に成るかもな」
「どうしてもセラリアを攻略したいのね」
「いいわ」
「私の国に来て」
「リビアは当然連れて行く」
「リビア、いいだろ?」
「置いて行くと言われてもついて行きます」
「なら、問題無いな」
「問題あるに決まってんだろ!」
「こっちはどうする?」
「お前がいるだろ」
「マジかよ」
「早すぎないか?」
「クルダムとボーデンがいれば大体何とか成るはずだ」
「一晩休憩したら、一旦ノスヘルに戻るぞ」
「ちょっと待て、話を進めるな」
「後を俺に任せるなら、俺にも詳しく説明しろ」
俺は、十夜と友介、ファガスとコナルについてフレドに説明した。
フレドは納得していないが、俺はファガスとコナルを鍛えに月と太陽の国に行く事は了承させた。
月と太陽の国か、久しぶりだな。
今度は国を見て回りたい。
楽しみだ。
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